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【アニメ化記念】前日譚
クルト、旅立ちの日
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本編開始三年ちょっと前。
クルトが旅に出る話になります。
―――――――――――――――――――――――――――
僕の名前はクルト・ロックハンス、十一歳。
明後日には十二歳になり、ハスト村から旅に出ることになっている。
僕の名前、クルトというのは、僕が生まれる前に訪れてゴブリンの魔の手から村を救ってくれた旅の人から聞いた英雄の名前らしい。
僕には分不相応な名前だと思うけれど、だからこそ、僕はその英雄のような人になりたいという気持ちが強かった。
そして、冒険者になるために村を出る決意をし、十二歳の誕生日に村を出る。
「クルトちゃん、こんにちは。明後日はいよいよ旅立ちの日だね」
と近くの家に住んでいるおばさんが声をかけてきた。
「おばさん、こんにちは。はい。おばちゃんは畑仕事ですか?」
「いや、畑の下に一トンくらいの大きな岩が埋まってたからね。ちょうどいいから、これで石細工を作ろうと思ってたのさ」
とおばさんは持ち上げていた大岩を地面に置いた。
流石大人は違うな。僕はまだ身体が小さいからそんな重いものは持って歩けない。せいぜい持ち上げるのが限界だ。
「おばさんの石細工は行商人にも人気ありますからね。この前の鳥の石細工とか好きです。空を飛ぶ細工とか見事でした」
「そう言ってもらえてうれしいよ。行商人の人も『なんで石細工なのに動くんだ!? というか石の重さでなんで飛ぶんだ!?』って大袈裟に驚いてくれてね。石細工なんだから、ちょっとした細工があるのは普通のことなのにね」
「本当ですね。でも、きっと都会だともっと凄い石細工があるんだろうなぁ」
「あたしは都会には行ったことがないけど、きっとそうなんだろうね」
僕とおばさんはまだ見ぬ都会に思いを馳せた。
この村の人はほとんど村以外の生活を知らない。
理由は村の住民の全員が抱える風土病のせいなんだけど、でも僕は比較的風土病が発症しにくい体質らしいから、たぶん大丈夫だと思う。
おばさんと別れ、雑貨屋に向かって歩いていると、今度は花屋のおじさんが畑にいた。
村のみんなは花が大好きで、特に花屋のおじさんが育てている花は一番きれいだ。
「おじさん、こんにちは」
「おう、クル坊。ちょうどいいところに来たな。今度の花見でサプライズの花を用意しようと思ってるんだが、クル坊の意見を聞かせてほしい」
「サプライズなのに僕に聞いていいの?」
「クル坊なら口が固いから問題ねぇよ」
信用してくれるのは嬉しいけど、責任重大だな。
花見の時期なら僕は既に旅に出ているから問題ないか。
「どんな花を考えてるの?」
「おう、まずはこれだ」
おじさんが品種改良しているアーモンドの種を植えて植物栄養剤をまくと、みるみる木が育っていく。
そして育った花は花弁一枚一枚が色が違った。
「一本の樹でいろいろな花の色が楽しめるカラフルツリー!」
「おじさん、カラフルすぎて目がチカチカするよ」
「ん? ダメか。だったらこれはどうだ? 花なのにうまい! グルメツリー! ほれ、食ってみろ」
「確かに美味しいけど、みんなで食べたら花見ができなくなるよ」
「おっと、そうだったな。じゃあ、これはどうだ?」
「普通のアーモンドの花だよね?」
「おう。だが、時間が変わると、色が薄ピンクから橙、青、紫と変わっていくんだ。すげぇだろ!」
「凄いけど、変わるのに何時間くらいかかるの?」
「そうだな。橙になるまで三時間ってところか?」
「そんなに待ってたら雑貨屋がしまっちゃうよ」
もう、おじさんは。
そういえば、父さんと母さんから聞いたことがあるけど、ここから遥か東の国に、アーモンドの花に似た、でもアーモンドよりもきれいな花が咲く樹があるらしい。
