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黒幕編

10話

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エルミンは川に雷の槍で魚を作る、そして子供達は教えてもらった魔法で料理をしたり家事や洗濯などして生活を豊かにしている
「うん、これが本来の魔法の役割だと思う」
エルミンはそう呟き安堵する、するととある魔術師がこの田舎に来訪者がやってきた
「おーい!エルミン!」
「どうした?」
「あんたに会いたがってる人がいる」
「俺に(まあそうだろうな、多分有名な魔術師だと思う)
エルミンの実家の応接間に行くと、予想してた通りに魔術師のような衣装と装飾を纏った男性が座っていた
「君がエルミン・ミルティースだね」
「そうだ、いずれこう言う者がここに来ると思っていた」
「君は私の学校では噂になっている」
「学校?教師なんですか?」
「そうだ」
男は名刺を差し出して自己紹介をした
「勇者育成学校、魔法科 教師バンバロス・アワード」
「是非!君を推薦して内の学校の生徒になって頂きたい」
エルミンは悩み周囲の人達の目を見た、すると幼馴染が言った
「行きなよ、大丈夫、子供達は君の教えてもらった魔法で生活が豊かになっている、彼等に任せなよ」
「分かった、俺は行くよ、新しい環境に行ってみたかったし」
「うん」
幼馴染はエルミンの肩を叩き笑顔で承諾した
「勿論、君が住む寮もある、もっとその才能を磨く事が出来る」
エルミンは準備をしてバンバロス教師と共に着いていった
「ここが今日が君が住む部屋だ、そして転校の手続きは明後日行う、それまで自由にしてくれてもいい」
「分かった」
荷物を自分の寮に置いて財布を持って学校の周りの街を詮索した、数分散歩しているとある男を目にしたそれは洞窟で特殊個体のオーガに襲われたシルベストだった、その仲間もいた
「あれは?」
シルベストは何かイライラしていた、エルミンは察して近づかず観察してみることにした
「マジであの雑魚魔法使いなんなん、大した才能もな癖に図々しく仲良くなろうと俺たちに近づきやがって、頭おかしいやろ」
「シルベスト、めっちゃ悪口言われたな」
「才能ある奴は性格悪いらしいよ」
「全部負け犬の言い訳じゃん」
「確かにな」
「でもどうしても許せんのは俺の両親までも誹謗中傷したことだな」
「流石にあれは晒して吊るしあげた方がよかったんじゃない?」
「いや、そんな事したらしょうもないやん」
「一般魔法使いの連中なんかどうでもいいんだよ、関わってくんな、黙って陰で応援してろよって思うわ」
エルミンは補助魔法で聴覚を強化してシルベストとその仲間の会話を盗み聞きしていた、凄く酷い会話であった事は確かだった、エルミンはシルベスト達の事を選民意識の塊のような人間だと思った、確かに勇者育成学校は多くの才能ある人間が集い勉学を修める教育機関だ、選民思想を持って当たり前だろうと理解しつつ感情的は納得しなかった、才能は自分の自尊心を満たすための能力でないという事は理解していたからだ、エルミンはシルベストと友達になれる事は出来ないと思った、声をかけずにそのまま寮に戻り転校してクラスに入る前に大人しく好きな本や資料を読んで時間を潰した
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