不埒な魔術師がわたしに執着する件について~後ろ向きなわたしが異世界でみんなから溺愛されるお話

めるの

文字の大きさ
18 / 133
本編

18 求められているのは魔力だけだと落胆した次第です

しおりを挟む
(なんか、へん。からだ、あつい)

からだの異変に気づいたのは、しばらくしてからだった。

ついさっき部屋に戻ってきて、2人でホットチョコレートを飲んだ。それだけ。
なのに、いまは喉が焼け付くように苦しい。徐々にからだ全体が熱を帯びてくる。

「はぁ・・・」と吐息をもらした。どうしよう、この疼きはなにか、わたしは知っている。どうすればいいのかも。

冷静に考えることもできず、ただ熱を散らしたい、気持ちよくなりたい、という欲ばかりが頭に浮かぶ。しかも、目の前にはおあつらえ向きに相手もいるのだ。

これ以上ホットチョコレートは飲めなかった。今は別のモノがほしい。カップを置いて立ち上がり、ふらふらと向かいの席に近づいた。笑みをたたえたルーが立ち上がり、手を伸ばす。

火照ったからだを持て余しつつ、身をゆだねるよう近寄る。すぐに彼の腕の中に捕らわれた。ルーはわたしの髪留めを外してテーブルに置いた。濃紺の髪がはらりと落ちるのを指先でもてあそぶ。抱きしめたまま、ちゅ、とキスをしてから「甘いね」とつぶやく。ぺろりと舌を舐めた。

脳のどこかが麻痺してしまったのかもと思いつつ、甘やかしてもらいたくてルーのからだに腕を回す。男性にしては華奢なからだに頬ずりした。少し背伸びして、キスしたいと意思表示する。

わたしからキスをねだったことに気をよくしたのか、ルーは顔をほころばせた。

「ね、舌だして。」

言われるがままに舌を出すと、やさしく吸い付かれた。思わず「ふぁあん」という息が抜けたような声が漏れる。

「かわいい、シア。もっと。」

ちゅぱ、と舌を吸われ、口の中を思う存分味わわれ、唇を甘噛みされた。

お互い目を閉じたまま、まるでチョコレートの余韻を味わうように2人で舌を絡めあう。くちゅくちゅという音が耳元で響く。ただひたすら、目の前の相手を求める、淫らな行為に没頭する。

(ああ、きもちよくて何も考えられない)

期待に潤んだ瞳でルーを見つめると、「ベッドに行こうか」と促された。ベッドに腰かけると、そのままやさしく体重をかけられて押し倒される。あれ、さっきと似たシチュエーションだなと頭の片隅で思ったけれど、快楽に蕩け切った頭はさっきまでの不安や嫌悪なんて忘れ去ってしまっていた。

「こわくないから。」

靴を脱いで跨がるように乗り上げたルーは、わたしの手を取って、指先から指の付け根までを1本ずつ丁寧にしゃぶりはじめた。ちゅぱ、ちゅぱ、とわざと音を立てられる。指をいじられているだけなのに、なぜか気持ちよくてぞくりとする。おなかの下が、もっとほしいと甘く疼く。

「おねがい・・・もっと、さわって?」

自分の欲望を素直に伝えると、紅玉の瞳がゆらゆらと揺れた。その奥には、まぎれもない欲。

「すき、シア。もっとつながりたい。」

ワンピースのボタンは丁寧に外され、下着はとらずにずらされた。あらわになった胸の先端を舐められる。舌で、れろれろと舐め転がされると、今まで感じたことがないくらいの快感と共に、下半身からじわりと愛液がにじみ出た。

、効いてきたみたいだね。試してみてよかった。」

笑いながらそう言われて、ようやく体の熱がさっきのオイルのせいだと気づいた。入れた張本人は悪びれた様子もなく、「いやなこと忘れるくらいイカせてあげるからね」と天使のような笑顔で、悪魔のようなことを言う。

頭の片隅で抗議したいと思ったけれど、胸の刺激でそれどころではない。もうどこを触られても気持ちがいい。唇も、指も、首筋も。全身が性感帯みたいだ。

胸丸出しでワンピースも脱ぎ掛けという、いかにもこれから弄られますという姿が羞恥心を煽る。恥ずかしい恰好をしていると思うと、からだが火照った。

ルーの舌が首筋を這う。ゆっくりと舐め上げられるたびに声にならない喘ぎ声が漏れる。こわくはない。でも気持ちよすぎてこわい。自分本位で、これ以上をねだってしまいそう。

丹念な愛撫にからだが蕩けそうになる。じっくりと、何回も。あちこちを舐めまわされているのに、胸より下は、なぜか触ってはくれない。がまんできなくなって自分で触ろうとしたら、腕を掴まれ「まだ駄目」とさえぎられた。

「うひゃあんっ。」

生暖かい舌先が、執拗に胸ばかりをなぞる。ときおり先端を噛まれ、甘い悲鳴を上げる。

「ねえ、シアの魔力、ふわふわして、あまい。もっとちょうだい。」

ちゅうちゅうと舌を吸われ、力が抜ける。代わりに別の『何か』が、わたしの中に押し入ろうとした。反射的に拒もうとすると、なだめるように唇を甘噛みされる。

「カラダ、ひらいて。僕の魔力を、受け入れて。」

言われるがままからだの力を抜くと、血が巡るように、ルーの魔力がすみずみまで流れてくる。異物に体内を犯されているという違和感と、それを上回る快感。それだけで軽くイッてしまった。

ぐったりしたわたしを楽しそうに眺め、手はわたしのからだを弄ったまま、「ああ、おいしそうに僕を呑み込んでる。」と、うっとりとした声でルーが言った。ちょっと、それ、なんか誤解を招く表現だってば!

・・・いちど達したせいか、少し頭が冷静になる。

あいかわらずルーは猫みたいにからだじゅうを舐めまわしている。時折ちゅう、と痕をつけるように強く吸う。あやしい薬を飲んだわたしよりも、よっぽど熱に浮かされているように見えた。

そういえば、陛下はわたしの魔力がお酒とか、媚薬とかっぽいと言っていなかったか。彼の様子と、さっきまでの欲にまみれた自分とを重ね合わせた。

「ああ、たまんない。すき、大好き」とつぶやきながら、ルーは無心に舌を吸い、唾液と魔力を流し込む。

(勘違いしちゃいけない。この人がほしがるのは、わたしの魔力だけなんだ)

わかっているけど、心が痛む。

出会って数日あまり。こんな美形に無条件で好かれると思うほどおめでたくはない。でも甘い言葉に、やさしい愛撫に、わたしのことを好きなのかと勘違いしそうになる。

なんて残酷。こんなに求められているのに、それは自分じゃないなんて。
これが都合がいい夢だったら。無条件で愛される物語のヒロインならよかったのに。

醒めてしまった気持ちとはうらはらに、蕩けきったからだは、ルーから快楽をほしがっている。自分でもどうしたらいいか混乱して、知らず知らず、涙が出た。



わたしが泣いているのに気づいたルーが息をのんだ。からだを這う手が止まる。

「え・・・シア?どうしたの?こわかった?」

(もういいや、今はなにも考えたくない)

泣きながら、笑った。呆然とするルーの首に腕を回して引き寄せる。わたしからキスをする。彼の下半身に自分のからだをぐりぐりと押し付けながら、いやらしく舌を絡めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...