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城神麗奈お嬢様は、震えておられます
しおりを挟む学校の授業が終わるまで、それは続いた。
言葉ではない、人間の心の声が聞こえる。
ただ、それは城神麗奈だけの声。
彼女が考えているらしい、心の叫びが俺の脳内に直接届いてくる。
テレパシーとかいう超能力だろうか。
普段の生活をする上で、何も困ることはないし、四六時中24時間、彼女の心の声が聞こえるわけではない。
「どうしたの鹿島くん?」
「え、いや、……、……」
俺が何度も振り返るものだから、彼女が不思議がっている。
麗奈は何一つ、喋っていない。
次の授業現代国語の教科書を開き、ノートも開き、目を通しているだけ。
どんなにエロ妄想しようが、口に出さないのだから何も悪くない。
俺だけが彼女のエロ思考を感知して、股間をもっこりさせているだけ。
むしろ俺の方が、彼女に対して失礼な反応をしているとも言える。
休憩時間になった。
俺が机に頬杖をついて考え込んでいると、お嬢様がやって来て屈みこんだ。
「顔、赤いわ鹿島くん。
熱があるのではないかしら、保険医院の先生に診てもらったほうがよろしいわ」
俺なんかを心配してくれている。
嬉しくて恥ずかしい。
「い、いや。大丈夫だから……」
「そう……? 無理しないほうがいいけれど」
とても丁寧な口調で心配をしてくれるお嬢様は、自分の席に戻った。
こんなご令嬢が、エロ妄想をしているはずがないのだけど、彼女の生ボイスと聞き比べてみても、完全一致している。
「どうしたの鹿島くん?
さっきから、わたくしの顔ばかり見ているけれど、何か恥ずかしい物でも付いているのかしら?」
「い、いや。なんでもないよ。ごめん」
「前を向かないの?」
「……ちょっと聞くんだけど」
「なにかしら?」
聞くだけだ。
映画に誘うわけでもなく、告白でもない。
ただ、聞くだけ。
「俺の気のせいかもしれないけれど……。
独り言を言ってたりしないよね」
「わたくしが? 独り言を」
「うん。城神さんの声が聞こえたような、そんな気がしたんだけど」
「何も言ってないわ。言うわけないでしょ鹿島くん。変な事言わないで下さらない?」
「いや、ごめんごめん」
少し、ムッとした顔をされた。
そりゃあそうだろう。
俺に馬鹿にされた。
俺がからかったと思ったのかもしれない。
大変失礼な事を言ってしまった。
謝って前を向こうとしたら、また、不思議な声が聞こえた。
『やだやだ、エッチな事考えてたの、口にでちゃってた?
まさか、うそうそ。やだ。
もし、本当に鹿島新次郎くんに聞こえちゃってたとしたら……、
ああ、ど、どうしよう♡
これをネタに、エッチなことを要求されちゃうかも……やだやだ。
人気のない体育館の用具室に連れ込まれたりして、スカート脱がされて、ショーツもはぎ取られて、いやいや、やだやだ♡
抵抗しても、無理やりおちんぽを、大切なところにねじ込まれちゃうぅ~♡
ガチガチに勃起させたおちんぽで、ガンガン中を突かれちゃうぅ~♡
らめらめっ? やらやらっ♡
容赦なくおちんぽミルクを、ビュービュー中出しされて、やぁっ、ひどいぃっ♡ ひどすぎるっ♡
でも、さいこぉっ……♡
あんっ♡
ハメ撮りをネットに流されるかもっ♡ あっ♡ んんっ♡ はぁぁっ♡』
俺の前には、真顔でプンっと頬を少し膨らませているご令嬢がいる。
もちろん、口は真一文字に閉じていて、一言もしゃべっていない。
だけど、聞こえる。
彼女の声がありありと。
ソプラノエロボイスが。
『鹿島新次郎くん、鬼畜うぅぅ~~♡
鬼勃起おちんぽで、ずぼずぼしちゃらめぇ~♡
鬼畜中出しぃぃ♡ さいこぉっ……♡』
そう聞こえている。
ずっとエロボイスが届いているのだった。
真顔でドスケベな妄想をしているだなんて。
『新次郎くん、まだ、あたしを見てるぅ~。
疑っているのだわ~♡
さっきの声。絶対に聞こえちゃってる~♡
新次郎くんの眼は確信しちゃっている眼だわぁ♡
どうしよう、どうしよう♡
脅迫されて、無理やり肉体関係。
鬼畜プレイされちゃうの時間の問題ぃぃっ~~♡
避妊具無しの生おちんぽで汚されちゃうのぉ~~♡』
しないからっ!!
