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本編
104 見られて、濡れる
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「どんなふうに抱くのか、やってみて。」
そんな無邪気で残酷な命令を受けたセイとわたしは、どうしていいかわからずその場で固まった。
「ですが・・・陛下、さすがにそれは──」
「早くして。」
戸惑いの言葉は、ぴしゃりと遮られる。気まずい沈黙がしばし流れ、そして、
ごくり、とセイの喉が鳴った。
(あ、する気だ)
あの表情は迷いを振り払ったときの顔。するか、しないか、ではなく、どうやってするかを思案しているに違いない。
つまりこれから自分がされるであろう行為が想像できてしまうわけで・・・。
わたしは思わず入口に目を向けた。
だって、おそらくここは、便宜上案内された迎賓館内にある休憩用の部屋。いつ誰がドアを開けるかだってわからない。
「ああ、鍵はかかっているので安心してください。」
何を気にしたのか察したセイが、苦笑気味に答えた。
ただでさせえリスクが高い場所で、前戯とはいえ性行為の一部を人に見せるなんて通常のセイであれば決して首肯しない。おそらく何かしらの行動をしないと終わらないと判断したんだろうと思う。
「・・・できるだけ肌は見せないようにしますし、最後までは決してしませんから。」
詫びるように耳元で告げてから、セイはベッドに膝立ちになった。そのままダンスでもに誘うように優雅に私の左手を取り、軽く口づける。
ぴちゃり。
わたしの指に舌を這わせながら、じっとわたしのことを見つめる。そのまま1本1本順番に指を舐めしゃぶり始めた。ざらりとした舌が指を這うたびに、ぞくぞくとする何かが込み上げてくる。
セイから受けていた行為のはじまりは、いつも同じ。
アナスタシアが魔力を使う代償に、さんざんセイから受けた愛撫を、からだはしっかりと憶えている。だから、同じことをされると条件反射で次の行為を想像して・・・どうしようもなく濡れてしまう。
「指だけで、こんなに蕩けた顔になっちゃうんだ。すごいね。」
アレクの感嘆に対してセイは返事をせず、無心で行為を続けた。
くるりと向きを変えられ、セイに後ろから抱きしめられるような体勢になる。アレクが見えやすいようにしたのかもしれない。
服の上から、やさしく胸を愛撫される。ゆっくり、ゆっくり。ときどき、かりりと爪を立てられる。乳首が擦れて気持ちよくなるのはすぐだった。
「ふうん、服の上からそう弄るのか。」
(お願いだから、実況しないでってば!)
内心悲鳴が出る。いちいち口に出されると余計に恥ずかしい。ルーに裸で立たされたときと同じくらい、いやそれ以上に恥ずかしい。
それほど経験豊富なわけではないわたしにとって、今の状況はイレギュラーすぎてどう反応すればいいのか全くわからない。しかもそれを他人が観察しているのかと思うと、快楽と羞恥がないまぜになり混乱の極みだ。
「やっぱり他人がしているのを見ると勉強になるねえ。」
アレクはそう言ってベッドに乗り上げると、突然わたしの口に指を2本突っ込んだ。それほど大きさのないベッドに3人目が乗ったことで、ぎしりと鈍い音がする。
「んっ・・・!!」
急な事態に驚くばかりのわたしに対して、アレクは美しく整えられた指を使って咥内を撫でまわす。唾液がこらえきれなくなり、だらしなく口の端から垂れた。それを恥ずかしいと思う間もなく指が引き抜かれ、アレクからキスされる。
傍から見たら、セイがわたしを後ろから抱きかかえて胸を愛撫し、向かいからアレクがキスをしているというものすごい構図になっていただろう。
アレクはわたしの反応を探るように、注意深く舌を動かす。時には甘やかすように、時には容赦なく。咥内を犯し尽くすかのように、あらゆる場所を舌でなぞった。しかも意識して自分の魔力を流しているらしく、痺れるような甘い快感が襲う。
「んあ、っやあ・・・んんっ。」
泣きそう。きもちいい。泣きそう。もともとキスは好きなのに、こんなにじっくり味わうようにキスされると、恥ずかしいくらいに感じてしまう。そのうえやさしく弄られる胸の刺激と魔力とが重なってイッてしまいそうになる。
もう限界だと思う直前で、突然魔力が途切れ、キスが終わった。
(あ・・・・足りない、もっとほしい)
飲み込んでいた魔力が急になくなり、何とも言えない喪失感が襲う。セイの愛撫は続いているものの、決定的な刺激は与えられないままなので気持ちよくも、もどかしい。
