勘違いって恐ろしい

りりん

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  卒業も目前に迫った頃、レイモンドから卒業を祝う夜会用のドレスと装身具が送られてきた
  帝国の技術で織られた高価なシルクで作られた素晴らしいドレスであった

  「まああ!しっかりと夜会の予定に合わせてドレスを送られる気遣いといい、流石でございますねぇ」

  リタは大喜びでレイモンドを賞賛する
  アイザックのユリアーナに対する所業に、ユリアーナ付きの侍女として、大変な怒りようだったのだ

  添えられていた《愛しい婚約者殿へ》と書かれたカードを手に取って頬を赤らめているユリアーナに

  「愛されていらっしゃいますね。お嬢様」

  感動するリタにユリアーナは恥ずかしそうに微笑んだ

  

  卒業式の日、午前中に恙無く式を終えて屋敷に帰ると、湯浴みをして完璧に肌を磨きあげられ、気合いの入った侍女達に身支度をしてもらうと、レイモンドに送られたドレスに身を包んで、ファシュエル公爵にエスコートされて夜会会場である王宮の大ホールに足を踏み入れた

  この夜会は、デビュタントで社交界デビューはしているものの、学生であった卒業生達が本格的に社会に迎えられる祝いと餞として、王家が主催する盛大な夜会であった
  学園から衣装の貸し出しもあり、平民の卒業生も参加する事が出来る平民からも憧れの夜会である

  名を読み上げられ、大階段をゆっくりと下りていく
  レイモンドから送られたドレス、サファイアブルーの光沢のあるシルクの生地がふんだんに使われ金糸の見事な刺繍が施されたプリンセスラインのドレス
  階段を1歩降りる度にスカートが見事に揺らめく
  髪飾りと耳元で揺れるイヤリング、デコルテを飾るネックレスは、サファイアを敢えてゴールドで縁取られている
  うっとりとしたホール中の視線がユリアーナに降り注いだ
  ルーカスに他の貴族達が挨拶に来ると、ユリアーナは傍から離れて友人達と合流した
  マリアンナとミランダはキラキラとした目でドレスを見ている

  「ユリアーナ様のドレス、本当に素晴らしいですわねぇ」

  ドレスの色は深いサファイアブルー、アクセサリーもサファイア、ユリアーナの瞳のブルー、シンプルな1色使いに、アクセサリーとドレスに施された刺繍のゴールドが映えて、清々しい華やかさになっている
  
  「ふふっ、ありがとう。レイモンド様が送ってくださいましたの」

  「まあ、このようなドレスを夜会に合わせて送るだなんて、本当に素敵な方ですわねぇ」

  そう言う2人も婚約者から送られた婚約者の色のドレスを纏っている
  3人は楽しそうに微笑みあっていた

 
  「惨めなものだな、ユリアーナ。自分で作らせたドレスで、父親のエスコートか」

  そこに勘違いをした場違いな声を掛けられる
  ピンク色のヒラヒラしたレースのドレスを着たアンナを腕にくっつけたアイザックである

    
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