童貞の俺にそんな度胸ないからっ!!
てか、俺のおちんちんが、城神麗奈お嬢様のエロ妄想どおり、マジでマックス君になっているんだけど。
「どうしたの、鹿島くん?」
そう不思議そうに言い、小首をかしげるお嬢様。
清楚で可愛い顔からは、エロ妄想しているだなんて微塵も出ていない。
『きっと、鹿島新次郎くん。あたしに告げようとしているのだわぁ♡
どのタイミングであたくしを脅迫しようかと算段しているのだわぁ。
らめえぇ♡
その疑いの眼、怖いぃぃっ!! もっと見てぇえっ♡』
だからつい。反射的に言い返してしまった。
「脅迫しないけど、俺」
ぽつりと、そう言った。
それだけ。
たったそれだけで、目前の美少女が形の良い口を薄く開け、『あ……』と漏らした。
みるみる白い顔が赤くなる。
「え、あ、いや、な、なに、……なに、……ななな……なに、いって。
いっ、いっ、言ってますの、鹿島……くん」
おおっ!
凄い反応じゃないか!
「俺、鬼畜じゃないし」
「な、ななな、なん、なんですのっ?
わた、わた、わたくし……、きき、きっ、きちく、とか、しらないですわっ!」
てんぱっている。
完全にてんぱっている。
俺みたいな平凡な男子高校生の一言で、全校男子の憧れ麗奈お嬢様が狼狽している。
間違いない。
俺の脳裏に聞こえたのは、彼女のエロ妄想だっ!!
「カミカミだけど、大丈夫?」
「だ、だ、だいじょうぶに、きまってますわ!!
さ、さあ、前を向いてくださらない??
そ、そ、そろそろ、授業が、は、は、始まりますわっ!!」
「そうだね。
次の授業が終わってお昼休憩のとき――。
人気のない体育館の用具室には――、行かないよ」
もちろん、冗談。
「ひ、ひっ……ひぃぃぃ」
『ひ、ひっ……ひぃぃぃ』
ついに彼女の心の声と、現実の生の声とがシンクロした。
『ら、らめぇ……、分かっちゃってますわっ♡
鹿島くんにバレちゃってますわ♡
どうしょう、どうしたらいいですのぉ♡
絶対に、勃起おちんぽでガン突きされちゃうぅっ♡
鹿島くんの専用肉便器にされちゃぅぅ♡♡』
言ってる内容は震え上がっているのだけど、なんでそんなに嬉しそうなの?
次の授業が始まった。
教師か黒板に書き込んでゆく。
チョークの音だけが響く教室なのだが、俺には。
俺だけには麗奈お嬢様の怯えた嬉しそうなエッチ妄想が、いつまでも俺の頭に届いて来るのだった。
「ここ、次のテストに出すからな!!」
『ど、ど、どうしょう。次のテストまでに、中出しされちゃう♡
おちんぽミルク、びゅーびゅー出されちゃう♡』
しないからっ!
てか、なんで、そんなに嬉しそうなだよっ!!
ええいっ!! うるさくて授業に集中できないっ!
来年受験なのに、困った。
麗奈さん。勘弁してよぉ~。
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