2 / 5
はじまり-出会い-
Aメロ-その1-
しおりを挟む
キュイーンという甲高い音とドラムの音と共に音楽が鳴り止んだ。
みんな一様に顔を見合せ、安堵や達成感と理由は違えど、笑顔になる。僕も同様にほっとしてから、ギターを下ろした。
僕らは、地元の大学の軽音サークルで、練習場所替わりの教室にいた。
新入生のバンドは、邪魔にならないように教室を使っていて、先輩たちがアトリエ―本来部室として使っている美術サークルは、基本的に他の場所で作業していて、普段は軽音サークルが使わせてもらっていた―で、他のバンドと日替わりで練習していた。
僕たちのバンドは男女混成の4人組バンドで、僕―木村圭介―はギターボーカルを担当していた。あとリードギターの船山瑛太、ベースの渡辺愛、ドラムの山口優という構成で、皆、同じ学科の同級生だった。
同じ学年には他にも5組バンドがいるが、個人的に仲良くしている人以外は、定期的なライブやその準備以外で会うことは無い。更に先輩たちのバンドも含めたら全部で20組近くにもなる。
だから、バンドとして把握していても、メンバーの名前や顔までは咄嗟に分からなかったりする。
僕たちは次のライブに向けて準備をすすめていた。近々だと秋の文化祭のライブで1年生は1バンド当たりの持ち時間は大体2~3曲分くらいだ。
経験者は瑛太だけで、自分と優は準経験者―弾いたことはあるけどバンド経験は無い―で、完全な初心者は愛だ。
曲は初心者向けとされる曲からチョイスし、ボーカルは自分と瑛太が曲ごとに分担することになっていた。
現在は1曲はひとまず形になってきていたので、2曲目に取り掛かるところだった。
「形になると楽しいね」
優がニコニコしながら言う。バンド経験がないのが嘘のように、ドラムに引っ張っていもらっている感覚があったが、
「楽しいのはいいけど、ドラム走りすぎな」
と瑛太が冷静に指摘する。
優は、はーい、と誤魔化すように笑った。
みんな一様に顔を見合せ、安堵や達成感と理由は違えど、笑顔になる。僕も同様にほっとしてから、ギターを下ろした。
僕らは、地元の大学の軽音サークルで、練習場所替わりの教室にいた。
新入生のバンドは、邪魔にならないように教室を使っていて、先輩たちがアトリエ―本来部室として使っている美術サークルは、基本的に他の場所で作業していて、普段は軽音サークルが使わせてもらっていた―で、他のバンドと日替わりで練習していた。
僕たちのバンドは男女混成の4人組バンドで、僕―木村圭介―はギターボーカルを担当していた。あとリードギターの船山瑛太、ベースの渡辺愛、ドラムの山口優という構成で、皆、同じ学科の同級生だった。
同じ学年には他にも5組バンドがいるが、個人的に仲良くしている人以外は、定期的なライブやその準備以外で会うことは無い。更に先輩たちのバンドも含めたら全部で20組近くにもなる。
だから、バンドとして把握していても、メンバーの名前や顔までは咄嗟に分からなかったりする。
僕たちは次のライブに向けて準備をすすめていた。近々だと秋の文化祭のライブで1年生は1バンド当たりの持ち時間は大体2~3曲分くらいだ。
経験者は瑛太だけで、自分と優は準経験者―弾いたことはあるけどバンド経験は無い―で、完全な初心者は愛だ。
曲は初心者向けとされる曲からチョイスし、ボーカルは自分と瑛太が曲ごとに分担することになっていた。
現在は1曲はひとまず形になってきていたので、2曲目に取り掛かるところだった。
「形になると楽しいね」
優がニコニコしながら言う。バンド経験がないのが嘘のように、ドラムに引っ張っていもらっている感覚があったが、
「楽しいのはいいけど、ドラム走りすぎな」
と瑛太が冷静に指摘する。
優は、はーい、と誤魔化すように笑った。
0
あなたにおすすめの小説
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる