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世界樹
シル公国⑤
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(知らない天井だ)
特に言いたい言葉ランキングには入ってないが気分的にでてしまった。
顔を横に向けると椅子で寝ているネネがいる。反対側にはなぜか『赤い太陽』のジオが俺と同じように寝台で寝ていた。さらにジオの横にも寝台が並んでいる。白帝の戦いはどうなったのだろうかと思っていると、病室の扉が開かれる。
「「ユリト様お目覚めですか」」
元の状態に戻っているメイド服のメフィスとラファが駆け寄ってくる。
「おはよう、俺は何日寝てたんだ?」
「あれからまだ一日だけです」
「ポーションでの強化が体に馴染んできたおかげだと思います」
「そうか。それであの後どうなったんだ?」
「その先はうちから説明するわ」
ちょうど眠りから覚めたネネが『白帝』との戦闘について語ってくれた――
「っというわけなんよ」
「・・・・・・」
あまりにも酷い話で言葉がでない。
『赤い太陽』と『白帝』が戦闘開始時くらいにメフィスとラファがそれぞれSSSランクの龍を同時討伐した。
同時のため勝負は引き分けとなったが、納得いかない2人は地上にいた『白帝』を次の勝負対象にしたらしい。
ここまでは問題ないが、その後が最悪だ。
SSSランクの『白帝』をも殲滅する強力な魔法やスキルを放った2人の攻撃は『赤い太陽』の面々も巻き込む結果になった。
メフィスとラファに視線を向けると思いっきり逸らされた。
『赤い太陽』の面々よすまん俺にはどうしようもできないと心の中で謝る。
「結果が良ければ良しとしよう。今の話は聞かなかったことにするよ」
「「「「「「ふざけんな!!!!」」」」」」
ネネが経緯を話している間に全員が起きたみたいだ。
回復魔法で治療が行われたおかげか、全員怪我をしているようには見えない。
「よく考えたらジオのユニークスキルで防げなかったのか?」
「正面から『白帝』と対峙している中で空から降ってくるSSSランク魔法を防げると思っているのか?」
「すまん。俺が悪かった」
全員がなんとも言えない表情を浮かべる中、一人の少女が口火をきる。
「『最強』のユリト!私と勝負しなさい」
唐突に勝負を申し込まれる。
部屋をよく見ると俺以外の寝台が7台ある。『赤い太陽』は6人のため、勝負を吹っかけてくる少女は別の冒険者だろう。
(彼女はゼロと名乗るSSランクの冒険者みたいです。ユニークスキル『氷の女王』を所持していて、ユリト様と同じソロ冒険者です)
(ソロでSSランクか。それなりに強いんだろうけど、俺とは相性が悪そうだな――)
それでも対人戦の経験を積みたいと思った俺は了承することにした。
「ああ、いいぜ」
「私が勝ったら『最強』の名は私がいただくわ」
「欲しければやるけど、俺と戦った後は『最強』とは呼べないぞ」
「戦う前から勝ったつもりなの?それが『最強』の余裕ってやつ?絶対負けないんだから!!」
俺とゼロは昨日の戦場を勝負の舞台とし向かい合う。
病室にいた面々は観客として俺達を見守っている。
「『最強』も今日で終わりだな!」
「ゼロちゃん頑張ってーーー」
「ユリトが負けるとこ見せてくれ!!」
俺に味方が1人もいないのはなぜだ。
味方であろう2人を探すが、2人で訓練していました。俺の事なんて気にしてもいないみたいでした。
「いつでもかかってきていいぞ」
「あんた武器もださないの?」
何も準備しない俺が勝負を始めようとする事に怒ったのかゼロは怒気を含んで返してくる。
『妖精のピアス』だけで勝敗は決まるだろうと考えているため問題はない。
「必要ない」
「あっそ。後で後悔しなさい」
『スキル:氷獣』
ゼロの正面から氷の豹が現れ、俺に襲いかかってくる。
速度もそれなりにあるが、対応できないことはない。いつもの流れ作業で『瞬身』『神威』で豹の横側に移動し、掌底を叩きこむ。
一撃で豹は崩れ、氷の残骸が当たりに散らばる。
「終わりだ」
「一回防いだだけで何が終わりだよ!これでもくらいなさい!」
「スキル:氷の流星」
「スキル:氷龍の息吹」
上空から氷の隕石が降り注ぎ、正面からはブレスが飛んでくる。
ゼロという少女は確かにSSランクパーティーともソロで戦える戦力はある。
俺と戦うには相性が悪すぎたと言うしかないが。今後、相性が悪い相手と戦うことも考えればソロでは限界があるだろう。
「はぁはぁ、ど、どうよ!!」
魔力を多く消費したのか肩で息をしながら、台詞を吐くゼロだったが氷の中から無傷で現れる俺を見て驚愕の表情となる。
周りで見守る、『赤い太陽』とネネも似たような顔だ。
「な、なんで・・・・・・」
ゼロの姿を捉えた俺は「スキル:瞬身」で背後をとる。
氷がまとわりついてくるが、『妖精のピアス』で無力化する。
自動防御機能に関心しながら、ゼロの肩を叩く。
「お前の負けだ」
「!?なんでオートガードまで突き破ってくるのよ・・・・・・」
手も足もでなかったことにショックを受けながらゼロはそのまま地面に膝をつく。
楽に勝つことはできだが、自分がいた場所がすべて銀世界に変わっている様子を眺めると見た目とは裏腹に少女ゼロは化物の仲間入りを果たしているだろう。
