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14.決起日が近づいてくる
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14.決起日が近づいてくる
あのとき、どうしてダニエルに告白できなかったのだろう?
先回りをして、ダニエルに駆け引きをしてしまったのだろうか?
考えても、考えても、後悔しか心に残らなかった。
答えはわかっていた。
私のプライドが邪魔をして、彼に伝えられなかったのだ。もし、断られたらと考えると、震えるほど怖く、恥ずかしかった。羞恥心とプライドが壁になっていて、告白ができないのだ。
私はどうやら、自分の気持ちを人に伝えることを怖がり、恥ずかしがっていた。
なぜだろう?
私は、人に弱い部分を見せることが、昔からできなかった。
父様が戦死し、母様や家を守るためにも、強い自分を貫かなければいけなかった。
母様は、私に強く、そして男には一歩引いて生きていくように教えられて生きてきた。
戦争で殉死をした父様のように、弱いものに優しくできるように努力してきたつもりだった・・・。
だが、父様と母様が強く私を支配し、私自身の気持ちが空白であることに、気づいた。
私は、私の気持ちを伝えることができていなかったのだ。
だから、わかりずらい人間になってしまった。
自分の気持ちとは、自分の弱みなのかもしれない。
自分を愛するということは、自分の気持ちを大切にすることなのだ。
例え、それが自分の嫌な部分でも、受け入れていくことが、本当の強さなのかもしれない。
昨夜のことを、自分なりに分析して、でてきた答えだった。
翌日、ダニエルは、昨夜のことはなかったかのように、いつもと変わらない様子で話しかけてくる。
「なあ、シャーロット、決起まであと3日に迫ってきたね。」
「そうだな、銃の使い方もだんだんと皆に伝わって来て、結束も強くなってきた。ただ、一つやらないといけないことがある。」
「なんだろう?」
ダニエルは決起日が近づいてきて、幾分、緊張した面持ちになっていた。
「アーニャの香は、聖水で対策ができる。だが、今現在、香の力で操作されている者を正気に戻さないといけないと思うんだ。」
「確かにそうだね。マーシャのところに行って聞いてみる?」
「私もそれを考えていた。マーシャに術を解く方法を聞きにいこう。特に、アルバート王は完全に支配されている。彼は性格的にも外部の影響を受けやすい体質なんだ。アルバート王を正気に戻し、現状を話して薬と食料を備蓄庫から開放することに同意しもらえたらと思う。」
「アルバート王は、許すというのか?」
「誰でも間違えはある。許す機会を与えるのだ。」
「シャーロットの言うことにも、一理あるな。アルフレッドはどうする?」
ダニエルは少しの間をおいて思惑し、言葉を発した。
「アルバート王の目は灰色だったが、アルフレッドの目を見たとき、灰色ではなかった・・・」
「では、アルフレッドは、操作されず、自分の意志でやっているということか?」
「残念ながら、そういうことになる。多分、彼は以前から王に媚びいるようにして、少しずつ権力を強くしていった。私に町の貧困や病のことを隠していたのも、自分の財を増やすためだと思う。女、子供、老人、病人関係なく、人々から搾取し、彼は権力と金を増やしていっていたんだ。」
アルフレッドは昔は気さくで、優しい、兄のような存在だった。いつから、権力に溺れるようになったのだろうか・・・・。
そして、なぜ、私は気づくことができなかったのだろう。
おそらく、私は一歩下がって、彼の話を鵜呑みにしていたのだ。
その間も、人々は飢え苦しんでいたと考えると、怒りがふつふつとわいてくる。
「首謀者はアルフレッドで、アーニャは同じ目的を持つアルフレッドの共謀者となったんだね。だんだんと全体像が見えてきたね。」
ダニエルは興奮をしているようで、黒い瞳を輝かせて言った。
「そうだと思う。まずは、アーニャの香をどうにかしなければいけない。マーシャに会いに行こう。」
「そうだな、アイリスに場所を確認してみよう。決起日も近い。急がなければいけない。」
ダニエルと私が頷きあい、立ち上がろうとしたところに、
「あら、どこか行くの?昼食を持ってきたんだけど。」
と、サーラがオルハウスの扉を開き、顔を出した。
「ああ、これからマーシャについて調べないといけないんだが、、せっかくだから、昼飯を食っていこうか。」
「私も一緒にいかしら?」
「もちろんさ、君にも今の進捗状況を知って貰わないとな。」
ダニエルは、サーラの持つ籠を受け取り、椅子に座るように促す。
こうして二人を見ると、雰囲気が温かく、信頼しあう良い関係に見えた。
ちくちくちく。
胸が痛がっているが、我慢しないといけない。
昨夜、告白ができなかった、私が招いた罰だった。
ダニエルはサーラの準備した食事を食べながら、優しい目をして、先ほどの話を伝えている。
サーラは、ことあるごとに、ダニエルの服や肩にボディタッチをする。
幼馴染で、元婚約者か。二人の距離はとても近い。
ことあるごとに、サーラはよくダニエルに話しかけるのを目にしている。
未練があるというのは、本当なのだ。
「おい、シャーロット?」
ダニエルの声で、はっと我に返る。
「ああ、ごめん。そうだな、マーシャのところに行こう。」
「いや、そうじゃないくて、昼飯、早く食べようって言ったんだ。どうした?」
「ふふ、シャーロットは今のことで頭がいっぱいなのよ。」
サーラは、茶目っ気のある、意地悪な目をこちらに向けて言った。
全てを、見透かされているように感じる。
あのとき、どうしてダニエルに告白できなかったのだろう?
