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初めての装備 その2
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武器性能は十分。装備も問題ない。それじゃあ、本命の場所へ直行だ。
数分の間、なだらかな丘を登り続けた蓮。
長く続いた斜面が終わり、一本の大きな木が立っている場所へとたどり着く。
「いた」
その木の近くでワイオンが数匹の群れを成し、トテトテ歩いているが蓮は見る素振りも見せず違う場所を眺めていた。
蓮の視線を追っていくと、そこは木の上。
木の上を良く見てみると、赤ちゃんサイズ羽を生やしたモンスターが、直径数メートルはあろう大きな巣らしきものの近くを飛び回っていた。
蓮は時間が惜しそうにその木へと走る。
俺が今やろうとしているのは、あの木の上に巣をつくるモンスターの討伐だ。
人の赤ちゃん程はある、あのモンスターの名はリトルビー。
リトルビー――危険度1。数十匹の群れを成して巣を作り、その中で一番強い個体が子を産む、独特なシステムを築いているモンスター。巣の中には数十匹から数百匹のリトルビーの子供が暮らしている。
蓮はワイオンに気づかれないように木へと接近し、剣を取り出す。
あと俺は14体のモンスターを倒さなくちゃならない。初めに倒したワイオンを律儀に14体せっせと倒すという手もあるが、あいつらはまとまった数でいる事が少なく、尚且つ一体一体相手するのにも手間がかかる。
蓮は上を飛び回るリトルビーに視線を移す。
そして、そのワイオンよりも面倒で尚且つ強いモンスターが今俺の上を飛んでいるリトルビーだ。
一体一体の強さもさることながら、仲間意識がとても高く、一体でもリトルビーを倒してしまえば今の俺は万事休す。
仲間達が怒り狂い、怒涛の攻撃ラッシュをお見舞いしてくるだろう。
蓮はリトルビーから視線を外し、木の表面を注目する。
しかし、俺はまとまった数のモンスターを狩りたい。そうなるとこのステージにはリトルビー以外の選択肢が無くなってしまう。
前世の俺は考えに考え抜いた。どうしたらリトルビーを効率よく倒せるのかと。
蓮は剣を大きく振りかぶり。
「馬鹿力!」
トーン!
そびえ立つ木をスキルで攻撃……切り倒し始める。
その時、俺は閃いたんだ。リトルビーだけど、リトルビーより効率よく倒せるモンスター。
そんな理想のモンスターがすぐそこにいるじゃん……とね。
蓮は作業の様に、リズムよく木の一点を削っていく。
「待っててね。リトルビーのリトルたち」
蓮が考えている方法は簡単。リトルビーの巣の中にいる子供達を討伐しようと考えているのだ。
リトルビーは慌てふためいた様子で巣を出たり入ったりしているが、蓮を攻撃してくる様子はない。
「ふっふっふっ」
蓮はリトルビーを哀れに思いながらも内心、ルンルン気分で木を切り倒し続ける。
リトルビーの習性。仲間が攻撃されたら怒り狂って攻撃してくるが、攻撃するまではなんもしてこない。そういう設定のモンスター。だから、まだ直接攻撃していない俺には突撃してくることも無いし、ああやって慌てふためいていることぐらいしか、あいつらにはやる事が無い訳。
蓮が木を攻撃している間にも、木は段々と傾いていき、リトルビーはせわしなく飛び回り続ける。
ミシミシミシ。
木に大きな亀裂が入る。
これで最後!
「馬鹿力ー!」
バキっ!
とうとう重さに耐えられなくなった木が、切られた部分から倒れていく。
「「「ブーン!?」」」
俺が見つけた最適解……どうだ!
木と共にリトルビーの巣が地面へと衝突する。
『レベルアップしました』
おっ、レベルアップした。
リトルビーの巣の中にいる子供達を討伐した事でレベルが上がる蓮。
そして、レベルアップの表示が出たと同時にポータルが生成される。
「きたきた。じゃあ、この場とおさらば……っ!」
蓮はポータルを見つけ、帰還しようと走り始めた時。
「「「ブーン!(怒り)」」」
数十のリトルビーが怒り狂いながら蓮へと飛びかかる。
「やべっ!」
こうなるって分かってたけど、迫力が凄いな。
蓮は少し急ぎでポータルへと入って行き。
「「「ブーン!」」」
リトルビーとの距離が数メートルを切った瞬間。
シュン。
ポータルは閉じられたのだった。
「焦った……」
ストンと地面に座り込み、リトルビーの迫力に気がやられてしまった様子の蓮。
意外とレベル上げにいいかなと思っていたけど、あれは何度もやってられないな。もう、このダンジョンはこりごりだ。
最後のリトルビーの猛攻を見て、ここでのレベルアップを断念する。
危険度3ダンジョンの方がレベル上げに適したステージが沢山あるし、無理にここでやる必要もない。
……そうだな。今日中に危険度2ダンジョン合計10個クリア目指すか。
そうと決まれば……
蓮はレベルアップとダンジョン攻略報酬の結果をすばやく確認する。
『記録 26分11秒』
やはりこれぐらいの記録じゃ殿堂に名を残したくないな。
