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黒幕編

11話

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そして転校の日がやってきた
「シルベスト、今日が噂の転校生が来る日らしい」
「へー」
「興味ないのか?」
「いや、どうせい二つか三つの属性を操る程度だろ、二つなら承認転校で三つなら推薦転校だな」
「どうやら推薦転校で内に来るらしい、三つぐらいの魔法を扱えるな」
「推薦転校生か(まさかあの洞窟であったエルミンだろうな、いやそれしか考えられない)」
シルベストの予感は見事に当たっていた
「いいライバルになれそうだな」
「ああ」
そしてバンバロス教師が教室の扉を開けて入室する
「静かに、今日は噂の転校生を紹介する、私が直接会って推薦した、推薦した事はシルベストとルーザーと並ぶ魔術師かもしれないね」
ルーザーの目が動く、ルーザーとはシルベストと同じく三つの属性を操ることが出来る魔術師だ、シルベストが光、雷、氷を扱う事に対し、ルーザーは風、水、地の属性を操る、だがルーザーは他人に興味が薄く、一方的にライバル視してくるシルベストが疎ましく思っていた、内心才能ある魔術師が転校して来てくれるだけでシルベストの対象がそっちに向かってくれる事を期待した、ルーザーはいつも一人で本を読み誰か連む事はないので、才能ある者同士連もうとするシルベストはうざかった、かといって選民意識はそこまで高くなく誰かに興味はない、そんなシルベストはルーザーが気に食わなかった事もあり、表面上では仲が良いが本音ではルーザーは興味ないがシルベストは嫌ってる
「では、どうぞ」
緊張しながらエルミンは教師の合図で中に入る、シルベストが思わず席を立つ
「お前は!?」
「ん?君は洞窟の...(あの酷い会話、なるほどここの生徒だったのか)」
ルーザは目に補助魔法をかけてエルミンのステータスを把握する、実はルーザーは三つの属性以外に四つ目の補助魔法扱えるのだ、それはシルベストや教師ですら知らない、いつも無表情でクールのルーザーの顔に驚きの顔が浮かび上がる、軽く自己紹介を終えたエルミンは席に座る、授業が終わり休憩時間がやって来た、その時にシルベストが声をかけて来た
「あの時の洞窟の事はありがとうな」
「ああ、まあな」
適当に雑談していると、休憩時間に登校して来たクラスメイトがやってきた
「おい!今何時やと思ってるんねん!」
「すんません、はぁぁぁ」
あくびをしながら謝る生徒
「面白い人だな」
「あいつはメルティールって言って態度も性格も悪い問題児、なんであんな奴がこの学校の生徒なのか意味がわからない、治癒魔法と補助魔法しか扱えないカス、マジでこの学校から退学してほしい」
ルーザーは補助魔法で聴覚を強化してシルベストの陰口を聞いてメルティールにこっそり教えてやった、メルティールは物凄い顔になって筋肉が隆起する
「おい!シルベスト!今、俺の悪口を言ってたよな!」
「言葉通じねぇのかよ!二度と話かけてくんなって言ったよな?」
お互いブチ切れている
「おい!これ先生読んだ方が...」
「呼ばなくていいやろ」

メルティールは物凄い闘気を上げて今にもシルベストに殴りかかろうとしている
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