続きを乞うようにアレクの右手を掴むと、晴れた空みたいな瞳がわたしを映した。
「へーえ、自分の魔力はいっぱいなのに、他人の魔力は別腹なんだ。貪欲だねえ。」
のんびりと、でも心底感心したような言葉がアレクの口から漏れ出た。ああ、さっきアリサ様の言葉を伝えたから、と思っていたら、アレクがスカートを捲り上げた。そして、まるで実験するかのようにわたしの秘部を無造作に撫でた。
「ああっっ・・・!」
セイにひたすら胸を愛撫されている途中で秘部を撫でられたら、もうひとたまりもなかった。ふたりの前で達してしまい、そのままくてりとアレクに身を委ねる。ここでようやくセイの手が止まった。
「陛下、これで満足いただけましたか?」
冷たい声でセイが問う。
向けられた冷気をスルーしながら、アレクは普段見せないような無邪気な笑顔を見せた。
「魔力容量オーバーの状態でも、私の魔力を受け入れられるのか試してみたかったんだよね。前回の経験だと快感と魔力吸収は相関関係がありそうだし・・・期待した結果で非常に満足している。」
わたしの頭をよしよしと撫でつつ、「君が他の男の手で気持ちよくなる姿も見られたしね」とアレクは小さな声で付け足した。
そして、わたしの左手薬指にキスを落として「あーあ」とこぼした。
「本当は数年で手放してあげたかったんだけど、君のことがやっぱりほしくなっちゃったんだ。どうしたらいいだろうね。」
アレクの発言にセイがわたしを抱きしめる腕に力を込めた。わたしは温かな束縛を受け入れながら、回らない頭で必死に答えた。
「ええと、、、セイとルーが受け入れて、それでアレクがほしいなら、あげるよ。満足させてくれるんでしょ?」
「──だって。セイ、君はどうしたい?」
「恐れながら・・・臣下として申し上げるのであれば、彼女の特異な能力を考慮すると、陛下の妃として生活するのが最善かと思われます。・・・一個人として言わせていただくと、私も彼女と一緒にいる未来が欲しい。」
迷いなくきっぱりと言い切ってから、セイはまっすぐにアレクの目を見た。
それを聞いたアレクは──、心底満足そうに笑みを浮かべた。たぶん、本心の。
そんな無邪気で残酷な命令を受けたセイとわたしは、どうしていいかわからずその場で固まった。
「ですが・・・陛下、さすがにそれは──」
「早くして。」
戸惑いの言葉は、ぴしゃりと遮られる。気まずい沈黙がしばし流れ、そして、
ごくり、とセイの喉が鳴った。
(あ、する気だ)
あの表情は迷いを振り払ったときの顔。するか、しないか、ではなく、どうやってするかを思案しているに違いない。
つまりこれから自分がされるであろう行為が想像できてしまうわけで・・・。
わたしは思わず入口に目を向けた。
だって、おそらくここは、便宜上案内された迎賓館内にある休憩用の部屋。いつ誰がドアを開けるかだってわからない。
「ああ、鍵はかかっているので安心してください。」
何を気にしたのか察したセイが、苦笑気味に答えた。
ただでさせえリスクが高い場所で、前戯とはいえ性行為の一部を人に見せるなんて通常のセイであれば決して首肯しない。おそらく何かしらの行動をしないと終わらないと判断したんだろうと思う。
「・・・できるだけ肌は見せないようにしますし、最後までは決してしませんから。」
詫びるように耳元で告げてから、セイはベッドに膝立ちになった。そのままダンスでもに誘うように優雅に私の左手を取り、軽く口づける。
ぴちゃり。
わたしの指に舌を這わせながら、じっとわたしのことを見つめる。そのまま1本1本順番に指を舐めしゃぶり始めた。ざらりとした舌が指を這うたびに、ぞくぞくとする何かが込み上げてくる。
セイから受けていた行為のはじまりは、いつも同じ。
アナスタシアが魔力を使う代償に、さんざんセイから受けた愛撫を、からだはしっかりと憶えている。だから、同じことをされると条件反射で次の行為を想像して・・・どうしようもなく濡れてしまう。
「指だけで、こんなに蕩けた顔になっちゃうんだ。すごいね。」
アレクの感嘆に対してセイは返事をせず、無心で行為を続けた。
くるりと向きを変えられ、セイに後ろから抱きしめられるような体勢になる。アレクが見えやすいようにしたのかもしれない。
服の上から、やさしく胸を愛撫される。ゆっくり、ゆっくり。ときどき、かりりと爪を立てられる。乳首が擦れて気持ちよくなるのはすぐだった。
「ふうん、服の上からそう弄るのか。」
(お願いだから、実況しないでってば!)
