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☆セミの世界に落ちた僕
しおりを挟むついさっきだ。
綾小路の用心棒(元K―1選手)にスタンガンを奪われ逆に攻撃された。
確かにそう……そのはず。
なのに……ここはいったい……何処だ……。
まだ痛みが残っている首筋を手でなぞりつつ、僕は一度たりとも訪れたことがない風景を呆然と見渡していた。
ここはアマゾン奥地か、それとも富士の樹海だろうか、似ているけど明らかに違う。
色々なセミが鳴き飛び交っているところからして季節は夏なのかもしれないが、気温は春のように快適だ。太陽みたいな星は焦げ茶色で、広がる雲を同じ茶色に染めていた。
ポケットに携帯電話があった。だが圏外だった。
近くに人の姿は無い。っていうかそんな雰囲気の世界じゃない。
スタンガンをあてられた場所が悪く、僕はショック死してしまっていて、今この世界がラノベでよくある転生とかで行く、そういった類の異世界なんじゃ。
少なくともこの状況は夢ではない。リアル過ぎる。
そんな事を考えつつ、この現実を飲み込むまで20分は経っただろうか。
自分が行動しないと何も変わらない。そう結論し、まずこのジャングルみたいな場所から出る決意をした。
せめてここが小規模な森であってくれ、と願いながら、起伏ある地面を歩いた。
じめじめした地面は木の根が広がり、ぼーっとしていると足を取られそうになる。
靴がローファーだったのがせめてもの救いだ。むき出しの腕に蚊がまとわり付く。脚は白タイツを穿いているお陰で、蚊の攻撃を防いでくれている。低い枝に掛からないよう、ふわふわスカートの裾を引きつつ歩いた。
しかし、こんな場所をゴシックロリータファッションで決めている僕は、ツイていない。
どれくらい歩いただろうか。
携帯で確認すると2時間ほど経っていた。真っ直ぐに進んだつもりだ。だけどもまだまだ森は抜けそうにない。
高い木に登って周囲の地形を確認したいところだが、どの木も柔らかく、僕が登るとしなってしまう。やれやれ困ったな。
広がったスカートの先端、レース部分に泥がついている。可愛い衣装も台無しだな。
そんな時だった。
ギャーギャーギャーと鳥のような鳴き声が周囲に響いた。
ハッとして見渡した。それはこの世界に降りて初めてセミや蚊以外の生命の存在だ。探すまでもなく、ソイツは僕の頭上に長い影を落として現れた。
全長20メートルはあるだろうか、トンボとムカデを足したような巨大昆虫がギャーギャーギャー、と鳴きながら遠くの空へ飛び去っていった。
「マジかよ……」
見えなくなっても、まだ心臓が早鐘を打っている。恐怖で動けなかった。あれがもし肉食だったら、僕は格好のエサじゃないか。
いや、あれだけ大きい身体を維持するにはたぶん肉食だろう。襲って来なかったのは、たまたま空腹でなかったか、僕に気付かなかったか……。
大変な世界に来てしまった。
安易に考えていた僕は、一気に心細く不安になった。
だがこのままじっとしてはいられない。アレ一匹だけのはずはなく、別の危険生物が現れるかもしれない。早く安全な場所を見つけるのが先だ。
用心しながら進む。ファンタジーの世界では村人がいるけど、この世界はどうなんだろうか。僕ひとりぼっちだったりして……。だったら最悪だ。
突然前方から、オオオ――ンンッ! という鳴き声と共にバリバリと木々をなぎ倒す音、そして大きく地面が揺れた。
急いでしゃがみ込む。息を止めてじっと様子を伺った。
音の大きさからして、今度のも巨大生物に違いない。
汗がこめかみから頬を伝って落ちる。
10分は経過しただろう、依然として静かなままだ。未知の生物は何をしている。移動いてもう居ないのか。分からない。
大きく迂回するのが安全とは思うが、好奇心に背中を押され、僕はゆっくりと音のした方に向かった。
100メートルほど進んだ。前方のある場所だけたくさんの木々が倒れている。
そこからだろう、動物の低いうねり声と、擦れるような音が聞こえた。
姿は見えない。いや、違う。地面だ。大きな生き物がいる。
僕はどうかしているのかもしれない。直ぐに引き返すべきなのに、その何かを確かめたくてしょうがない。
胸の奥が破裂しそうなほど躍動している。
恐る恐る接近してみたら、正体が分かった。
倒れた木々の中央で、ファンタジーに出てきそうな生物――2階建ての家ほどある巨大トロルが地面でもがき苦しんでいた。
それだけじゃない。
トロルの腹を胸を脚を、無数の巨大ワームが食い破って蠢いていた。
「のわああああああああああああああああああああああ!!」
僕はヒラヒラスカートをひるがえし、全速力でその場から逃げた。
途中、木の根につまずき、ぬかるんだ地面に突っ伏した。直ぐに起き上がって走る。
焦れば焦るほど足がもつれそうになる。顔に付いた泥は走りながら拭った。
あのワームらが追って来るとは考えられない。
頭では理解してても、とにかくあそこから遠ざかりたかった。
息が苦しい。足が痺れた。
どれだけ離れたかは分からない。
立ち止まって振り返ったら、変わらないジャングルの光景だった。
しかし、僕の足周りほどもあるミミズってなんなんだ? 最悪じゃないか、この世界!
