歌うたいの約束

マイリトルジョー

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はじまり-出会い-

Aメロ-その2-

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 「すみません」
 その時、誰かの声がする。
 入口の方に女の子が本を持って立っていた。

 「あ、おつかれー」
 優と愛がその子の方へ向かって言って、3人で話していた。
 「誰だっけ?」
 僕が瑛太に聞くと、
 「他のバンドのやつじゃね?」
 と適当な返事が返ってきた。結局誰だか分からなかった。

 しばらくして2人が戻ってきた。
 「おかえり」
 しかし、戻ってきた愛は、先程まで楽しそうに話していたのに、なんだか怒っていた。
 「なんか、あざといって言うかさ、男ってあぁいう子が良い訳?」
 たまたま近くにいた瑛太が餌食にあっていたため、すーっとその場から離れてところを遠巻きに眺めていま優に耳打ちする。
 「さっきまで楽しそうに話してなかった?」
 僕の問いかけに、優はあからさまに肩をすくめながら、
 「あの子のバンドに、愛の好きな人が居るっぽいんだよね」
 なるほどね、と愛を見る。要するに嫉妬か。何が目的なのか分からないが、その子と何か貸し借りしていたらしい。
 女ってこえー、と思わず呟いてしまうと、優は何度も頷く。
 「まぁ、私も同じ立場だったら同じことしちゃうのかなぁ、と思っちゃうと、愛の事悪く言いきれないんだけどね」
 優は苦笑いする。
 大人だなぁと思いながら、生きるって大変だなぁ、改めて、しみじみと考えるのであった。

 それから大体ひと月が経った頃―。
 「急な呼び出しってなんだったの?」
 この日の練習前、各バンドから1人ずつ呼び出されていて、僕が代表して話を聞いてきていた。
 「今度、新1年生だけのミニライブをやろうって」
 と、貰ってきたチラシ風の紙を3人にみせた。
 「2週間後?!」
 「急だな」
 どこのバンドもまだ3ヶ月近く先の文化祭に向けての週1練習であり"学校外では練習していない"といっている。
 ありがたい反面、急過ぎて追いつかない、というのが、どこのバンドも現状では無いだろうか。

 「まぁ2曲あればいいんじゃない?」
 「そうだよね、私たちプロじゃないし、初めてだし」
 聞いていた感じ、体裁的には部内の報告会という名目のようだし、
 「お互いの状況を見て、発破かけたいとか?」
 「てことは俺たちやる気ないと思われてんのかな」
 瑛太の言葉に、自分の言葉のチョイスが悪かったなとちょっと慌てる。
 「まぁ、他のバンドを見れる機会ってなかったから、いいんじゃない?」
 優の言葉に渋々ながら納得したようだ。流石だなぁ、と思いながらその様子を眺めていた。
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