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プロローグ④
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ノブがボックスの外にある電源を指でなぞった。
そして、その2畳くらいのボックスは少しずつ温度が上がっていくようにシンノスケは感じられた。
ちなみに、マイクロウェーブ波を発生させるということは、要は電子レンジの構造と同じである。
電子レンジの場合、マイクロ波を照射して、極性をもつ水の分子にエネルギーを与え、分子を振動・回転させて温度を上げる構造で、マイクロ波加熱を利用して温めているのである。
マイクロ波を用いた電子レンジでは、赤外線より物質の内部まで放射によって加熱されるものの、水分子を含まず電磁波が透過するモノは加熱されないのだが、ノブに着せられたのは、そのために調整されたスーツのようだった。
おそらくは電子レンジほどワット数は上がらないようには設定してあるようだが、どうしても、卵が電子レンジの中で破裂する瞬間が頭の中によぎった。
ボックスに、窓のようなモノがついてはいるのだが、直径10センチ平方メートルほどしかなく、シンノスケが中から外を確認するには少し、しゃがまなければならなかった。
シンノスケがその小窓から見えるノブの姿は、見上げるような形になっていた。
「おい!ちょっと待てよ!!」
シンノスケがそのボックスの窓を軽く叩きながら、必死にノブに声を掛けるが、真剣な表情のまま、ボックスの外の電光掲示場のようなモニターを仏頂面で眺めているノブには届かない様子であった。
少し屈んだ状態のまま、シンノスケは身体が暖かくなるのを感じられた。
おそらくは少量の電量しか流していないため、血が沸騰するレベルではないマイクロウェーブ波が発生しているのだろう。
窓から見ていると、ノブは操作パネルになっているモニターのアイコンをタップするのが見えた。
すると突然、共鳴音のような、重低音と超高音を合わせたような聞き取ることができないが、鼓膜に強く響く音をシンノスケは感じた。
それはシンノスケにとって不快な感覚させるものであり、中腰で立っているのが辛いほど頭の中まで響いてきた。
シンノスケは思わず腰をついた。
「あったま、痛ぇ!」
おそらくはノブの話からするに、ネット回線のWi-Fiに繋げ、何かのアプリケーションを立ち上げたのだろう。
そのアプリケーションがなんなのかわからないが、その誤作動のようなモノで起こっているのは確かであった。
頭を抱えるシンノスケは、脳内で急に残像のような映像が流れた。
頭の中に強制的にデータをダウンロードをされる感覚。
そして、白昼夢のような感覚で、その映像が頭の中で再生される。
その映像は日本ではないどこか異国の地。
古いヨーロッパのような街並み、その近くの自然が豊かな森、そして、その世界のどこかにある神殿の門の前。
フラッシュバックのように頭の中で流れる映像は、シンノスケの脳内のシナプス大きなストレスと負担を生じさせていた。
その映像もいったんは収まり、目をシンノスケ目を開け、ボックスにある小さな小窓からノブの方を見た。
「少しは心配しろよ、ノブ!」
そう叫ぶ声もどうやら、ノブには届いていなかった。
小窓からモニターの方を見ると、ノブの気配がない。
「あらっ?」
不可思議に思い、小窓から実験室の奥を見渡したがノブの姿は見当たらない。
「ど、どこいったんだ、あいつは?」
シンノスケがまだ頭の中に膨大なデータが流れ込む感覚が強く感じた。
「マジでヤバいかも…」
そう思い、ドアをなんとか開けようとするが、何故かビクともしない。
もう一度、小窓から確認したがモニター付近にはやはり気配がない。
嫌な予感がよぎり、床の方を確認するシンノスケ。
すると、床には塞ぎ込むように倒れているノブがいた。
焦ったシンノスケはドアを破ろうと、立ち上がり思いっきりドアを蹴り上げた。
