鬼畜ゲーとして有名な世界に転生してしまったのだが~ゲームの知識を活かして、家族や悪役令嬢を守りたい!~

ガクーン

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鑑定指輪 その3

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 名前:ニルフェスト(精弓)

 説明:この弓は偉大なる精霊の最上位に君臨する、風の精霊王を封じた弓。そんな偉大な風の精霊王に認められた者は強大なる力を借りる事が出来るであろう。しかし、強大なる力には代償が付きもの……安易に力を引き出すのは止めた方がいいだろう。

 効果:風の恩恵大。使用者の行動速度大幅up。弓術のステータス5~15up。隠術のステータス10up。使用時に応じて生命力を消費。



「……」


 はい。ぶっ壊れきました。

 なになに?

 この弓は偉大なる精霊である、風の精霊王を封じた弓……だって? 

 なにそのチート臭プンプンな説明。しかも、行動速度大幅アップに、弓術ステータス5~15up!? 

 これだけでもぶっ壊れなのに、更に隠術のステータス10upって……ニーナの為の武器じゃないか。

 普通の聖、魔武器でさえ、この項目の中の一つあれば十分ってレベルなのに、それが3つもある。

 前世でこんな武器が発見されてたら運営にクレームが入り、修正&お詫びメールが速攻で飛んでくるぞこれ。

 アルスは説明と効果覧を読み、ぶっ壊れと言えるほどの性能を目の当たりにして引き笑いをする。


 ってか、精霊がいるのは知ってたけど、種類や階級があったのは知らなかった……

 もしかして、俺がやってた頃のグレシアスのアップデート版で実装されたのかな……


 アルスは鑑定結果の衝撃と嬉しさが混ざり合った何とも言えない表情で思考の渦に飲まれ、固まっていた。


「アルス様? 大丈夫ですかー? アルス様ー」

 異変にいち早く気が付いたエバンがアルスの体を揺らして正気を戻させようと試みる。

「はっ! ここは……そうだ。オークションの最中だった……」

 ハッとした様子でアルスは正気を取り戻すと、遅れてエバンたち3人にニルフェストの鑑定結果の説明をする。


「そんなことが……」「凄いことは分かったよ」「流石ニルちゃん」

 3人はそれぞれ違った反応を見せる。


 あんまりニーナは驚いてないな。というか、当たり前といった表情をしているような。

 ニーナはドヤっみたいな表情で口を膨らませながらニルフェストをアルスに見せつける。

 
 あれ待てよ……ニーナは精霊の声が聞こえるって言ったよな? それならニルフェストの正体も分かっているんじゃ?

「ニーナはニルフェストが風の精霊王だって知ってた?」

 ふとアルスは、風の精霊王と言う説明に疑問が湧き、ニーナにぶつける。


「ニルちゃんはニルちゃんだよ?」

 するとニーナはコテンと首を傾げ、何を言ってるの? といった表情で答える。


 難しいか……

 あまりニーナの回答に期待していなかったアルス。


 精霊の分野はまだ分かっていないことが多すぎる。今後少しずつ理解していかないと……

 アルスは精霊の事も調べていかないとなと考えていた時。


 そうだ。ニルフェスト本人に聞けばいいのか。

 ニーナを仲介してニルフェストに質問しようと考える。

「ニーナは精霊と言葉を交わせると思うんだけど、ニルフェストに風の精霊王って何のことか質問できるかな?」

「風の精霊王……? ニルちゃん……分かる?」

 ニーナは目をつぶりニルフェストと対話を始める。

「……何も答えてくれない」

「そうか。ありがとう」


 そんな簡単にいかないよな。まぁ仕方ない。次の機会に考えるとしよう。


 そしてアルスは精霊の事は一旦考えるのは止めにして、オークションを楽しもうともう一度ステージに視線を向けたのだった。
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