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第三章 魔法学園
ニリーナ様は最強です
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ハフスさんは周りの唖然とした様子に気づくことなく真っ直ぐに陛下を見つめている。
「私はいずれ陛下の娘になるかもしれません。そんな未来の娘候補に傷がついたら陛下もお困りになるはずですわ。」
そうでしょ?というように可愛く首をかしげて見せている。
これだけ堂々とされると感心してしまう。
よっぽど自信がなければこんな態度取れないからな~
「バカ言ってないでちょっとツラかしな。」
ニリーナ様は問答無用でぐいっとハフスさんの顔を両手で挟み自分の方に向ける。
「いひゃい!しょっとにゃんなのよ~」
「ちっとは口閉じてらんねぇのかね。
ペラペラペラペラ自分勝手なことばかり言いやがって。聞いてるこっちが恥ずかしくならぁね。
どんだけ甘やかしゃあこんな風に仕上がるんだか。」
ニリーナ様の毒舌にびっくりしたのかハフスさんは目を丸くして言葉に詰まっている。
「わ、私…そんな…私を馬鹿にするとお父様が黙ってないわ」
怯えながらも言葉をつむいでいるハフスさん。すごい勇気だ。
「はん、あんたの父親?じゃあ呼んでくりゃいいじゃねーか。
お優しいあんたの父親でも私に歯向かえやしないだろうけどね」
「偉そうに何様だっていうの?」
思わずといった様子で叫んだハフスさんにニリーナ様がニヤリと笑いかける。
「何様?あぁ、何様かって?
人は賢者だのリド教の長だのとかしこまって呼ぶが、しち面倒くさい。
あたしゃニリーナだよ。
家名ももたないただのニリーナ様さ。聞いたことあるかい?」
その名前を聞いてハフスさんは青ざめながら後ずさった。
「う、嘘よ。ニリーナ様がそんなあなたみたいに口汚い話し方をするわけないじゃない。」
ニリーナ様は怒り出すかと思いきやケラケラと楽しそうに笑い始めた。
「ちげえねえ、確かにな。
世間の連中が思い描く崇高なお美しい賢者様とはかけ離れてらぁ。」
笑い続けるニリーナ様に困ったように陛下が語りかける。
「ニリーナ、笑っている場合ではないぞ。そして、そなた。ハフス子爵令嬢。そなたも世迷言ばかり申すでない。
私は新たな家族を迎え入れるにあたり息子たちの気持ちを尊重するつもりではあるが一国の王子の妃となるのだ。国の顔として恥ずかしくない品位を持ち、重責に耐えうる者をと思っている。
妃であれ公爵夫人であれ、それは変わらないだろう。位が高くなればなるほどより良い暮らしができる代わりに人々の模範となるべく責任がのしかかる。
あれこれ夢想する前にそれらの現実もしっかりと見つめることだ。」
さすがのハフスさんもうなだれた様子で俯いたまま黙っている。
「ありゃ、静かになっちまった。
これはこれでつまらねーな。」
そう言ってニリーナ様はハフスさんの頭上に手をかざす。
「あーあ、こりゃまた盛大にこんがらがって。
あんたの本来の感情とあの女の魔力がより合わさってひとかたまりになりそうになってるよ。
まぁ、こんだけ魔力を注がれながらも自己をしっかり保ってんのは大したもんだ。」
「そりゃ私は優秀ですもの。
…っえ?あの女の魔力って?」
「はん、優秀?あたしに言わせりゃただの頑固者さ。」
ペシッとニリーナ様がハフスさんの頭をはたく。
「イッタ!何すんのよ!」
「あの女の魔力をはたき出してんだ。ちったぁ我慢しな。」
言いながらハフスさんは再び頭やら背中、肩、腕、腿までバシバシはたかれている。
「もう、なんなのよ~痛いって言ってるでしょう?!」
変わらず元気に文句を言っているハフスさん…すごいなぁ。
「私はいずれ陛下の娘になるかもしれません。そんな未来の娘候補に傷がついたら陛下もお困りになるはずですわ。」
そうでしょ?というように可愛く首をかしげて見せている。
これだけ堂々とされると感心してしまう。
よっぽど自信がなければこんな態度取れないからな~
「バカ言ってないでちょっとツラかしな。」
ニリーナ様は問答無用でぐいっとハフスさんの顔を両手で挟み自分の方に向ける。
「いひゃい!しょっとにゃんなのよ~」
「ちっとは口閉じてらんねぇのかね。
ペラペラペラペラ自分勝手なことばかり言いやがって。聞いてるこっちが恥ずかしくならぁね。
どんだけ甘やかしゃあこんな風に仕上がるんだか。」
ニリーナ様の毒舌にびっくりしたのかハフスさんは目を丸くして言葉に詰まっている。
「わ、私…そんな…私を馬鹿にするとお父様が黙ってないわ」
怯えながらも言葉をつむいでいるハフスさん。すごい勇気だ。
「はん、あんたの父親?じゃあ呼んでくりゃいいじゃねーか。
お優しいあんたの父親でも私に歯向かえやしないだろうけどね」
「偉そうに何様だっていうの?」
思わずといった様子で叫んだハフスさんにニリーナ様がニヤリと笑いかける。
「何様?あぁ、何様かって?
人は賢者だのリド教の長だのとかしこまって呼ぶが、しち面倒くさい。
あたしゃニリーナだよ。
家名ももたないただのニリーナ様さ。聞いたことあるかい?」
その名前を聞いてハフスさんは青ざめながら後ずさった。
「う、嘘よ。ニリーナ様がそんなあなたみたいに口汚い話し方をするわけないじゃない。」
ニリーナ様は怒り出すかと思いきやケラケラと楽しそうに笑い始めた。
「ちげえねえ、確かにな。
世間の連中が思い描く崇高なお美しい賢者様とはかけ離れてらぁ。」
笑い続けるニリーナ様に困ったように陛下が語りかける。
「ニリーナ、笑っている場合ではないぞ。そして、そなた。ハフス子爵令嬢。そなたも世迷言ばかり申すでない。
私は新たな家族を迎え入れるにあたり息子たちの気持ちを尊重するつもりではあるが一国の王子の妃となるのだ。国の顔として恥ずかしくない品位を持ち、重責に耐えうる者をと思っている。
妃であれ公爵夫人であれ、それは変わらないだろう。位が高くなればなるほどより良い暮らしができる代わりに人々の模範となるべく責任がのしかかる。
あれこれ夢想する前にそれらの現実もしっかりと見つめることだ。」
さすがのハフスさんもうなだれた様子で俯いたまま黙っている。
「ありゃ、静かになっちまった。
これはこれでつまらねーな。」
そう言ってニリーナ様はハフスさんの頭上に手をかざす。
「あーあ、こりゃまた盛大にこんがらがって。
あんたの本来の感情とあの女の魔力がより合わさってひとかたまりになりそうになってるよ。
まぁ、こんだけ魔力を注がれながらも自己をしっかり保ってんのは大したもんだ。」
「そりゃ私は優秀ですもの。
…っえ?あの女の魔力って?」
「はん、優秀?あたしに言わせりゃただの頑固者さ。」
ペシッとニリーナ様がハフスさんの頭をはたく。
「イッタ!何すんのよ!」
「あの女の魔力をはたき出してんだ。ちったぁ我慢しな。」
言いながらハフスさんは再び頭やら背中、肩、腕、腿までバシバシはたかれている。
「もう、なんなのよ~痛いって言ってるでしょう?!」
変わらず元気に文句を言っているハフスさん…すごいなぁ。
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