先回りをして、ダニエルに駆け引きをしてしまったのだろうか?
考えても、考えても、後悔しか心に残らなかった。
答えはわかっていた。
私のプライドが邪魔をして、彼に伝えられなかったのだ。もし、断られたらと考えると、震えるほど怖く、恥ずかしかった。羞恥心とプライドが壁になっていて、告白ができないのだ。
私はどうやら、自分の気持ちを人に伝えることを怖がり、恥ずかしがっていた。
なぜだろう?
私は、人に弱い部分を見せることが、昔からできなかった。
父様が戦死し、母様や家を守るためにも、強い自分を貫かなければいけなかった。
母様は、私に強く、そして男には一歩引いて生きていくように教えられて生きてきた。
戦争で殉死をした父様のように、弱いものに優しくできるように努力してきたつもりだった・・・。
だが、父様と母様が強く私を支配し、私自身の気持ちが空白であることに、気づいた。
私は、私の気持ちを伝えることができていなかったのだ。
だから、わかりずらい人間になってしまった。
自分の気持ちとは、自分の弱みなのかもしれない。
自分を愛するということは、自分の気持ちを大切にすることなのだ。
例え、それが自分の嫌な部分でも、受け入れていくことが、本当の強さなのかもしれない。
昨夜のことを、自分なりに分析して、でてきた答えだった。
翌日、ダニエルは、昨夜のことはなかったかのように、いつもと変わらない様子で話しかけてくる。
「なあ、シャーロット、決起まであと3日に迫ってきたね。」
「そうだな、銃の使い方もだんだんと皆に伝わって来て、結束も強くなってきた。ただ、一つやらないといけないことがある。」
「なんだろう?」
ダニエルは決起日が近づいてきて、幾分、緊張した面持ちになっていた。
「アーニャの香は、聖水で対策ができる。だが、今現在、香の力で操作されている者を正気に戻さないといけないと思うんだ。」
「確かにそうだね。マーシャのところに行って聞いてみる?」
「私もそれを考えていた。マーシャに術を解く方法を聞きにいこう。特に、アルバート王は完全に支配されている。彼は性格的にも外部の影響を受けやすい体質なんだ。アルバート王を正気に戻し、現状を話して薬と食料を備蓄庫から開放することに同意しもらえたらと思う。」
「アルバート王は、許すというのか?」
「誰でも間違えはある。許す機会を与えるのだ。」
「シャーロットの言うことにも、一理あるな。アルフレッドはどうする?」
ダニエルは少しの間をおいて思惑し、言葉を発した。
「アルバート王の目は灰色だったが、アルフレッドの目を見たとき、灰色ではなかった・・・」
「では、アルフレッドは、操作されず、自分の意志でやっているということか?」
「残念ながら、そういうことになる。多分、彼は以前から王に媚びいるようにして、少しずつ権力を強くしていった。私に町の貧困や病のことを隠していたのも、自分の財を増やすためだと思う。女、子供、老人、病人関係なく、人々から搾取し、彼は権力と金を増やしていっていたんだ。」
アルフレッドは昔は気さくで、優しい、兄のような存在だった。いつから、権力に溺れるようになったのだろうか・・・・。
そして、なぜ、私は気づくことができなかったのだろう。
おそらく、私は一歩下がって、彼の話を鵜呑みにしていたのだ。
その間も、人々は飢え苦しんでいたと考えると、怒りがふつふつとわいてくる。
「首謀者はアルフレッドで、アーニャは同じ目的を持つアルフレッドの共謀者となったんだね。だんだんと全体像が見えてきたね。」
ダニエルは興奮をしているようで、黒い瞳を輝かせて言った。
「そうだと思う。まずは、アーニャの香をどうにかしなければいけない。マーシャに会いに行こう。」
「そうだな、アイリスに場所を確認してみよう。決起日も近い。急がなければいけない。」
ダニエルと私が頷きあい、立ち上がろうとしたところに、
「あら、どこか行くの?昼食を持ってきたんだけど。」
と、サーラがオルハウスの扉を開き、顔を出した。
「ああ、これからマーシャについて調べないといけないんだが、、せっかくだから、昼飯を食っていこうか。」
「私も一緒にいかしら?」
「もちろんさ、君にも今の進捗状況を知って貰わないとな。」
ダニエルは、サーラの持つ籠を受け取り、椅子に座るように促す。
こうして二人を見ると、雰囲気が温かく、信頼しあう良い関係に見えた。
ちくちくちく。
胸が痛がっているが、我慢しないといけない。
昨夜、告白ができなかった、私が招いた罰だった。
ダニエルはサーラの準備した食事を食べながら、優しい目をして、先ほどの話を伝えている。
サーラは、ことあるごとに、ダニエルの服や肩にボディタッチをする。
幼馴染で、元婚約者か。二人の距離はとても近い。
ことあるごとに、サーラはよくダニエルに話しかけるのを目にしている。
未練があるというのは、本当なのだ。
「おい、シャーロット?」
ダニエルの声で、はっと我に返る。
「ああ、ごめん。そうだな、マーシャのところに行こう。」
「いや、そうじゃないくて、昼飯、早く食べようって言ったんだ。どうした?」
「ふふ、シャーロットは今のことで頭がいっぱいなのよ。」
サーラは、茶目っ気のある、意地悪な目をこちらに向けて言った。
全てを、見透かされているように感じる。
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