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武器が届いた
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すっかり習慣化したランニングと筋トレを終えて、自宅で寛いでいると、銃器の調達を頼んでいた甲斐田から電話が来た。
「山田先輩、例のアレ、何とか確保しましたよ。」
「おぉ、どれぐらいある?」
「シグが3丁、1911が3丁です。」
シグとはシグザウアーP220の事だ。
武器科の連中に融通してもらったのだろう。
1911はM1911A1の略称だ。
米軍が制式採用した名銃だ。
「良お分かっとるやん。1911を確保してくれたんは有難い。シグがもっと多かったら良かったけど。」
「文句言わんでください。3丁でもだいぶ苦労したんです。個人が欲しがる数が大抵1丁なのに、そこを3丁も確保したんです。褒めてくれてもバチは当たりませんよ、先輩。」
「悪い悪い、冗談やって。必要数以上あっても手入れとか面倒くさいしさ。ありがとう。助かったわ。」
「まぁ、先輩からPMC立ち上げるって聞いた時は面白そうだと思いましたから、こっちも仕事に関われて面白かったですよ。まるでゲームの登場人物みたいでした。」
相変わらずの雰囲気に顔が緩んだ。
山田が現役の時から、いかにも現代人というか、若者らしい性格をしていた。
甲斐田はゲームオタクな所があり、陸自に入隊したのも銃を撃ったり、ゲームのような刺激を求めて入隊したそうだ。
新隊員の頃から、要領が良く、社交的であり、気配りができる奴で、初めはホームシックに陥り苦労していたが、周りの同期からも励まされ、ついには、特級射手徽章を授与される程にまで成長した逸材だった。
甲斐田は、ふざけた口調で、「89式もあった方が良かったですか?」と、聞いて来た。
「自動小銃なんて、出来ても無いPMCが持つか。」
山田はかなり真剣に切り返した。
89式とは、89式5.56ミリ小銃の事を指し、陸自では、大抵の部隊に行き渡っている小銃の事だった。
旧式の64式7.62ミリ小銃よりも、軽く、部品点数も少なく、使いやすいので、陸自の戦闘職種の部隊で89式が無いなどあり得ない程配備されていた。
しかし、まだ起業できてもいないPMCに、そんな物を買う余裕は無い。
89式は日本国内のみでしか製造されておらず、海外輸出をしていなかった。
海外輸出しないという事は、「国内でしか流通しないので、生産数も少なく一丁当たりの値段が高くなる」という事だった。
実際、他国の軍隊で使われる小銃が一丁、5・6万円なのに対し、89式は、30万円もする高級品だった。
買えない事は無いが、今の状況でそんな物を買うつもりは無い。
「ですよねー。」
甲斐田がふざけた口調で切り返す。
現役時代から変わらぬ調子に腹が立つが、同時に、安心感ももたらした。
甲斐田は続けて、「あー、後、油もある程度付けときました。」
山田は、相変わらずの気配り具合に助けられた気がした。
油とは、銃器の整備に使う、防錆潤滑油の事だった。
「よし、さすがやな。甲斐田。抜かりは無いか。」
「はい。今後もまたなんかあったら言って下さい。できる限り協力します。」
「おう、また頼む。」
礼を言って、通話を終えた。
数日後に届いた銃は万全の状態だった。
これならば、すぐにでも使えると、山田は思った。
整備の行き届いた銃器は、いつ見ても安心感を与えてくれる。
銃を防腐布で巻きつけ、保管庫にしまい、今日やるべき事を終えた。
「山田先輩、例のアレ、何とか確保しましたよ。」
「おぉ、どれぐらいある?」
「シグが3丁、1911が3丁です。」
シグとはシグザウアーP220の事だ。
武器科の連中に融通してもらったのだろう。
1911はM1911A1の略称だ。
米軍が制式採用した名銃だ。
「良お分かっとるやん。1911を確保してくれたんは有難い。シグがもっと多かったら良かったけど。」
「文句言わんでください。3丁でもだいぶ苦労したんです。個人が欲しがる数が大抵1丁なのに、そこを3丁も確保したんです。褒めてくれてもバチは当たりませんよ、先輩。」
「悪い悪い、冗談やって。必要数以上あっても手入れとか面倒くさいしさ。ありがとう。助かったわ。」
「まぁ、先輩からPMC立ち上げるって聞いた時は面白そうだと思いましたから、こっちも仕事に関われて面白かったですよ。まるでゲームの登場人物みたいでした。」
相変わらずの雰囲気に顔が緩んだ。
山田が現役の時から、いかにも現代人というか、若者らしい性格をしていた。
甲斐田はゲームオタクな所があり、陸自に入隊したのも銃を撃ったり、ゲームのような刺激を求めて入隊したそうだ。
新隊員の頃から、要領が良く、社交的であり、気配りができる奴で、初めはホームシックに陥り苦労していたが、周りの同期からも励まされ、ついには、特級射手徽章を授与される程にまで成長した逸材だった。
甲斐田は、ふざけた口調で、「89式もあった方が良かったですか?」と、聞いて来た。
「自動小銃なんて、出来ても無いPMCが持つか。」
山田はかなり真剣に切り返した。
89式とは、89式5.56ミリ小銃の事を指し、陸自では、大抵の部隊に行き渡っている小銃の事だった。
旧式の64式7.62ミリ小銃よりも、軽く、部品点数も少なく、使いやすいので、陸自の戦闘職種の部隊で89式が無いなどあり得ない程配備されていた。
しかし、まだ起業できてもいないPMCに、そんな物を買う余裕は無い。
89式は日本国内のみでしか製造されておらず、海外輸出をしていなかった。
海外輸出しないという事は、「国内でしか流通しないので、生産数も少なく一丁当たりの値段が高くなる」という事だった。
実際、他国の軍隊で使われる小銃が一丁、5・6万円なのに対し、89式は、30万円もする高級品だった。
買えない事は無いが、今の状況でそんな物を買うつもりは無い。
「ですよねー。」
甲斐田がふざけた口調で切り返す。
現役時代から変わらぬ調子に腹が立つが、同時に、安心感ももたらした。
甲斐田は続けて、「あー、後、油もある程度付けときました。」
山田は、相変わらずの気配り具合に助けられた気がした。
油とは、銃器の整備に使う、防錆潤滑油の事だった。
「よし、さすがやな。甲斐田。抜かりは無いか。」
「はい。今後もまたなんかあったら言って下さい。できる限り協力します。」
「おう、また頼む。」
礼を言って、通話を終えた。
数日後に届いた銃は万全の状態だった。
これならば、すぐにでも使えると、山田は思った。
整備の行き届いた銃器は、いつ見ても安心感を与えてくれる。
銃を防腐布で巻きつけ、保管庫にしまい、今日やるべき事を終えた。
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