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第三章 魔法学園

ルルとイライザは和解?します

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「おはよう。イライザ、マリー、セーラ。」

翌朝、寝不足気味の私とイライザ、そして話を聞いて顔を曇らせていたセーラの前に何事もなかったかのようにルルが現れた。

「「「ルル!」」」

声をそろえて立ち上がった私たちを見てルルはクスクス笑う。

「揃ってる。面白い。」

笑顔の彼女を見て心底ほっとしたのは言うまでもない。

「今日は休むかと思ってた。」

私の言葉にルルは首をかしげる。

「休む理由がない。」

えっ?そうかなぁ。あっ、でも自分の部屋にいる方が気が休まらないか…

一人納得してうなずいているとイライザがスッと立ち上がる。

「昨日は感情的になってごめんなさい。
もっとよく考えてから発言すべきでしたわ。」

ルルは黙ってジッとイライザを見つめている。

「貴女の立場になって考えてみるべきでした。でも、考えは変わらないですわよ。
貴女はもっと自分を大事にすべきです。」

その言葉を聞いてルルは急にガバッとイライザに抱きついた。

「良かった。イライザは考えを変えない。
真っ直ぐ、頑張り屋、優しい。強い。そういう所が好き。」

「な、な…」

イライザは真っ赤になって慌てている。

「何をおっしゃってるの。嫌いと言ってくるような者に好きだなんて。」

イライザから離れたルルは再びジッとイライザを見る。

「嫌いだから私も嫌うはおかしい。
少し待って。」


ルルは何か思い出すように宙に目を彷徨わせてから姿勢を正す。


「イライザさんとセーラさんは時間を割いて私に言葉を教えてくれました。 
とても感謝しています。」

とても綺麗な発音でなめらかにお礼を言うルル。セーラは嬉しそうに手を叩きイライザは固まっている。

「それに私は知ってる。イライザたまに反対のこと言う。好きを嫌いって言う。リノアやリークとかにも。」

とたんにイライザの顔が強張った。

「そんなことありませんわ。私は私は…」

「よぉ、おはよう。」

食堂の片隅に集まっていたのに目ざとく私たちを見つけたリークがやってきた。

「おっ、イライザはルルと和解したのか?良かった良かった。」

イライザはリークから距離を取るように私の後ろに隠れた。珍しい。逃げたり隠れたりするのをいつもは嫌ってるのに…

「和解おかしい。私とイライザ別に決裂してない。」

「ルル、そこはケンカの方が分かりやすいわ。」

セーラに言われてルルはすぐに言い直す。

「失礼、ケンカしてない。」

「あぁ。まあ、そうだよな。とにかく元気そうで良かった。
おい、イライザなんで隠れんだよ。」

「べ、別に隠れてなんか。私先生に質問があったんですの。お先に失礼いたしますわ。」

慌ただしく食堂を出て行くイライザを私たちは見送るしかなかった。

「リーク、イライザに何かしたんじゃない?避けられてるみたいだけど…」

つい聞いてしまうと寂しそうにイライザを見送っていたリークはフンと鼻を鳴らし

「じゃあな。」

と手を振り行ってしまった。

そんな中影のようにピッタリとリークに付き従っているカストルが私たちの側に残っている。

「あれ、カストル行かなくていいの?」

「今日はレディ・ランタナの警護に当たるよう先ほど言われたから。」

「別に大丈夫だが…」

「どうか今日一日ご辛抱ください。」

ルルは真顔でカストルを見つめる。

「辛抱はしない。そなたの魔力も心地よい。美しく優しい闇だ。」

言われてカストルは驚いたように目を見張ってから視線を下げ苦笑する。

「ありがとうございます。不快に思われなくて嬉しいです。我が国ではあまり受け入れにくい魔力ゆえ。」

「何故だ?我が帝国の信仰では闇の女神と光の神、両神に祈りを捧げ供物をささげる。魔力を持つものは蔑まれることが多いが闇の魔力持ちと光の魔力持ちだけは別だ。どんなに少ない魔力だったとしても神に庇護される者として大切に扱われる。もっと誇らしく思った方が良い。」

そうなんだ、知らなかった。セーラと顔を見合わせてからカストルに目を向けると俯いたまま頬を染めている。
急に魔力を褒められたから嬉しいもののどう反応すれば良いか分からないみたい。
ヤダ、うちの子かわいい。

ニコニコしながらカストルとルルを見守る。
なんだかお似合いだよ。お二人とも。

ほっこりした気持ちになりつつイライザの様子がおかしいことが引っかかっていた。
しばらくしたら話してくれるかな…
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