THING MISSION

広魔叶夢

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ファーストミッション3 後編

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 昌太は音楽室Bに入った。中央に大きなピアノが置かれていた。古ぼけた音楽室には似つかわしい、真っ白な美しいピアノだった。昌太は吸い込まれるようにピアノの前に座って弾き始めた。
「ポロン、ポロン」
『姉さん・・・』
昌太は自分のことを思って自ら離れてしまった未羽を思ってピアノを弾きながら涙を流していた。
 そのころ、未羽は音楽室Cにいた。
「打ち込み台?なんで音楽室なんかにこんなものが」
「ポロン、ポロン」
隣の音楽室Aのさらに先、音楽室Bでの昌太の演奏が聞こえてきた。
「昌太か・・・」
すると突然、未羽の体が光り出した。目の前にある打ち込み台もある一点が光り出した。気がつくと未羽は巨大な指揮棒のような形の刀を持っていた。刀は吸い込まれるように打ち込み台の光っている一点をついた。
「うわあ!」
打ち込み台はバラバラに崩れた。
「これは、私の能力?それとも、昌太の能力?」
部屋全体が光に包まれ、気持ちの整理が追いつかないまま音楽室Aの前に未羽は立っていた。となりには昌太もいた。
「あ・・・」
二人はお互いに起こったことをなんとなく感じ取り、音楽室Aの扉を勢いよく開けた。
 中にいたルフリは大きな笑顔を浮かべていた。
「いやあ、よかった!奇跡だね!」
「どういうこと?」
「無事に二人とも能力に目覚めたからだ。」
話を聞くと、昌太の能力は本人が感じ取ったとおり人の感情や力の強さによって音が聞こえてくることだった。未羽の能力は周りからの音楽を吸い取りそれを武器として作り替える。特に昌太が聞こえてきた音を具現化して未羽に届けることでお互いの能力がよりはっきり現れるそうだ。
「教えてくれれば良かったのに。」
「そんなことしたらこのミッションの意味がないだろうが」
二人のミッションは『奏でることで得られる力を理解しろ』。自分たちで気がつきものにしないと意味がなかったそうだ。
「一時はどうなるかと思ったけど、よかった。改めて、よろしくなmusicのファイターたちよ。」
正しい能力の使い方を聞いて最初は戸惑っていた二人だったが、顔を見合わせて微笑むとルフリと力強く握手した。
このミッションは新しい能力に目覚めるだけではなく、兄弟として大きな進歩があったものとなったのだった。
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