〘完〙なぜかモブの私がイケメン王子に強引に迫られてます 〜転生したら推しのヒロインが不在でした〜

hanakuro

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後日談 リーナストーリー ホワイトエンド - Ⅵ

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「殿下、これで彼女は貴方から逃げられませんわよ」

「ああ、そうだな。全く君は相変わらずだな。まさか父上まで引っ張り出してくるとは、思わなかったぞ」

「あら・・本丸を落とすのに、これほど強力な手段は他に知らなくてよ。逆にあれば教えてほしいくらいですわ」

ビクトリアの言葉にセドリックは苦笑する。

「君だけは、敵に回したくないな。まあ、君の手を借りなくても、見ての通り彼女を捕まえたがな」

「よく、言いますわね。何か・・・いえ、何でもありませんわ」

何か言いかけてやめたビクトリア。

そしてセドリックはリーナと視線を合わせると「急にこのような事になったが、私と一緒になるのはイヤか?」と心配そうに尋ねてきた。そしてリーナの頬へ手を伸ばしかけた時、「殿下!」とビクトリアのビシッととがめる声がする。

驚いてビクトリアを見ると、彼女は憮然と語りだした。

「婚約が成立したばかりなんですよ。陛下も約束を守るよう、仰っしゃられたばかりではありませんか。式を挙げるまで、手は出せません。今までのようなことがあれば、彼女とは即時婚約解消。果ては、王家は我が公爵家を敵に回しますわよ」

ビクトリアの言葉にタジタジのセドリックが「分かってる」と、苦笑する。そして、またしても置いてけぼりのリーナに、ビクトリアが説明を始めた。

「この国の王族の婚姻には制約があるのよ。妻は純潔。そして婚約してから式を挙げるまで、夫になる方は妻に触れてはいけない。妻もどんな殿方にも触れさせてはいけないの。たとえ家族でもね」

(へえ、そんな決まりごとが・・ああ、そういえば以前、セドリックから合格もらったことがあったな。“公にしてからどう”とか言ってたような・・・ん?純潔ってことは・・・・)

彼の攻め方の真意を悟ったリーナに、ビクトリアは安心させるように言う。

「リーナもこれで式までは、彼の思い上がりに悩まされなくていいのよ」

そしてビクトリアが祝福の拍手を送ると、事の経緯を見守っていた皆からも拍手が起こる。それはしばらく鳴り止まやなかった。

そんな祝福の音色を聞きながら、リーナは思う。

(いや~、どちらかといえば最後までいかない彼に焦れったさもあったんだけど、それは言えないな。うん、言ったらダメなやつ)

そしてセドリックは「父上に言って早速、式の日程を組んでもらおう。最短で勝ち取ってくるから、待っててくれ」と言って、城へ戻っていった。

最後の最後にまたしてもビクトリアに、全部持っていかれたリーナたち。リーナは、セドリックと同じ想いを胸に抱く。

(ビクトリア恐るべし。彼女との縁だけは、決して手放してはダメね)

こうしてお茶会を終えて、久しぶりに伯爵家へ戻ってきたリーナを、慌てふためく家族と使用人が出迎えた。どうやら城から早馬が届けられ、娘の婚約を知らされたようだ。

リーナは皆が大騒ぎする中、早々に自室へ引きこもる。ソファーに身を預けた彼女の手には、冷たくなったあの冬馬の置土産の玉があった。

「これで冬馬ともいよいよお別れね。ありがとう」

リーナは、無機質な塊となった玉を見つめて呟く。するとそこに突如として、頭上から一枚の紙がヒラヒラと舞い降りてきた。手を伸ばし視線を移すと、そこには彼女への問いかけがひとつ・・・

その問いにリーナの胸には、答えとなる想いが湧き上がる。

(セドリックとなら、終始ドキドキさせられて退屈しなさそうだわ)

リーナは第二の人生の未来に胸を躍らせると、手にした紙を傍らへ置く。そして、想いを馳せるように天を仰ぎ瞼を閉じた。

「はい、神様。どうやらそうなりそうです・・・」

リーナの幸せそうな答えが、部屋に染み渡ったのだった。

『リーナさん、彼とは幸せになれそうですか?』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ピンク展開のない平和な幕引きは、如何がでしたでしょうか?

本編あんな感じで今さらですが・・色っぽいことのない話を書いてみました。

冬馬ストーリーを一話挟んだあと、次はピンク展開ありのピンクエンドの始まりです。
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