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前倒しで、クリスマスの話
お帰り、八鬼!
真十郎君が何をしたか知りませんが、暴力は駄目です。楽しいクリスマスに喧嘩はやめてください。
「八鬼も似合うって言ってくれるかな?」
喧嘩を止めるために慌てて話題を変える。
「ぜ、絶対言うに決まってますよ! ミニスカサンタは男のロマンです。贅沢を言えばニーソが欲しいです」
真十郎君はお腹を押さえながらも親指を立てて答えてくれた。
「ミニスカサンタっていったら生足一択だろうが。まったく、真十郎ちゃんはオコチャマですねえ」
「あ゛ぁん!? やんのかテメー!」
「生足? ニーソ? ありえないわ。夏樹の足には黒タイツってのが世界の常識だコラ」
胸倉を掴みあう二人に薫君まで割って入っていく。
け、喧嘩は、喧嘩は、やめてくだ…………まぁいいか。
僕程度が止めても止まるわけない。
三人とも血の気が多いから、ちょっと怪我をして血を流すぐらいで丁度良いのかもしれない。
ほったらかしたままコタツに入る。
八鬼のカレー……食べ終わっちゃったな。
テーブルの上にあるのは、フルーツ、お菓子、サラダ、ピザ、ポテト。
ケンタッキーのチキンとビスケット。
全部大好きなのに、食べる気になれない。
早く帰ってこないかなぁ。
いつも一緒にいるから離れてたら寂しいんだけど……。
実は、帰ってくるのを待つまでが楽しかったりする。
帰ってきたときに八鬼が笑ってくれるから!
いつも無愛想で表情に乏しい顔のくせに唇を緩ませて嬉しそうに笑ってくれるんだ。
早く帰ってこないかなぁ。
会いたいなぁ……!
『ピヨピヨピヨピヨ』。
僕のスマホがヒヨコの声の着信音を鳴らした。
「八鬼!?」
相手も確認してないのに決め付けて確認する。
やっぱり八鬼だ!
『今着いた』
わぁああ!
帰ってきたああ!
慌てて立ち上がって、スマホ片手に部屋を出る。
八鬼ー!!!!
階段を二段飛ばしで駆け下りる。一階が騒がしいぞ?
あ、そっか。今日、寮に残っている人たちがコミュニケーションルームでパーティーするって言ってたっけ。
とん。と一階に降りる。
コミュニケーションルームには大勢の人間が集まっていた。
冬休みだから、ほとんどの生徒が実家に帰ってるとばかり思ってたんだけど……。
想像していたよりもずっと人数が多い。
ここは男子校だから、集まってるのは男ばっかりだ。
ツリーやクリスマスっぽい飾りつけは一つもない。
それでも、床にお菓子や軽食、ジュースを広げていくつもの輪を作っていた。
おおおおお。
僕達もこっちに参加すればよかったかも!!
人数多いと楽しいよね……!
ん?
集まっていた人たちが僕を見ていた。
一斉に見られて緊張に足が竦む。
そうだ、僕は今サンタクロースの格好をしてたんだ。
クリスマスにサンタの格好をして、目立つなというほうが無理だ。
ここに居る人数は少なく見積もっても五十人ぐらい。
人数は多いけどサンタクロースのコスプレなんてはしゃいだ格好をしている人は一人も居なかった。
し、しし、死ぬほど恥ずかしい……!!!
え? 恥ずかしい? 何が恥ずかしいんだ?
クリスマスにサンタで何が恥ずかしいものか。
サンタは皆に幸せを届けるヒーローなのだ。
恥ずかしがるなんて、サンタクロースに失礼だ。堂々としなければ!!
……自覚はまるで無かったけど、このとき、僕は恐ろしく酔っ払っていた。
普段の僕なら、サンタクロースのコスプレなんてできなかった。
ミニスカートサンタの格好なんて、できるはずもなかった。
お尻のラインが出るぎりぎりのミニスカートで、五十人以上の男がたむろする会場に降り立つなんて、できるはずもなかった。
……お酒って、恐いぞ!!!