どんな花かいつか見てみたいな。
おじさんと別れ、雑貨屋に行く。
ここでは村で使われるほとんどの物が揃っている。
ちょうど行商人が来ていた。
挨拶しようとしたが、取り込んでいるようだ。
「だから、俺が欲しいのは普通のペーパーナイフなんだって。なんで振動してるんだよ」
「あん? お前が鉄のナイフにしろっていったんじゃねぇか。ミスリルの封筒が届いたとき、普通の鉄のナイフだと斬れないだろ? 超振動くらいさせねぇとな」
「ミスリルは金属だろうが! なんで封筒に使うんだよ」
「使わねぇと勿体ないだろ? せっかく掘ってきたのに捨てるのももったいし、下手に埋めておくと次に採掘をするときに邪魔になる」
今日も揉めてるなぁ。
鉄でミスリルの封筒を切ることができるナイフか。
んー、普通のミスリル鉱石なら鉄のナイフで切ることはできるけど、おじさんが作った普通のミスリルの封筒は頑丈に加工しているから鉄のナイフで切るのは難しいな。
だから、普通、ペーパーナイフはアダマンタイトが基本だ。
都会の鍛冶師だと、超振動もなしに鉄でミスリルを斬るペーパーナイフを作ったりできるのか。
やっぱり凄いな。
と、そうだった。
頼んでいたものを買っておかないと。
「すみません、砥石とランプ用の油を買いにきました」
「やぁ、クルトくん。砥石は何を研ぐのに使うんだい? オリハルコン?」
「幼馴染から貰った鉄のナイフです」
「だったら、これでいいな」
と雑貨屋のおじさんが砥石を用意してくれた。
行商人のおじさんが「オリハルコンなんて砥石で研げるわけないだろ」と呟いてる。
ランプ用の油をもらい、代わりに家で採れた野菜を渡す。
うちの村、一応貨幣はあるけど、物々交換の方が多いからこれが普通だ。
行商人のおじさんにも挨拶をした。
「行商人のおじさん、さようなら」
「あ、クルトくん――」
「はい、なんですか?」
「……いや、いいんだ。明後日からの旅、頑張ってね」
「はい!」
僕は挨拶をし、家に帰った。
家では母さんが旅の準備をしてくれていた。
服に皮の鎧にハンカチにトンカチに釘にお皿にテントに全自動歯ブラシに万能地図に魔物言語翻訳機に……ってそんなにいらないよ。
「母さん、ゴーレム用核電池とかいらないから」
「あら? ゴーレムに乗っていくなら魔法晶石より使えるんじゃないかしら?」
「歩いていくよ。冒険者の基本は足だってアーサーさんも言ってたし、都会だとゴーレムに乗る人ってあまりいないみたいだから」
「そうなの? お母さん、都会に行ったことがないからわからなかったわ」
母さんは「ウフフ」と笑って言った。
台車とかもわざわざ馬に曳かせるのが都会スタイルらしい。
「父さんは?」
「ワインの仕込みに言ってるわよ」
「そうなんだ。父さんの作ったワイン、出発前に一度飲んでみたかったな」
「クルトが大人になったらね」
大人かぁ。
僕はどんな大人になるんだろうな。
と話していたら父さんが帰ってきた。
「ただいま。何の話をしてたんだ?」
「クルトがね、あなたが作ったワインを飲みたいって話をしていたの」
「そうか、ちょうどそのことで村のみんなと話をしていたんだ」
父さんはそう言って、村で決めたことを話し始めた。
※ ※ ※
出発の日。
「クルト、頑張るんだぞ! 一人前になれよ!」
「帰ってきたら父さんが作ったワインを一緒に飲もうな! しっかり熟成させてるから!」
「クルト、お腹がいたくなったらしっかり万能薬を飲むのよ!」
僕は村のみんなに見送られて旅に出た。
昨日は出発前の緊張のせいか、丸一日寝込んでしまったけど、しっかり準備をしてあったので問題なく旅に出ることができた。
道に迷いそうになりながらも、万能地図を見て山を下山していく。
丸一日かけて歩き、もうすぐ街道に出るというところで、茂みの方からガサガサと音が聞こえた。
なんだろ?
誰か見送りに来てくれたのかな?