丸腰じゃ問題外だ。いずれ僕も食われちまう。
武器になるような、何かないのか。
武器だ。とにかく身を守る武器だ。そう強く念じた時だった。
泥まみれのスカートが白く輝き始めた。光量は急激に増し、やがてスカートの黒い生地を白光が通過して四方に飛んだ。
「おおおおお!」
スカートをたくし上げると、光っているのは股間だった。もっこり膨らんだ股間だった。
興奮していないのに、愛里がいないのに、マックス君状態。
しかも光る君だ。僕のおちんちんはマックス光る君。
のんびり不思議に思っているどころではない。
僕を中心に周囲の風景までライトアップされているのだった。
目立つ目立つ。
やばいやばい。
巨大生物が察知して寄って来るぞ。
輝きよ止まれっ! 直ぐに止まれっ!
念じてみても変化なし。
「おおおお――っ、どうする――――っ!!!」
マックス光る君が大きく成長し、パンツと白タイツを突き破った。
更に伸びる伸びる。青白く光りながら棒状にどんどん伸びてゆき、竹刀ほどの大きさになった所で、ぷつんと股間から分離し、空中に浮遊した。
「なんと!」
マックス光る君ロングバージョン!
簡単に言えば、蛍光灯みたいだった。
しかもだ。意思があるかのように、ゆっくりと近寄ってくる。
両手でそっと掴もうとしたら、向こうから手の中に収まって来た。
握ると、生き物のようにピクピク反応し、直ぐに発光しなくなった。
不思議だ……。
例えるなら、傘の開いていない細長いキノコだ。色は肌色。おちんちん色だ。
握ると弾力があり、だけど芯は硬い。
良く見たら、持っている部分に丸いボタンが3つあった。
それぞれ『剣』『盾』『カルピス』と書いてある。
「漫画みたい」
『剣』を押してみると、ぐむぐむ変形し、立派な西洋の剣になった。
試しに振ってみる。軽い。女子用の竹刀よりもずっと軽い。
木を真横に切りつけたら、さして抵抗もなくあっさりと両断された。切断面が恐ろしく鋭利だ。
今度は『盾』を押すと、僕の身長ほどもある立派な盾に変形した。
片手で楽々持ってる軽さで、強度も申し分ない。
最後に用途が分からない『カルピス』ボタンを押した。
持つ部分から、どろっと白い液体、見るからにカルピスが出てきた。
指先で掬ってひと舐めしたら、濃いカルピスだった。
『カルピス』ボタンの近くに《濃い》《丁度いい》《薄い》と書かれたダイヤルがあり、『丁度いい』の位置になっていたのを《薄い》に変更してもじゅうぶん濃いかった。
「……、……」
意味が分からん。何がしたいんだ?