「八鬼も似合うって言ってくれるかな?」
喧嘩を止めるために慌てて話題を変える。
「ぜ、絶対言うに決まってますよ! ミニスカサンタは男のロマンです。贅沢を言えばニーソが欲しいです」
真十郎君はお腹を押さえながらも親指を立てて答えてくれた。
「ミニスカサンタっていったら生足一択だろうが。まったく、真十郎ちゃんはオコチャマですねえ」
「あ゛ぁん!? やんのかテメー!」
「生足? ニーソ? ありえないわ。夏樹の足には黒タイツってのが世界の常識だコラ」
胸倉を掴みあう二人に薫君まで割って入っていく。
け、喧嘩は、喧嘩は、やめてくだ…………まぁいいか。
僕程度が止めても止まるわけない。
三人とも血の気が多いから、ちょっと怪我をして血を流すぐらいで丁度良いのかもしれない。
ほったらかしたままコタツに入る。
八鬼のカレー……食べ終わっちゃったな。
テーブルの上にあるのは、フルーツ、お菓子、サラダ、ピザ、ポテト。
ケンタッキーのチキンとビスケット。
全部大好きなのに、食べる気になれない。
早く帰ってこないかなぁ。
いつも一緒にいるから離れてたら寂しいんだけど……。
実は、帰ってくるのを待つまでが楽しかったりする。
帰ってきたときに八鬼が笑ってくれるから!
いつも無愛想で表情に乏しい顔のくせに唇を緩ませて嬉しそうに笑ってくれるんだ。
早く帰ってこないかなぁ。
会いたいなぁ……!
『ピヨピヨピヨピヨ』。
僕のスマホがヒヨコの声の着信音を鳴らした。
「八鬼!?」
相手も確認してないのに決め付けて確認する。
やっぱり八鬼だ!
『今着いた』
わぁああ!
帰ってきたああ!
慌てて立ち上がって、スマホ片手に部屋を出る。
八鬼ー!!!!
階段を二段飛ばしで駆け下りる。一階が騒がしいぞ?
あ、そっか。今日、寮に残っている人たちがコミュニケーションルームでパーティーするって言ってたっけ。
とん。と一階に降りる。
コミュニケーションルームには大勢の人間が集まっていた。
冬休みだから、ほとんどの生徒が実家に帰ってるとばかり思ってたんだけど……。
想像していたよりもずっと人数が多い。
ここは男子校だから、集まってるのは男ばっかりだ。
ツリーやクリスマスっぽい飾りつけは一つもない。
それでも、床にお菓子や軽食、ジュースを広げていくつもの輪を作っていた。
おおおおお。
僕達もこっちに参加すればよかったかも!!
人数多いと楽しいよね……!
ん?
集まっていた人たちが僕を見ていた。
一斉に見られて緊張に足が竦む。
そうだ、僕は今サンタクロースの格好をしてたんだ。
クリスマスにサンタの格好をして、目立つなというほうが無理だ。
ここに居る人数は少なく見積もっても五十人ぐらい。
人数は多いけどサンタクロースのコスプレなんてはしゃいだ格好をしている人は一人も居なかった。
し、しし、死ぬほど恥ずかしい……!!!
え? 恥ずかしい? 何が恥ずかしいんだ?
クリスマスにサンタで何が恥ずかしいものか。
サンタは皆に幸せを届けるヒーローなのだ。
恥ずかしがるなんて、サンタクロースに失礼だ。堂々としなければ!!
……自覚はまるで無かったけど、このとき、僕は恐ろしく酔っ払っていた。
普段の僕なら、サンタクロースのコスプレなんてできなかった。
ミニスカートサンタの格好なんて、できるはずもなかった。
お尻のラインが出るぎりぎりのミニスカートで、五十人以上の男がたむろする会場に降り立つなんて、できるはずもなかった。
……お酒って、恐いぞ!!!
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