だが、もともとドアは内開きのせいもあってか、全くビクともしない。
脳内に限界が訪れ、まるで起きているのに寝ているような感覚に囚われた。
そして、気絶するかのように、シンノスケもそのまま床えと倒れ込んでしまったのだ。
倒れ込む瞬間、白昼夢はこの状況とは無関係のような映像が、シンノスケの頭の中で再生されていく。
意識が朦朧とする中、シンノスケは先程見た映像の中の石窟の建物の中に吸い込まれるような夢見る。
その石窟の建物の中で、古い西洋の衣装をまとう男性と日本では見たことのない鳥が会話をしているような映像が見えた。
「ここは、どこの場所なんだ?」
そして、その古い西洋の衣装を纏う男がなにかを取り出すと、ものすごい閃光が放たれ光の三原色が入り乱れるタイムホールに吸い込まれるような感覚に陥ったのだ。
そして、シンノスケは泡を吹きながら、そこで意識が途絶えた。
そして、そのまま日は暮れていき、朝を迎えた。
「おはよう」
そう言って、朝早く実験室に入ってくる初老のメガネをかけた老人がいた。
「なんだコレ?」
そうひとりごとのようにつぶやき、老人はボックスの中を覗き込んだ。
その中にはシンノスケが倒れこんでいた。
「寝てんのか?」
ふとそう思った教授だが、足元にもうひとり、ノブも泡を吹いた状態で倒れ込んでいるのに気がついた。
「一体どうしたんだ!」
そう言って、抱き上げたノブは、もうすでに息をしてはいなかったのだった。
大学の校舎に救急車のサイレンが響き渡る。
そして、学校の校舎に向かって歩く大学の生徒たちは、何事もなかったように、いつもどおりの平凡な毎日を繰り返すのだ。
シンノスケは未だ白昼夢の中、自分の中の感覚がいつもと違うことに気づいたとき、突然なにかの声に起こされたような気がした。
いまだ頭痛がする頭を抱えながらシンノスケが目を覚ますと、そこは白昼夢の中で見たシンノスケが知りもしない、西洋のような石造りの神殿の床の上だった。
そして、目の前には西洋の骨董品のような嘴の長い青と白の色の見たこともない鳥が気絶していた…。
そして、その2畳くらいのボックスは少しずつ温度が上がっていくようにシンノスケは感じられた。
ちなみに、マイクロウェーブ波を発生させるということは、要は電子レンジの構造と同じである。
電子レンジの場合、マイクロ波を照射して、極性をもつ水の分子にエネルギーを与え、分子を振動・回転させて温度を上げる構造で、マイクロ波加熱を利用して温めているのである。
マイクロ波を用いた電子レンジでは、赤外線より物質の内部まで放射によって加熱されるものの、水分子を含まず電磁波が透過するモノは加熱されないのだが、ノブに着せられたのは、そのために調整されたスーツのようだった。
おそらくは電子レンジほどワット数は上がらないようには設定してあるようだが、どうしても、卵が電子レンジの中で破裂する瞬間が頭の中によぎった。
ボックスに、窓のようなモノがついてはいるのだが、直径10センチ平方メートルほどしかなく、シンノスケが中から外を確認するには少し、しゃがまなければならなかった。
シンノスケがその小窓から見えるノブの姿は、見上げるような形になっていた。
「おい!ちょっと待てよ!!」
シンノスケがそのボックスの窓を軽く叩きながら、必死にノブに声を掛けるが、真剣な表情のまま、ボックスの外の電光掲示場のようなモニターを仏頂面で眺めているノブには届かない様子であった。
少し屈んだ状態のまま、シンノスケは身体が暖かくなるのを感じられた。
おそらくは少量の電量しか流していないため、血が沸騰するレベルではないマイクロウェーブ波が発生しているのだろう。
窓から見ていると、ノブは操作パネルになっているモニターのアイコンをタップするのが見えた。
すると突然、共鳴音のような、重低音と超高音を合わせたような聞き取ることができないが、鼓膜に強く響く音をシンノスケは感じた。
