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世界樹
レティナ皇国①
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『レティナ皇国』の冒険者ギルドに辿り着いた俺達を待っていたのは溢れんばかりの冒険者達だった。
世界が言っていた大会の参加者か。
中にいた数人が俺達に気付く。
「お、おい。あの人……」
「あれが『最強』のユリトか」
「『最強』とか言われてる割に見た目が派手なだけでオーラもなんもねぇじゃねぇか」
賑やかだった空気が一瞬にして静けさを覚える。
けどこの視線にもだいぶ慣れたものだ。
こんなことになったのも情報屋が脚色して俺の話題を各国に届けているせいだ。
(ユリト様相変わらず人気者ですね。クスッ)
(バカにしてんだろ!!)
(それにしても強そうな方見当たりませんねー。相手になりそうな方どこですかね?)
(まじやめて。ここにいる人達と戦おうとしないで)
念話でくだらない会話をしながら出口に向かう俺達に待ったがかかった。
「SSランクのユリト様ですよね?ギルド長がお話をしたいとのことでお時間頂けませんか?」
人族の受付嬢だった。
この流れで良い話聞いたことないから断っていいかな?
と一瞬頭をよぎったが人として最低な情報がこれから流れそうな気がして、その考えを却下する。
そういえばスタンピードでの魔石を換金していないことに気づき、このタイミングで済ませることにしよう。
「わかった。ついでに換金を頼んでいいか?」
「もちろんです!この台の上にどうぞ!」
『空間魔法:収納』を使い、大量の魔石を取り出す。
取り出した中にはSSSランクの魔石もある。
大量の魔石に受付嬢は口をパクパクさせ固まっている。
周りもザワつき始めたため受付嬢の上司であろう人が、こちらの様子に気づきすぐさまこちらに向かってくる。
「ユ、ユリト様、魔石は責任もって鑑定させていただきます」
「ああ、宜しく頼むよ」
「そろそろ目を覚ましなさい!案内をお願い」
口をパクパクしていた受付嬢が我を取戻し、そのままギルド長まで先導してくれた。
『レティナ皇国』のギルド長は、年配の女性だった。
ギルド長と言えば『マノ王国』の強面の名前負けしているヒュドラしか知らないため、覚悟をしていたが杞憂に終わった。
「まずは座りな、少しお願いしたくて呼んだだけで難しい話じゃないから気軽にしてもらっていいよ」
「お願い?俺に?」
「あんたにしか頼めないことだからねー」
「それだけだと嫌な予感しかしないんだが……」
座った俺にギルド長自らお茶を入れてだしてくれる。
俺の後ろに控えていたメフィスとラファの分も用意してくれていた。
「メイドの2人も座ったらいいさ。召喚魔法で呼ばれようとあなたたちは魔法ではないのだから」
この世界にきて、初対面でこれ以上に好感を持てた人はいなかった。
メフィスとラファを数に入れてくれることが嬉しかった。
2人も座り全員席についた事でギルド長が会話を進める。
「まだ名乗っていなかったね。私は『レティナ皇国』でギルド長をしているステラだよ。もうだいぶ歳だけど、まだおばさんぐらいかね。アッハッハ」
くそっ油断していた。無理やり美味しそうな名前にしないでください。
失礼だけど、おばあちゃんですよ!!
どこのギルドも油断ならねーわ。
気持ちを入れ替えてポーカフェイスで行く。
「それでステラさんが俺に頼みたいお願いというのは?」
「ソロ大会があるの知っているね?『最強』のあなたに出てほしいのよ。むしろあなたなしだと盛り上がりに欠けるの間違いないわけ。ここであなたの出場を確約して大大的に宣伝したいのよ」
「なるほど」
「すぐには首を縦に振ってくれないのね。申し訳ないけど私からの指名依頼ってことでお願いするわ。ソロ大会の参加で報酬は1000万エルだすわ」
「破格の依頼だな。狙いは?」
「経済効果もあるけど、一番は私達『レティナ皇国』の冒険者があなたを倒すわ!転移者達が各国に振り分けられたけど『レティナ皇国』が一番弱いと言われていてね、世界樹のギルド本部にネチネチ言われるのがね~」
「本人の前でぶっちゃっけたな」
「私も昔はSランクの冒険者だったけど、あなたから脅威を感じないわ」
「そうか。まあその依頼を受けることにするよ」
「ありがとね。詳細は受付嬢に説明させるようにするわ。不正もない純粋な大会で警備も万端だから安心して本気で挑んでちょうだい」
「本気だせる相手がいたらな。メフィスとラファは今回不参加にさせるが、俺に勝てば『最強』の名は勝った奴にあげることにするよ。2人ともそろそろいこうか」
俺は席を立ちギルド長を後にする。
後から席を立った2人がギルド長に声をかけていた。
「「ステラ様」」
「ん、どうしたんだい?」
「「ユリト様を出場させた事を後悔しませんように」」
メイドが扉を閉めたことによってステラは自分の額から汗が流れることに気付く。
「楽しい大会になりそうだね~」
世界が言っていた大会の参加者か。
中にいた数人が俺達に気付く。
「お、おい。あの人……」
「あれが『最強』のユリトか」
「『最強』とか言われてる割に見た目が派手なだけでオーラもなんもねぇじゃねぇか」
賑やかだった空気が一瞬にして静けさを覚える。
けどこの視線にもだいぶ慣れたものだ。
こんなことになったのも情報屋が脚色して俺の話題を各国に届けているせいだ。
(ユリト様相変わらず人気者ですね。クスッ)
(バカにしてんだろ!!)