しかし、僕が武器が欲しいって念じただけで、おちんちんが武器になってしまった。
おちんちんが武器――。
まるで愛里の想像していたおちんちんじゃないか。
それに、このセミの多さといい、セミ色の空といい、気持ち悪い生き物もそうだ。
これら全部愛里好みの世界じゃないか。
偶然か、それとも……。
答えを見付けられないまま、僕は自分のおちんちんとはいえ、せっかく武器に成るのだからと、西洋剣に変形したままで歩いた。
やっと長いジャングルを抜けることが出来た。
しかし、見上げる空は、どこまでも果てしなく不気味な焦げ茶色が続き、そこを大量のセミが飛んでいた。
だけどここは見晴らしの良い平原だ。畑も見える。その側を川が流れている。
長い道が一本斜めに続いていて、遠くに木製の橋がかかり、西洋風の古民家が点在していた。
人が、いや、人間と断定は出来ないが、少なくとも知能がある生き物がこの世界で生活していることになる。
どんな生物だろうか。言葉が通じないだろうが、ぜひ会ってみたい。
友好的になれれば、ここで暮らしやすくなる。
まさか、いきなり襲いかかってくることは無いだろう。
僕は一番近くの民家を訪ねてみることにした。
「こんにちは、旅の人。ここは辺境の地アレフカルトです」
家屋に入って早々だった。これぞ村人って思わせる格好をした人間が出迎えてくれた。
この世界に人間がいたってこと、日本の標準語で話してくれているってだけで嬉しいのだけど――。
笑っている。笑顔らしい笑顔が顔面に張り付いているって感じだ。
違和感が半端ない。
NPCみたいなセリフだし。
「あの……ここは、この世界はどうなっているんでしょうか……」
「ここは辺境の地アレフカルト。赤い世界だったときも、今も変わらず貧しい」
うーん。なんか、かみ合わない。
「はあ……、……じ、じゃあ、赤い世界ってなんですか?」
「茶色の世界に滅ぼされる前にあった世界です」
はあ。
他の民家に寄ってみることにした。
「ごきげんよう、旅の人」
「どうもでした……」
家屋の外見がほぼ同じ、別の民家の戸を叩いた。
返事はない。引くと開いたので、「こんにちは~」と入ってみた。
瞬間、部屋にパイプオルガンのメロディが流れた。
ステンドグラスの神秘的な光が薄暗い部屋に影を映し、祭壇の奥の壁にはキリストを思わせる十字架が飾られていた。
ちょっと待てって!
家の外観と内装が全然違うだろう。
神父さんらしき男が僕を見る。
「よくぞまいられた、勇者やまがき。今日はどんな悩みかな」
いきなり突っ込みどころ満載のセリフを吐きやがった。
そもそも、どうして僕の名前を知っている? 今日は、って初対面だろう?
僕に悩みがある前提で話しを始めるその強引さはなに?
いきなり空中に白い文字が表示された。
1,お祈りをする。
2,毒を治す。
3,呪いを解く。
4,仲間を生き返らせる。
5,祝福を受ける。
なんだこれ? まるでゲームじゃないか。
僕って死んでゲームの中に落ちた? マジでそうなのか?
「いや……僕、勇者とかじゃないんで、ホント」
神父が黙って見上げた。上を見ろと言いたいのか?
すると、僕の頭上に小さな半透明な窓があった。手を伸ばすと感触がある。掴んで近くに持ってきた。
―― やまがき ――― ――――――――――
| ゆうしゃ || ちから: 5|
| せいべつ:おとこ || すばやさ: 6|
| レベル: 1 || たいりょく: 3|
| HP:15 || かしこさ: 5|
| MP: 0 || うんのよさ: 9|
――――――――――― |さいだいHP: 19|
――――――――――― |さいだいMP: 0|
|E ロリータワンピース|| こうげき力:186|
|E 白タイツ || しゅび力: 8|
|E あかちゃんハット ||Ex: 0|
|E おちんちんのけん || |
――――――――――― ――――――――――
ゲーム確定だし。
それに書いてある。ゆうしゃって。やまがきって。
「全ての世界が、1ヶ月前に突如現れた大魔王によって滅ぼされようとしています」
訊ねてもないのに、いきなり喋りだしたぞ。
説明フラグが立ったわけね。
「へーっ。そういうシナリオなんだ」
「白と黒のゴシック衣装を身に纏い現れた勇者よ。大魔王を倒し、全ての世界を取り戻すのです」
選択画面があれば、NOをクリックしたいところだよ。
「よくぞまいられた、勇者やまがき。今日はどんな悩みかな」
黙ってたら、繰り返すのね。
神父の側にネコがいた。
「にゃーん」
そういやあったな、こういうの。
長椅子に男が座っている。
「大魔王は強い。お前が倒すだって? まず無理だな」
「……まあ、そんな気ないので」
「まずは装備だ。ただ持っているだけではダメだ」
持つもなにも。
「いや、なにせコレしかないもので」
小ウインドウを示してみた。
「コンビニで準備をするが宜しい」
「あるんだ、コンビニ」
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