それはシンノスケにとって不快な感覚させるものであり、中腰で立っているのが辛いほど頭の中まで響いてきた。
シンノスケは思わず腰をついた。
「あったま、痛ぇ!」
おそらくはノブの話からするに、ネット回線のWi-Fiに繋げ、何かのアプリケーションを立ち上げたのだろう。
そのアプリケーションがなんなのかわからないが、その誤作動のようなモノで起こっているのは確かであった。
頭を抱えるシンノスケは、脳内で急に残像のような映像が流れた。
頭の中に強制的にデータをダウンロードをされる感覚。
そして、白昼夢のような感覚で、その映像が頭の中で再生される。
その映像は日本ではないどこか異国の地。
古いヨーロッパのような街並み、その近くの自然が豊かな森、そして、その世界のどこかにある神殿の門の前。
フラッシュバックのように頭の中で流れる映像は、シンノスケの脳内のシナプス大きなストレスと負担を生じさせていた。
その映像もいったんは収まり、目をシンノスケ目を開け、ボックスにある小さな小窓からノブの方を見た。
「少しは心配しろよ、ノブ!」
そう叫ぶ声もどうやら、ノブには届いていなかった。
小窓からモニターの方を見ると、ノブの気配がない。
「あらっ?」
不可思議に思い、小窓から実験室の奥を見渡したがノブの姿は見当たらない。
「ど、どこいったんだ、あいつは?」
シンノスケがまだ頭の中に膨大なデータが流れ込む感覚が強く感じた。
「マジでヤバいかも…」
そう思い、ドアをなんとか開けようとするが、何故かビクともしない。
もう一度、小窓から確認したがモニター付近にはやはり気配がない。
嫌な予感がよぎり、床の方を確認するシンノスケ。
すると、床には塞ぎ込むように倒れているノブがいた。
焦ったシンノスケはドアを破ろうと、立ち上がり思いっきりドアを蹴り上げた。
だが、もともとドアは内開きのせいもあってか、全くビクともしない。
脳内に限界が訪れ、まるで起きているのに寝ているような感覚に囚われた。
そして、気絶するかのように、シンノスケもそのまま床えと倒れ込んでしまったのだ。
倒れ込む瞬間、白昼夢はこの状況とは無関係のような映像が、シンノスケの頭の中で再生されていく。
意識が朦朧とする中、シンノスケは先程見た映像の中の石窟の建物の中に吸い込まれるような夢見る。
その石窟の建物の中で、古い西洋の衣装をまとう男性と日本では見たことのない鳥が会話をしているような映像が見えた。
「ここは、どこの場所なんだ?」
そして、その古い西洋の衣装を纏う男がなにかを取り出すと、ものすごい閃光が放たれ光の三原色が入り乱れるタイムホールに吸い込まれるような感覚に陥ったのだ。
そして、シンノスケは泡を吹きながら、そこで意識が途絶えた。
そして、そのまま日は暮れていき、朝を迎えた。
「おはよう」
そう言って、朝早く実験室に入ってくる初老のメガネをかけた老人がいた。
「なんだコレ?」
そうひとりごとのようにつぶやき、老人はボックスの中を覗き込んだ。
その中にはシンノスケが倒れこんでいた。
「寝てんのか?」
ふとそう思った教授だが、足元にもうひとり、ノブも泡を吹いた状態で倒れ込んでいるのに気がついた。
「一体どうしたんだ!」
そう言って、抱き上げたノブは、もうすでに息をしてはいなかったのだった。
大学の校舎に救急車のサイレンが響き渡る。
そして、学校の校舎に向かって歩く大学の生徒たちは、何事もなかったように、いつもどおりの平凡な毎日を繰り返すのだ。
シンノスケは未だ白昼夢の中、自分の中の感覚がいつもと違うことに気づいたとき、突然なにかの声に起こされたような気がした。
いまだ頭痛がする頭を抱えながらシンノスケが目を覚ますと、そこは白昼夢の中で見たシンノスケが知りもしない、西洋のような石造りの神殿の床の上だった。
そして、目の前には西洋の骨董品のような嘴の長い青と白の色の見たこともない鳥が気絶していた…。
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