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本編
15 隠れドSな王様からの、理不尽な提案1
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「それにしても思ったよりうまく混ざったね。」
自分の言葉を聞いてわたしが不審な顔をしたことに気づいたのか、陛下は今度は作り笑顔ではなく、ちゃんと笑った(たぶん)。
なんでちゃんと『笑った』と思ったかというと、纏う空気がふわりとやわらかくなったから。
笑うと、金色の髪がゆれて、きらきら光る。何かを内緒で目論んでいるような、まるでいたずらっ子みたいな表情だった。さっきまでの作り物めいた笑顔よりもずっといい。
余裕があるように見えるのは、自分のほうが圧倒的に優位な立場だからだろう。
先ほど感じた違和感の正体をつかもうと彼の表情を探るが、憎たらしいくらい整った顔立ちは、まったく動揺の色を見せない。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
一瞬か、または数分か、お互い何も言わずに見つめあった。ソファーに隣同士で座っているので、からだを捻るような姿勢のまま。無理がある。
均衡を破ったのは陛下のほうだった。わたしの頬を挟んでいた手を離したと思ったら、そのまま、ぐいと腰を引き寄せた。
身体のバランスがくずれて倒れ込みそうになるのを待ち受けたように抱きとめる。
そのまま左腕がわたしの膝下に差し込まれて、いつのまにかお姫様抱っこ状態になってしまった。しかも陛下がわたしを抱いたまま立ち上がったので、思わず不安定さを回避しようと相手の首に両腕をまわした。
(ええええ??まさかのお姫様抱っこ!)
こんな華奢なからだのどこにそんな力があるんだと思うほど、陛下は余裕でわたしを抱き上げて歩く。落とされはしないだろうけど、かなり怖い。突然のことに驚いてあたふたするわたしをよそに、陛下はすたすたと続き部屋になっている寝室に入る。中は薄暗く、枕元に置かれたランプだけが心もとない光を発していた。
そのまま、どさりとわたしをベッドに押し倒した。
「あの・・・?」
アナスタシアの一方通行と聞いていたので、陛下がなにかするとは思っていなかった。だから急にベッドに押し倒されてもなお、状況に頭が追い付いてこず、戸惑うばかりだ。
熱を持たない薄青い眼がこちらを見つめ、口の端だけを上げて笑う。そして、甘い、毒を含んだ声で、ささやくように言った。
「あのね、、、私に抱かれてみない?」
「・・・・・・はい?」
たっぷり10秒は固まったと思うけど、仕方がないと思う!
「・・・ええと、なにゆえその発言に至ったのか、お伺いしても?」
思わず疑問形で返してしまい、しまったと思う。陛下は色気が垂れ流し放題で、うっかり『はい』と返事をしてしまいそうだ。これはいわゆる色仕掛け、、あれ、たしかアナスタシアは陛下と結婚したいと思っているんだよね。・・・ということは、これは逆据え膳というやつか??
頭の整理がつかないまま、間抜けなかおで陛下の顔をまじまじと見つめた。この人も、かなりの美形。ザ・王子様、という風貌で、しかも権力者で。女性には困らないんだろうなーとぼんやり思った。
「アレクでいいよ」
いや、その答えは求めていたものと違うから!と心の中で突っ込んでみるけど、陛下、もといアレクは笑みを崩さないまま、わたしをまっすぐに見つめて言った。
「君の純潔が、欲しいんだ。」
突然の爆弾発言に一瞬頭が真っ白になった。
「いやいやいや、ちょっと待ってください。突然なにっ・・・」
最後まで言い終わる前に、手で口を塞がれた。むがむがと声にならない音を発するだけで、言葉をつづけることができなくなる。この人わたしの意見なんて聞く気がないっぽい。
陛下は器用にもう片方の手でわたしの両手首を束ねて押さえつけ、両足で下半身を挟むように固定した。のしかかる重さが現実だと思い知らされる。
「ちゃんと話すから静かにしてね。」と言われて納得がいかないながらも無言で頷いた。
陛下は満足そうに頷くと、口をふさいでいた右手を外してくれた。外した手がそのまま胸元に伸び、私の胸を無造作に揉む。突然の刺激に思わず「ひゃっ」と声を上げると、陛下は満足げに笑った。
一方で、手首を掴んでいた左手は、スカートの中で下着の中に強引にねじ込まれた。強制的に快感を引き出そうとする愛撫が始まり頭の中が、ちかちかする。指が割れ目の中に入ろうと何度も擦られ思わず涙ぐむ。
(いやっ、キモチイイけど、こんなのは絶対やだっ)
陛下は、「はは、こんなに強引にするのは初めてだけど、嫌がる女性に無理強いするのってあこがれてたんだよねー。」などとあんまりな鬼畜発言をかました。自由になった腕で相手の動きを阻止しようとしたけれど、器用に阻まれた。
「邪魔だから縛ってもいいかなあ?」なんて言いながら、きれいな顔を近づけてくる。涙目になりながらにらみつけると、何がおもしろいのかよけい楽しそうな顔をして、今度はわたしの上にしっかり乗りあげて噛みつくようなキスをした。
「ふっ・・・。」
強引にねじ込まれた舌が咥内を蹂躙する。何かへんな薬を盛ったのかと疑うくらいの快感が襲う。くちゅくちゅ、という唾液が絡まる音と、下半身を弄られるぐちゅぐちゅという卑猥な音が混じり、恥ずかしさと気持ちよさでめまいがした。
自分の言葉を聞いてわたしが不審な顔をしたことに気づいたのか、陛下は今度は作り笑顔ではなく、ちゃんと笑った(たぶん)。
なんでちゃんと『笑った』と思ったかというと、纏う空気がふわりとやわらかくなったから。
笑うと、金色の髪がゆれて、きらきら光る。何かを内緒で目論んでいるような、まるでいたずらっ子みたいな表情だった。さっきまでの作り物めいた笑顔よりもずっといい。
余裕があるように見えるのは、自分のほうが圧倒的に優位な立場だからだろう。
先ほど感じた違和感の正体をつかもうと彼の表情を探るが、憎たらしいくらい整った顔立ちは、まったく動揺の色を見せない。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
一瞬か、または数分か、お互い何も言わずに見つめあった。ソファーに隣同士で座っているので、からだを捻るような姿勢のまま。無理がある。
均衡を破ったのは陛下のほうだった。わたしの頬を挟んでいた手を離したと思ったら、そのまま、ぐいと腰を引き寄せた。
身体のバランスがくずれて倒れ込みそうになるのを待ち受けたように抱きとめる。
そのまま左腕がわたしの膝下に差し込まれて、いつのまにかお姫様抱っこ状態になってしまった。しかも陛下がわたしを抱いたまま立ち上がったので、思わず不安定さを回避しようと相手の首に両腕をまわした。
(ええええ??まさかのお姫様抱っこ!)