そして勝負の決着を見守っていた、面々が集まってくる――
特に言いたい言葉ランキングには入ってないが気分的にでてしまった。
顔を横に向けると椅子で寝ているネネがいる。反対側にはなぜか『赤い太陽』のジオが俺と同じように寝台で寝ていた。さらにジオの横にも寝台が並んでいる。白帝の戦いはどうなったのだろうかと思っていると、病室の扉が開かれる。
「「ユリト様お目覚めですか」」
元の状態に戻っているメイド服のメフィスとラファが駆け寄ってくる。
「おはよう、俺は何日寝てたんだ?」
「あれからまだ一日だけです」
「ポーションでの強化が体に馴染んできたおかげだと思います」
「そうか。それであの後どうなったんだ?」
「その先はうちから説明するわ」
ちょうど眠りから覚めたネネが『白帝』との戦闘について語ってくれた――
「っというわけなんよ」
「・・・・・・」
あまりにも酷い話で言葉がでない。
『赤い太陽』と『白帝』が戦闘開始時くらいにメフィスとラファがそれぞれSSSランクの龍を同時討伐した。
同時のため勝負は引き分けとなったが、納得いかない2人は地上にいた『白帝』を次の勝負対象にしたらしい。
ここまでは問題ないが、その後が最悪だ。
SSSランクの『白帝』をも殲滅する強力な魔法やスキルを放った2人の攻撃は『赤い太陽』の面々も巻き込む結果になった。
メフィスとラファに視線を向けると思いっきり逸らされた。
『赤い太陽』の面々よすまん俺にはどうしようもできないと心の中で謝る。
「結果が良ければ良しとしよう。今の話は聞かなかったことにするよ」
「「「「「「ふざけんな!!!!」」」」」」
ネネが経緯を話している間に全員が起きたみたいだ。
回復魔法で治療が行われたおかげか、全員怪我をしているようには見えない。
「よく考えたらジオのユニークスキルで防げなかったのか?」
「正面から『白帝』と対峙している中で空から降ってくるSSSランク魔法を防げると思っているのか?」
「すまん。俺が悪かった」
全員がなんとも言えない表情を浮かべる中、一人の少女が口火をきる。
「『最強』のユリト!私と勝負しなさい」
唐突に勝負を申し込まれる。
部屋をよく見ると俺以外の寝台が7台ある。『赤い太陽』は6人のため、勝負を吹っかけてくる少女は別の冒険者だろう。
(彼女はゼロと名乗るSSランクの冒険者みたいです。ユニークスキル『氷の女王』を所持していて、ユリト様と同じソロ冒険者です)
(ソロでSSランクか。それなりに強いんだろうけど、俺とは相性が悪そうだな――)
それでも対人戦の経験を積みたいと思った俺は了承することにした。
「ああ、いいぜ」
「私が勝ったら『最強』の名は私がいただくわ」
「欲しければやるけど、俺と戦った後は『最強』とは呼べないぞ」
「戦う前から勝ったつもりなの?それが『最強』の余裕ってやつ?絶対負けないんだから!!」
俺とゼロは昨日の戦場を勝負の舞台とし向かい合う。
病室にいた面々は観客として俺達を見守っている。
「『最強』も今日で終わりだな!」
「ゼロちゃん頑張ってーーー」
「ユリトが負けるとこ見せてくれ!!」
俺に味方が1人もいないのはなぜだ。
味方であろう2人を探すが、2人で訓練していました。俺の事なんて気にしてもいないみたいでした。
「いつでもかかってきていいぞ」
「あんた武器もださないの?」
何も準備しない俺が勝負を始めようとする事に怒ったのかゼロは怒気を含んで返してくる。
『妖精のピアス』だけで勝敗は決まるだろうと考えているため問題はない。
「必要ない」
「あっそ。後で後悔しなさい」
『スキル:氷獣』
ゼロの正面から氷の豹が現れ、俺に襲いかかってくる。
速度もそれなりにあるが、対応できないことはない。いつもの流れ作業で『瞬身』『神威』で豹の横側に移動し、掌底を叩きこむ。
一撃で豹は崩れ、氷の残骸が当たりに散らばる。
「終わりだ」
「一回防いだだけで何が終わりだよ!これでもくらいなさい!」
「スキル:氷の流星」
「スキル:氷龍の息吹」
上空から氷の隕石が降り注ぎ、正面からはブレスが飛んでくる。
ゼロという少女は確かにSSランクパーティーともソロで戦える戦力はある。
俺と戦うには相性が悪すぎたと言うしかないが。今後、相性が悪い相手と戦うことも考えればソロでは限界があるだろう。
「はぁはぁ、ど、どうよ!!」
魔力を多く消費したのか肩で息をしながら、台詞を吐くゼロだったが氷の中から無傷で現れる俺を見て驚愕の表情となる。
周りで見守る、『赤い太陽』とネネも似たような顔だ。
「な、なんで・・・・・・」
ゼロの姿を捉えた俺は「スキル:瞬身」で背後をとる。
氷がまとわりついてくるが、『妖精のピアス』で無力化する。
自動防御機能に関心しながら、ゼロの肩を叩く。
「お前の負けだ」
「!?なんでオートガードまで突き破ってくるのよ・・・・・・」
手も足もでなかったことにショックを受けながらゼロはそのまま地面に膝をつく。
楽に勝つことはできだが、自分がいた場所がすべて銀世界に変わっている様子を眺めると見た目とは裏腹に少女ゼロは化物の仲間入りを果たしているだろう。
そして勝負の決着を見守っていた、面々が集まってくる――
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