茂みの方を凝視すると、そこから現れたのはゴブリンだった。
怖い、怖すぎる。
でも、もしかしたら悪いゴブリンじゃないかもしれない。
僕は魔物翻訳機を取り出して、ゴブリンに伝える。
「あなたは敵ですか?」
『テキ、チガウ』
よかった、敵じゃないんだ。
『オマエ、イイオンナ、オレノコヲ、ウム!』
「え!? 僕は男ですよ!」
『モンドウムヨウ!』
ゴブリンが襲い掛かってきた。
ゴブリンの子供なんて産めないし、男だってバレたら殺されちゃうよ。
僕は魔物言語翻訳機や重い荷物を全部捨てて全力で逃げていった。
振り返ると、一瞬頭にバンダナを巻いた女性が僕の捨てた荷物を拾っているように見えたが、それどころじゃなかった。
逃げて逃げて逃げて、そしてようやく森を出て街道に出たところで僕は一人の剣士と出会って命を救われた。
それが僕の運命を大きく変えることになるのだが、それはまた別の話。
クルトが旅に出る話になります。
―――――――――――――――――――――――――――
僕の名前はクルト・ロックハンス、十一歳。
明後日には十二歳になり、ハスト村から旅に出ることになっている。
僕の名前、クルトというのは、僕が生まれる前に訪れてゴブリンの魔の手から村を救ってくれた旅の人から聞いた英雄の名前らしい。
僕には分不相応な名前だと思うけれど、だからこそ、僕はその英雄のような人になりたいという気持ちが強かった。
そして、冒険者になるために村を出る決意をし、十二歳の誕生日に村を出る。
「クルトちゃん、こんにちは。明後日はいよいよ旅立ちの日だね」
と近くの家に住んでいるおばさんが声をかけてきた。
「おばさん、こんにちは。はい。おばちゃんは畑仕事ですか?」
「いや、畑の下に一トンくらいの大きな岩が埋まってたからね。ちょうどいいから、これで石細工を作ろうと思ってたのさ」
とおばさんは持ち上げていた大岩を地面に置いた。
流石大人は違うな。僕はまだ身体が小さいからそんな重いものは持って歩けない。せいぜい持ち上げるのが限界だ。
「おばさんの石細工は行商人にも人気ありますからね。この前の鳥の石細工とか好きです。空を飛ぶ細工とか見事でした」
「そう言ってもらえてうれしいよ。行商人の人も『なんで石細工なのに動くんだ!? というか石の重さでなんで飛ぶんだ!?』って大袈裟に驚いてくれてね。石細工なんだから、ちょっとした細工があるのは普通のことなのにね」
「本当ですね。でも、きっと都会だともっと凄い石細工があるんだろうなぁ」
「あたしは都会には行ったことがないけど、きっとそうなんだろうね」
僕とおばさんはまだ見ぬ都会に思いを馳せた。
この村の人はほとんど村以外の生活を知らない。
理由は村の住民の全員が抱える風土病のせいなんだけど、でも僕は比較的風土病が発症しにくい体質らしいから、たぶん大丈夫だと思う。
おばさんと別れ、雑貨屋に向かって歩いていると、今度は花屋のおじさんが畑にいた。
村のみんなは花が大好きで、特に花屋のおじさんが育てている花は一番きれいだ。
「おじさん、こんにちは」
「おう、クル坊。ちょうどいいところに来たな。今度の花見でサプライズの花を用意しようと思ってるんだが、クル坊の意見を聞かせてほしい」
「サプライズなのに僕に聞いていいの?」
「クル坊なら口が固いから問題ねぇよ」
信用してくれるのは嬉しいけど、責任重大だな。
花見の時期なら僕は既に旅に出ているから問題ないか。
「どんな花を考えてるの?」
「おう、まずはこれだ」
おじさんが品種改良しているアーモンドの種を植えて植物栄養剤をまくと、みるみる木が育っていく。
そして育った花は花弁一枚一枚が色が違った。
「一本の樹でいろいろな花の色が楽しめるカラフルツリー!」
「おじさん、カラフルすぎて目がチカチカするよ」
「ん? ダメか。だったらこれはどうだ? 花なのにうまい! グルメツリー! ほれ、食ってみろ」
「確かに美味しいけど、みんなで食べたら花見ができなくなるよ」
「おっと、そうだったな。じゃあ、これはどうだ?」
「普通のアーモンドの花だよね?」
「おう。だが、時間が変わると、色が薄ピンクから橙、青、紫と変わっていくんだ。すげぇだろ!」
「凄いけど、変わるのに何時間くらいかかるの?」
「そうだな。橙になるまで三時間ってところか?」
「そんなに待ってたら雑貨屋がしまっちゃうよ」
もう、おじさんは。
そういえば、父さんと母さんから聞いたことがあるけど、ここから遥か東の国に、アーモンドの花に似た、でもアーモンドよりもきれいな花が咲く樹があるらしい。
どんな花かいつか見てみたいな。
おじさんと別れ、雑貨屋に行く。
ここでは村で使われるほとんどの物が揃っている。
ちょうど行商人が来ていた。