こんな華奢なからだのどこにそんな力があるんだと思うほど、陛下は余裕でわたしを抱き上げて歩く。落とされはしないだろうけど、かなり怖い。突然のことに驚いてあたふたするわたしをよそに、陛下はすたすたと続き部屋になっている寝室に入る。中は薄暗く、枕元に置かれたランプだけが心もとない光を発していた。
そのまま、どさりとわたしをベッドに押し倒した。
「あの・・・?」
アナスタシアの一方通行と聞いていたので、陛下がなにかするとは思っていなかった。だから急にベッドに押し倒されてもなお、状況に頭が追い付いてこず、戸惑うばかりだ。
熱を持たない薄青い眼がこちらを見つめ、口の端だけを上げて笑う。そして、甘い、毒を含んだ声で、ささやくように言った。
「あのね、、、私に抱かれてみない?」
「・・・・・・はい?」
たっぷり10秒は固まったと思うけど、仕方がないと思う!
「・・・ええと、なにゆえその発言に至ったのか、お伺いしても?」
思わず疑問形で返してしまい、しまったと思う。陛下は色気が垂れ流し放題で、うっかり『はい』と返事をしてしまいそうだ。これはいわゆる色仕掛け、、あれ、たしかアナスタシアは陛下と結婚したいと思っているんだよね。・・・ということは、これは逆据え膳というやつか??
頭の整理がつかないまま、間抜けなかおで陛下の顔をまじまじと見つめた。この人も、かなりの美形。ザ・王子様、という風貌で、しかも権力者で。女性には困らないんだろうなーとぼんやり思った。
「アレクでいいよ」
いや、その答えは求めていたものと違うから!と心の中で突っ込んでみるけど、陛下、もといアレクは笑みを崩さないまま、わたしをまっすぐに見つめて言った。
「君の純潔が、欲しいんだ。」
突然の爆弾発言に一瞬頭が真っ白になった。
「いやいやいや、ちょっと待ってください。突然なにっ・・・」
最後まで言い終わる前に、手で口を塞がれた。むがむがと声にならない音を発するだけで、言葉をつづけることができなくなる。この人わたしの意見なんて聞く気がないっぽい。
陛下は器用にもう片方の手でわたしの両手首を束ねて押さえつけ、両足で下半身を挟むように固定した。のしかかる重さが現実だと思い知らされる。
「ちゃんと話すから静かにしてね。」と言われて納得がいかないながらも無言で頷いた。
陛下は満足そうに頷くと、口をふさいでいた右手を外してくれた。外した手がそのまま胸元に伸び、私の胸を無造作に揉む。突然の刺激に思わず「ひゃっ」と声を上げると、陛下は満足げに笑った。
一方で、手首を掴んでいた左手は、スカートの中で下着の中に強引にねじ込まれた。強制的に快感を引き出そうとする愛撫が始まり頭の中が、ちかちかする。指が割れ目の中に入ろうと何度も擦られ思わず涙ぐむ。
(いやっ、キモチイイけど、こんなのは絶対やだっ)
陛下は、「はは、こんなに強引にするのは初めてだけど、嫌がる女性に無理強いするのってあこがれてたんだよねー。」などとあんまりな鬼畜発言をかました。自由になった腕で相手の動きを阻止しようとしたけれど、器用に阻まれた。
「邪魔だから縛ってもいいかなあ?」なんて言いながら、きれいな顔を近づけてくる。涙目になりながらにらみつけると、何がおもしろいのかよけい楽しそうな顔をして、今度はわたしの上にしっかり乗りあげて噛みつくようなキスをした。
「ふっ・・・。」
強引にねじ込まれた舌が咥内を蹂躙する。何かへんな薬を盛ったのかと疑うくらいの快感が襲う。くちゅくちゅ、という唾液が絡まる音と、下半身を弄られるぐちゅぐちゅという卑猥な音が混じり、恥ずかしさと気持ちよさでめまいがした。
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