(それにしても強そうな方見当たりませんねー。相手になりそうな方どこですかね?)
(まじやめて。ここにいる人達と戦おうとしないで)
念話でくだらない会話をしながら出口に向かう俺達に待ったがかかった。
「SSランクのユリト様ですよね?ギルド長がお話をしたいとのことでお時間頂けませんか?」
人族の受付嬢だった。
この流れで良い話聞いたことないから断っていいかな?
と一瞬頭をよぎったが人として最低な情報がこれから流れそうな気がして、その考えを却下する。
そういえばスタンピードでの魔石を換金していないことに気づき、このタイミングで済ませることにしよう。
「わかった。ついでに換金を頼んでいいか?」
「もちろんです!この台の上にどうぞ!」
『空間魔法:収納』を使い、大量の魔石を取り出す。
取り出した中にはSSSランクの魔石もある。
大量の魔石に受付嬢は口をパクパクさせ固まっている。
周りもザワつき始めたため受付嬢の上司であろう人が、こちらの様子に気づきすぐさまこちらに向かってくる。
「ユ、ユリト様、魔石は責任もって鑑定させていただきます」
「ああ、宜しく頼むよ」
「そろそろ目を覚ましなさい!案内をお願い」
口をパクパクしていた受付嬢が我を取戻し、そのままギルド長まで先導してくれた。
『レティナ皇国』のギルド長は、年配の女性だった。
ギルド長と言えば『マノ王国』の強面の名前負けしているヒュドラしか知らないため、覚悟をしていたが杞憂に終わった。
「まずは座りな、少しお願いしたくて呼んだだけで難しい話じゃないから気軽にしてもらっていいよ」
「お願い?俺に?」
「あんたにしか頼めないことだからねー」
「それだけだと嫌な予感しかしないんだが……」
座った俺にギルド長自らお茶を入れてだしてくれる。
俺の後ろに控えていたメフィスとラファの分も用意してくれていた。
「メイドの2人も座ったらいいさ。召喚魔法で呼ばれようとあなたたちは魔法ではないのだから」
この世界にきて、初対面でこれ以上に好感を持てた人はいなかった。
メフィスとラファを数に入れてくれることが嬉しかった。
2人も座り全員席についた事でギルド長が会話を進める。
「まだ名乗っていなかったね。私は『レティナ皇国』でギルド長をしているステラだよ。もうだいぶ歳だけど、まだおばさんぐらいかね。アッハッハ」
くそっ油断していた。無理やり美味しそうな名前にしないでください。
失礼だけど、おばあちゃんですよ!!
どこのギルドも油断ならねーわ。
気持ちを入れ替えてポーカフェイスで行く。
「それでステラさんが俺に頼みたいお願いというのは?」
「ソロ大会があるの知っているね?『最強』のあなたに出てほしいのよ。むしろあなたなしだと盛り上がりに欠けるの間違いないわけ。ここであなたの出場を確約して大大的に宣伝したいのよ」
「なるほど」
「すぐには首を縦に振ってくれないのね。申し訳ないけど私からの指名依頼ってことでお願いするわ。ソロ大会の参加で報酬は1000万エルだすわ」
「破格の依頼だな。狙いは?」
「経済効果もあるけど、一番は私達『レティナ皇国』の冒険者があなたを倒すわ!転移者達が各国に振り分けられたけど『レティナ皇国』が一番弱いと言われていてね、世界樹のギルド本部にネチネチ言われるのがね~」
「本人の前でぶっちゃっけたな」
「私も昔はSランクの冒険者だったけど、あなたから脅威を感じないわ」
「そうか。まあその依頼を受けることにするよ」
「ありがとね。詳細は受付嬢に説明させるようにするわ。不正もない純粋な大会で警備も万端だから安心して本気で挑んでちょうだい」
「本気だせる相手がいたらな。メフィスとラファは今回不参加にさせるが、俺に勝てば『最強』の名は勝った奴にあげることにするよ。2人ともそろそろいこうか」
俺は席を立ちギルド長を後にする。
後から席を立った2人がギルド長に声をかけていた。
「「ステラ様」」
「ん、どうしたんだい?」
「「ユリト様を出場させた事を後悔しませんように」」
メイドが扉を閉めたことによってステラは自分の額から汗が流れることに気付く。
「楽しい大会になりそうだね~」
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(4件)
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主人公の名前がコロコロ変わりすぎ。
ユリト、ヨリト、ユキト、、、
誤字だよね?書いてから見直ししないの?
すみません。
都度都度修正しておりましたが見直し足りていませんでした。
ご指摘ありがとうございます。
はじめまして。
テンポが早くていいですね。
応援してます!
ありがとうございます。
これからも更新していきますので宜しくお願いします!
メイドが居たらソロでは無いと思われ。。。
感想ありがとうございます。
今完全に人扱いですもんね。
これから天使・悪魔要素だして、明確に違いだしていきたいと考えてます!