挨拶しようとしたが、取り込んでいるようだ。
「だから、俺が欲しいのは普通のペーパーナイフなんだって。なんで振動してるんだよ」
「あん? お前が鉄のナイフにしろっていったんじゃねぇか。ミスリルの封筒が届いたとき、普通の鉄のナイフだと斬れないだろ? 超振動くらいさせねぇとな」
「ミスリルは金属だろうが! なんで封筒に使うんだよ」
「使わねぇと勿体ないだろ? せっかく掘ってきたのに捨てるのももったいし、下手に埋めておくと次に採掘をするときに邪魔になる」
今日も揉めてるなぁ。
鉄でミスリルの封筒を切ることができるナイフか。
んー、普通のミスリル鉱石なら鉄のナイフで切ることはできるけど、おじさんが作った普通のミスリルの封筒は頑丈に加工しているから鉄のナイフで切るのは難しいな。
だから、普通、ペーパーナイフはアダマンタイトが基本だ。
都会の鍛冶師だと、超振動もなしに鉄でミスリルを斬るペーパーナイフを作ったりできるのか。
やっぱり凄いな。
と、そうだった。
頼んでいたものを買っておかないと。
「すみません、砥石とランプ用の油を買いにきました」
「やぁ、クルトくん。砥石は何を研ぐのに使うんだい? オリハルコン?」
「幼馴染から貰った鉄のナイフです」
「だったら、これでいいな」
と雑貨屋のおじさんが砥石を用意してくれた。
行商人のおじさんが「オリハルコンなんて砥石で研げるわけないだろ」と呟いてる。
ランプ用の油をもらい、代わりに家で採れた野菜を渡す。
うちの村、一応貨幣はあるけど、物々交換の方が多いからこれが普通だ。
行商人のおじさんにも挨拶をした。
「行商人のおじさん、さようなら」
「あ、クルトくん――」
「はい、なんですか?」
「……いや、いいんだ。明後日からの旅、頑張ってね」
「はい!」
僕は挨拶をし、家に帰った。
家では母さんが旅の準備をしてくれていた。
服に皮の鎧にハンカチにトンカチに釘にお皿にテントに全自動歯ブラシに万能地図に魔物言語翻訳機に……ってそんなにいらないよ。
「母さん、ゴーレム用核電池とかいらないから」
「あら? ゴーレムに乗っていくなら魔法晶石より使えるんじゃないかしら?」
「歩いていくよ。冒険者の基本は足だってアーサーさんも言ってたし、都会だとゴーレムに乗る人ってあまりいないみたいだから」
「そうなの? お母さん、都会に行ったことがないからわからなかったわ」
母さんは「ウフフ」と笑って言った。
台車とかもわざわざ馬に曳かせるのが都会スタイルらしい。
「父さんは?」
「ワインの仕込みに言ってるわよ」
「そうなんだ。父さんの作ったワイン、出発前に一度飲んでみたかったな」
「クルトが大人になったらね」
大人かぁ。
僕はどんな大人になるんだろうな。
と話していたら父さんが帰ってきた。
「ただいま。何の話をしてたんだ?」
「クルトがね、あなたが作ったワインを飲みたいって話をしていたの」
「そうか、ちょうどそのことで村のみんなと話をしていたんだ」
父さんはそう言って、村で決めたことを話し始めた。
※ ※ ※
出発の日。
「クルト、頑張るんだぞ! 一人前になれよ!」
「帰ってきたら父さんが作ったワインを一緒に飲もうな! しっかり熟成させてるから!」
「クルト、お腹がいたくなったらしっかり万能薬を飲むのよ!」
僕は村のみんなに見送られて旅に出た。
昨日は出発前の緊張のせいか、丸一日寝込んでしまったけど、しっかり準備をしてあったので問題なく旅に出ることができた。
道に迷いそうになりながらも、万能地図を見て山を下山していく。
丸一日かけて歩き、もうすぐ街道に出るというところで、茂みの方からガサガサと音が聞こえた。
なんだろ?
誰か見送りに来てくれたのかな?
茂みの方を凝視すると、そこから現れたのはゴブリンだった。
怖い、怖すぎる。
でも、もしかしたら悪いゴブリンじゃないかもしれない。
僕は魔物翻訳機を取り出して、ゴブリンに伝える。
「あなたは敵ですか?」
『テキ、チガウ』
よかった、敵じゃないんだ。
『オマエ、イイオンナ、オレノコヲ、ウム!』
「え!? 僕は男ですよ!」
『モンドウムヨウ!』
ゴブリンが襲い掛かってきた。
ゴブリンの子供なんて産めないし、男だってバレたら殺されちゃうよ。
僕は魔物言語翻訳機や重い荷物を全部捨てて全力で逃げていった。
振り返ると、一瞬頭にバンダナを巻いた女性が僕の捨てた荷物を拾っているように見えたが、それどころじゃなかった。
逃げて逃げて逃げて、そしてようやく森を出て街道に出たところで僕は一人の剣士と出会って命を救われた。
それが僕の運命を大きく変えることになるのだが、それはまた別の話。
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