道具屋のおっさんが勇者パーティーにリンチされた結果、一日を繰り返すようになった件。

名無し

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四十四話 道具屋のおっさん、洗礼を与える。

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「――っと、こういうわけなんだ……」

「……なるほど」

 俺たちはハーフエルフのリュリアに大体のことは話した。リュリアに対する今までの行いは当然隠蔽したが……。

「……あの。モルネトどの……」

「ん?」

 俺はリュリアの大きな胸に顔を挟んでいた。これもいわゆるスキンシップの一つだ。洗礼ともいう。

「リュリア、どうかしたのか?」

「あ、いえ……」

 やっぱりズレてるな、こいつ……。まんざらでもなさそうだし、しばらくこのままでいいだろう。

「じー……」

「……」

 強烈な視線を感じると思ったら、エレネがじっと病んだ目で俺のほうを見つめていた。こいつ、目に光がなくてこえぇよ……。

「エ、エレネ、おめぇもおっぱいがおっきかったらできっからよ、今からでも遅くねぇし育成に励まねえとなっ」

「できるでしょうか……」

「できるできるっ。おめぇまだペェペンだし、ガキだから仕方ねぇよ。これからいっぺぇオラとドスケベすっこった。そうすりゃ治る。オラが保証すっからよ」

「……はいっ。いっぱいドスケベしたいです……」

 一転してにこりと笑うエレネ。単純なウサビッチだ。



 ※※※



「ただいまー」

 来た来た。オルグの野郎、待っていたぞ。暗号の恨み、今こそ晴らす。

「おかえり……」

「……あ、お客様……えっ!?」

 オルグはさぞびっくりしただろう。ハーフエルフのリュリアが出迎えに来たんだからな。それも、全裸で。ちなみにリュリアもメスガキなだけあってペェペンだった。

「き、き、君は、一体……」

「……これには理由が……」

「……ど、どういった理由かな? そそそ、そんな格好だと困るから、話は僕の部屋で……」

 オルグの野郎、鼻の下が伸びきってるな。リュリアの手を握って部屋に連れて行こうとしている。下心見え見えだ。そこで俺の登場ってわけだ。

「おいこらオルグ、そいつは俺の嫁だぞ?」

「……え?」

 オルグの目がさらに大きく見開かれる。

「俺の嫁だって言ってるだろ? 放せよ」

「……も、モルネト君。冗談を言うのはいけない……。こんな美女がド底辺な道具屋の君なんかの嫁なわけが……」

 こいつ、動揺してるくせに失礼な台詞を強引に挟み込みやがって。もう許さねえ……。

「リュリア、来なさい」

「はっ」

「なっ……」

 オルグの手を振り解き、リュリアがおっぱいを揺らしながら俺の元に寄ってくる。

「……ふ……ふふっ。物好きもいるものだねっ」

「あ?」

「ぼぼぼっ、僕にも可愛い嫁がいるのだよっ。……そんな痴女じゃなく、清純な13歳の処女だ。どーだい、モルネト君っ、羨ましいだろう!?」

「……」

 こいつ、鼻血垂らしながら自慢してんじゃねえよ。

「エレネのことか?」

「……は? な、なんで君がエレネの名前を……」

「エレネ、出ておいで」

「はい……」

「……なっ……なっ……なっ……?」

 オルグのやつ、今にも目玉がポロリと零れそうになるくらい動揺しまくってて笑える。まあそりゃそうか。愛しい愛しい妹のエレネが全裸で現れたかと思うと、俺に抱き付いたわけだからな。

「い、一体……これは……」

 うわ、オルグの目、めっちゃ泳いでる。こわっ……。

「「「ちゅー……」」」

 エレネ、リュリアと唇を寄せ合うトリプルキッスの完成だ。練習の成果が出たな。

「……な、な……なんじゃこりゃああああぁぁっ!」

「あ?」

「僕が……この僕が醜い悪を成敗するううぅぅっ!」

 オルグのやつ、気でも狂ったか……。今日はこいつを仕留めるのに迅雷剣や氷結剣を使わない。あっさり殺すのはもったいないし、こんな汚物を店に展示する気分でもないからだ。

「オラオラオラロアラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオロアオラオラオラオラオアロアロラオラオアロラオアオラロオラロラロオラローラッ!」

「むぐうえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇえええぇぇぇえぇえっ!」

 オルグは俺の鉄拳の嵐によって、ただの肉塊と化した。

「いいなあ、オルグ兄さん……」

「……え? エレネどの? これの何がいいのだ……」

 エレネの台詞にリュリアが戸惑い気味。俺はもう慣れたが、そりゃそうだよなあ。
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