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暴漢編

4話

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「俺の名前はジェームズ・シュバンナ、誇り高き名家の出身だ、俺は名家である以上は誰よりも強く賢く綺麗でないといけない、そして、理想の貴族として努力を惜しまないつもりだ、だが私が努力してる姿を誰にも見られる訳にはいかない、他人の前では常にクールにそしてギャップとしてチャラい設定だ、今日も剣術の素振りを100回、腕立て伏せ100回、スクワット100回、腹筋100回をやった、とてもいい汗をかいた」
「ジェームズ様 なんてお美しい、普段はクールでチャラい所もあるけれど、裏ではちゃんと努力している姿にときめきましたわ」
後ろで女が覗いている、そう彼女がアーノルドの想い人だった
「アイツだよ、アイツが俺の彼女だよ、んで、生理的嫌悪感溢れる金髪のチャラ男が俺の彼女を奪ったんだ、俺より弱いくせに調子乗んなや」
彼女とジェームズを覗きながら紹介して愚痴る3人
「でも、強さ的のは君が勝っているんでしょ?だったら因縁つけにいけばよくね?」
「金持ち貴族って裏で悪い事して儲けているイメージだから汚くて触れない、下品で気持ち悪いじゃん」
「偏見乙」
「どうして、女って汚いお金が好きなんだろう、俺の筋肉の方が綺麗で美しいのに、女はやっぱ男のマッチョイズムに惚れるべきや」
「うん そうだね」
ジェームズが新しい服装に着替え終わると、優雅に紅茶を嗜みながら本を読んでいる、後ろから、誰かがジェームズに声をかける
「ジェームズさん、僕と剣術の組み手をお願いします!」
「分かった」
ジェームズが承諾する、彼は新人で見習い騎士のようだ、そしてジェームズに教えを請いにきたのだ、ジェームズが優雅に剣を構える、見習い騎士も構える、両者が礼をして、同時に駆け込んだ、ジェームズが悉く太刀筋を退ける、見習い騎士が力任せに剣を振るう、それを見切られたのだ、ジェームズが止める、
「新人君、こんな力任せで剣を振るっていけない、達人レベルの相手のはそれが通用しない、それに美しくない、騎士ならもっと気品溢れる剣術を繰り出すべきだ」
「しかし、僕は早く強くなりたい!あの有名な勇者のように!」
「新人君、君は騎士だ、焦りは大敵だ、常に余裕を持って冷静にな、確かに本物の戦場で騎士の誇りや思想なんか関係ないかもしれない、勝つか負けるかだ、だが、『大事なのは己のモットーを冷静に貫く心の強さ』だ」
「はい!ご教授ありがとうございました」
「またおいで」

「何が!「大事なのは己のモットーを冷静に貫く心の強さ」だ!汚い金持ち貴族が良い事言ってんじゃねーよ!負けたら意味ねーから!、俺はなぁ、金持ち貴族って言う名家の肩書きで女を取られた事と俺の絶対に正しい、イヤ、男なら誰しも正しいと思うマッチョイズムを否定された事がムカつくんだよ!男は顔と金じゃない!筋肉と知恵だ!」
アーノルドが男とは何かを熱弁する
「男は顔と金じゃないのは同意するよ(別にあの男嫌いじゃないし、僕が嫌いなのは、DQNと嘘つきと犯罪だし)」
レオナルドが適当に同意した
(てゆうか、コイツの言ってる事全て嫉妬やん、憎悪と嫉妬にまみれた本物のルサンチマン初めて見た気がする)
アレクサンドが心でそう思う
「レオナルド!アレクサンド!コイツの名家を汚し、コイツの華族とジェームズの裸体を街中に公開処刑して、資産を没収する事に協力して成功したらなんでも言う事を聞くよ」
アーノルドが嫉妬心と憎悪を剥き出しながら提案をしてくる
「何でも言うことを聞くって台詞、男に二言は無いか?」
「二言は無い!」
(ジェームズ君、君には恨みはないだけど、君は僕の仲間にならないかもしれないし、寧ろ思想の部分で敵対するだろう、アーノルドを奴隷に出来るんだ、犠牲になってくれ)

「上級貴族の自尊心を踏み躙る!俺から女を奪った!俺を嫉妬させた罪は恥辱に値する、さあ貴族の裸体を民衆に晒してやる!」
 
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