蓮はウィンドウを閉じ。
「帰還ポータルを出してくれ」
風吹く丘ダンジョンを後にしたのだった。
数分の間、なだらかな丘を登り続けた蓮。
長く続いた斜面が終わり、一本の大きな木が立っている場所へとたどり着く。
「いた」
その木の近くでワイオンが数匹の群れを成し、トテトテ歩いているが蓮は見る素振りも見せず違う場所を眺めていた。
蓮の視線を追っていくと、そこは木の上。
木の上を良く見てみると、赤ちゃんサイズ羽を生やしたモンスターが、直径数メートルはあろう大きな巣らしきものの近くを飛び回っていた。
蓮は時間が惜しそうにその木へと走る。
俺が今やろうとしているのは、あの木の上に巣をつくるモンスターの討伐だ。
人の赤ちゃん程はある、あのモンスターの名はリトルビー。
リトルビー――危険度1。数十匹の群れを成して巣を作り、その中で一番強い個体が子を産む、独特なシステムを築いているモンスター。巣の中には数十匹から数百匹のリトルビーの子供が暮らしている。
蓮はワイオンに気づかれないように木へと接近し、剣を取り出す。
あと俺は14体のモンスターを倒さなくちゃならない。初めに倒したワイオンを律儀に14体せっせと倒すという手もあるが、あいつらはまとまった数でいる事が少なく、尚且つ一体一体相手するのにも手間がかかる。
蓮は上を飛び回るリトルビーに視線を移す。
そして、そのワイオンよりも面倒で尚且つ強いモンスターが今俺の上を飛んでいるリトルビーだ。
一体一体の強さもさることながら、仲間意識がとても高く、一体でもリトルビーを倒してしまえば今の俺は万事休す。
仲間達が怒り狂い、怒涛の攻撃ラッシュをお見舞いしてくるだろう。
蓮はリトルビーから視線を外し、木の表面を注目する。
しかし、俺はまとまった数のモンスターを狩りたい。そうなるとこのステージにはリトルビー以外の選択肢が無くなってしまう。
前世の俺は考えに考え抜いた。どうしたらリトルビーを効率よく倒せるのかと。
蓮は剣を大きく振りかぶり。
「馬鹿力!」
トーン!
そびえ立つ木をスキルで攻撃……切り倒し始める。
その時、俺は閃いたんだ。リトルビーだけど、リトルビーより効率よく倒せるモンスター。
そんな理想のモンスターがすぐそこにいるじゃん……とね。
蓮は作業の様に、リズムよく木の一点を削っていく。
「待っててね。リトルビーのリトルたち」
蓮が考えている方法は簡単。リトルビーの巣の中にいる子供達を討伐しようと考えているのだ。
リトルビーは慌てふためいた様子で巣を出たり入ったりしているが、蓮を攻撃してくる様子はない。
「ふっふっふっ」
蓮はリトルビーを哀れに思いながらも内心、ルンルン気分で木を切り倒し続ける。
リトルビーの習性。仲間が攻撃されたら怒り狂って攻撃してくるが、攻撃するまではなんもしてこない。そういう設定のモンスター。だから、まだ直接攻撃していない俺には突撃してくることも無いし、ああやって慌てふためいていることぐらいしか、あいつらにはやる事が無い訳。
蓮が木を攻撃している間にも、木は段々と傾いていき、リトルビーはせわしなく飛び回り続ける。
ミシミシミシ。
木に大きな亀裂が入る。
これで最後!
「馬鹿力ー!」
バキっ!
とうとう重さに耐えられなくなった木が、切られた部分から倒れていく。
「「「ブーン!?」」」
俺が見つけた最適解……どうだ!
木と共にリトルビーの巣が地面へと衝突する。
『レベルアップしました』
おっ、レベルアップした。
リトルビーの巣の中にいる子供達を討伐した事でレベルが上がる蓮。
そして、レベルアップの表示が出たと同時にポータルが生成される。
「きたきた。じゃあ、この場とおさらば……っ!」
蓮はポータルを見つけ、帰還しようと走り始めた時。
「「「ブーン!(怒り)」」」
数十のリトルビーが怒り狂いながら蓮へと飛びかかる。
「やべっ!」
こうなるって分かってたけど、迫力が凄いな。
蓮は少し急ぎでポータルへと入って行き。
「「「ブーン!」」」
リトルビーとの距離が数メートルを切った瞬間。
シュン。
ポータルは閉じられたのだった。
「焦った……」
ストンと地面に座り込み、リトルビーの迫力に気がやられてしまった様子の蓮。
意外とレベル上げにいいかなと思っていたけど、あれは何度もやってられないな。もう、このダンジョンはこりごりだ。
最後のリトルビーの猛攻を見て、ここでのレベルアップを断念する。
危険度3ダンジョンの方がレベル上げに適したステージが沢山あるし、無理にここでやる必要もない。
……そうだな。今日中に危険度2ダンジョン合計10個クリア目指すか。
そうと決まれば……
蓮はレベルアップとダンジョン攻略報酬の結果をすばやく確認する。
『記録 26分11秒』
やはりこれぐらいの記録じゃ殿堂に名を残したくないな。
蓮はウィンドウを閉じ。
「帰還ポータルを出してくれ」
風吹く丘ダンジョンを後にしたのだった。
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