内心悲鳴が出る。いちいち口に出されると余計に恥ずかしい。ルーに裸で立たされたときと同じくらい、いやそれ以上に恥ずかしい。
それほど経験豊富なわけではないわたしにとって、今の状況はイレギュラーすぎてどう反応すればいいのか全くわからない。しかもそれを他人が観察しているのかと思うと、快楽と羞恥がないまぜになり混乱の極みだ。
「やっぱり他人がしているのを見ると勉強になるねえ。」
アレクはそう言ってベッドに乗り上げると、突然わたしの口に指を2本突っ込んだ。それほど大きさのないベッドに3人目が乗ったことで、ぎしりと鈍い音がする。
「んっ・・・!!」
急な事態に驚くばかりのわたしに対して、アレクは美しく整えられた指を使って咥内を撫でまわす。唾液がこらえきれなくなり、だらしなく口の端から垂れた。それを恥ずかしいと思う間もなく指が引き抜かれ、アレクからキスされる。
傍から見たら、セイがわたしを後ろから抱きかかえて胸を愛撫し、向かいからアレクがキスをしているというものすごい構図になっていただろう。
アレクはわたしの反応を探るように、注意深く舌を動かす。時には甘やかすように、時には容赦なく。咥内を犯し尽くすかのように、あらゆる場所を舌でなぞった。しかも意識して自分の魔力を流しているらしく、痺れるような甘い快感が襲う。
「んあ、っやあ・・・んんっ。」
泣きそう。きもちいい。泣きそう。もともとキスは好きなのに、こんなにじっくり味わうようにキスされると、恥ずかしいくらいに感じてしまう。そのうえやさしく弄られる胸の刺激と魔力とが重なってイッてしまいそうになる。
もう限界だと思う直前で、突然魔力が途切れ、キスが終わった。
(あ・・・・足りない、もっとほしい)
飲み込んでいた魔力が急になくなり、何とも言えない喪失感が襲う。セイの愛撫は続いているものの、決定的な刺激は与えられないままなので気持ちよくも、もどかしい。
続きを乞うようにアレクの右手を掴むと、晴れた空みたいな瞳がわたしを映した。
「へーえ、自分の魔力はいっぱいなのに、他人の魔力は別腹なんだ。貪欲だねえ。」
のんびりと、でも心底感心したような言葉がアレクの口から漏れ出た。ああ、さっきアリサ様の言葉を伝えたから、と思っていたら、アレクがスカートを捲り上げた。そして、まるで実験するかのようにわたしの秘部を無造作に撫でた。
「ああっっ・・・!」
セイにひたすら胸を愛撫されている途中で秘部を撫でられたら、もうひとたまりもなかった。ふたりの前で達してしまい、そのままくてりとアレクに身を委ねる。ここでようやくセイの手が止まった。
「陛下、これで満足いただけましたか?」
冷たい声でセイが問う。
向けられた冷気をスルーしながら、アレクは普段見せないような無邪気な笑顔を見せた。
「魔力容量オーバーの状態でも、私の魔力を受け入れられるのか試してみたかったんだよね。前回の経験だと快感と魔力吸収は相関関係がありそうだし・・・期待した結果で非常に満足している。」
わたしの頭をよしよしと撫でつつ、「君が他の男の手で気持ちよくなる姿も見られたしね」とアレクは小さな声で付け足した。
そして、わたしの左手薬指にキスを落として「あーあ」とこぼした。
「本当は数年で手放してあげたかったんだけど、君のことがやっぱりほしくなっちゃったんだ。どうしたらいいだろうね。」
アレクの発言にセイがわたしを抱きしめる腕に力を込めた。わたしは温かな束縛を受け入れながら、回らない頭で必死に答えた。
「ええと、、、セイとルーが受け入れて、それでアレクがほしいなら、あげるよ。満足させてくれるんでしょ?」
「──だって。セイ、君はどうしたい?」
「恐れながら・・・臣下として申し上げるのであれば、彼女の特異な能力を考慮すると、陛下の妃として生活するのが最善かと思われます。・・・一個人として言わせていただくと、私も彼女と一緒にいる未来が欲しい。」
迷いなくきっぱりと言い切ってから、セイはまっすぐにアレクの目を見た。
それを聞いたアレクは──、心底満足そうに笑みを浮かべた。たぶん、本心の。
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