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夏休み。八鬼を狙う上流階級の女の人と対決
(ちょっと小話)<八鬼の秘密の引き出し>
(ちょっと小話)
「図書館に行ってくる」
個室から出てきた八鬼が、ベッドに寝そべる僕に簡潔に言った。
「いってらっしゃい」
手を振って見送る。
丁度僕も図書館に行ったばかりで、借りてきたミステリー小説が佳境に入ってたから着いていこうとは思わなかった。
ん?
あれ?
八鬼の部屋のドアが開いてる。
珍しいな。
閉めとかなきゃ。
トンとベッドから飛び降りてドアノブに手を掛ける。
合計8つもあるパソコンのモニターの光が部屋を薄く照らしていた。
ロボットアニメに出てくるコックピットみたいでカッコいいなぁ。
「あ」
思わず声を漏らしてしまった。
基本的に、僕はこの部屋に入ることを禁止されてはいない。
だけど、八鬼に「ここには触るな」と言われていた引き出しがあった。
サイドボードの一番下の引き出し。
それが、ほんの少しだけ開いていたのだ。
み、見たい……!
駄目と言われれば言われるだけ見たくなる心理――カリギュラ効果だったかな?
僕はそんな状態に突き動かされ、キョロキョロと周りを見渡しそっと室内に忍び込んだ。
中には何が入ってるんだろう。
もしかして、拳銃が入っているのかもしれない。もしくは血で真っ赤に染まったナイフとか。
僕がそれを発見してハッと息を呑んだ途端に、背後に笑って立っている八鬼に殺される――というホラー小説みたいなオチが来るのを想像してしまった。
もしくは八鬼の歴代彼女の写真かも……!!! こ、こっちのほうがありえそうだ。
元カノの写真を後生大事に取っておく八鬼白夜……!!!???
それはそれでめちゃくちゃショックだ。
でも、八鬼ってああ見えて意外と優しい所があるから普通にありそう!
八鬼の元カノ、見たいけど見たくないけど見たい……!
ドキドキドキドキ。
そっと引き出しに手をかけてほんの少しだけ手前に引く。
「あ………………」
中に入っていたものは、僕の予想のどれとも違った。
引き出しいっぱいにぎっしりと詰められた本の背表紙だった。
背表紙に書かれた題名は――――
『摂食障害について』『摂食障害』『摂食障害の原因はあなたにある』『摂食障害の正しい知識』――――――
――――――全部、摂食障害についての本ばかりだった。ぎっしり詰まったどの本にも伏せんが挟んである。
「八鬼…………」
……こんなに……僕が食べないことを気にしてたんだ……。
僕がこうなったのはもともと僕が壊れてたからで、八鬼の責任なんて無い。
あったとしても、八鬼が斉藤から助けてくれたことを考えればプラマイ0になる程度のことだ。
なのに……こんなに真剣に考えてくれてるなんて。
そっと引き出しを戻して部屋を出る。
八鬼の秘密を暴いてごめんね。自分が凄く恥ずかしい。
でも、知れてよかった。
ありがとう……。八鬼……。
――――――――
(ちょっと裏話)
『摂食障害の原因はあなたにある』はタイトルでジャケ買いしたものの、中身は『摂食障害の原因はあなた(周囲の人間=八鬼)にある』ではなく『摂食障害の原因はあなた(患者本人=夏樹)にある』だったので「そっちかよ!」と壁に投げつけてしまったものの、やっぱり全部読んで、気になった場所に付箋を挟んだ八鬼白夜。
「図書館に行ってくる」
個室から出てきた八鬼が、ベッドに寝そべる僕に簡潔に言った。
「いってらっしゃい」
手を振って見送る。
丁度僕も図書館に行ったばかりで、借りてきたミステリー小説が佳境に入ってたから着いていこうとは思わなかった。
ん?
あれ?
八鬼の部屋のドアが開いてる。
珍しいな。
閉めとかなきゃ。
トンとベッドから飛び降りてドアノブに手を掛ける。
合計8つもあるパソコンのモニターの光が部屋を薄く照らしていた。
ロボットアニメに出てくるコックピットみたいでカッコいいなぁ。
「あ」
思わず声を漏らしてしまった。
基本的に、僕はこの部屋に入ることを禁止されてはいない。
だけど、八鬼に「ここには触るな」と言われていた引き出しがあった。
サイドボードの一番下の引き出し。
それが、ほんの少しだけ開いていたのだ。
み、見たい……!
駄目と言われれば言われるだけ見たくなる心理――カリギュラ効果だったかな?
僕はそんな状態に突き動かされ、キョロキョロと周りを見渡しそっと室内に忍び込んだ。
中には何が入ってるんだろう。
もしかして、拳銃が入っているのかもしれない。もしくは血で真っ赤に染まったナイフとか。
僕がそれを発見してハッと息を呑んだ途端に、背後に笑って立っている八鬼に殺される――というホラー小説みたいなオチが来るのを想像してしまった。
もしくは八鬼の歴代彼女の写真かも……!!! こ、こっちのほうがありえそうだ。
元カノの写真を後生大事に取っておく八鬼白夜……!!!???
それはそれでめちゃくちゃショックだ。
でも、八鬼ってああ見えて意外と優しい所があるから普通にありそう!
八鬼の元カノ、見たいけど見たくないけど見たい……!
ドキドキドキドキ。
そっと引き出しに手をかけてほんの少しだけ手前に引く。
「あ………………」
中に入っていたものは、僕の予想のどれとも違った。
引き出しいっぱいにぎっしりと詰められた本の背表紙だった。
背表紙に書かれた題名は――――
『摂食障害について』『摂食障害』『摂食障害の原因はあなたにある』『摂食障害の正しい知識』――――――
――――――全部、摂食障害についての本ばかりだった。ぎっしり詰まったどの本にも伏せんが挟んである。
「八鬼…………」
……こんなに……僕が食べないことを気にしてたんだ……。
僕がこうなったのはもともと僕が壊れてたからで、八鬼の責任なんて無い。
あったとしても、八鬼が斉藤から助けてくれたことを考えればプラマイ0になる程度のことだ。
なのに……こんなに真剣に考えてくれてるなんて。
そっと引き出しを戻して部屋を出る。
八鬼の秘密を暴いてごめんね。自分が凄く恥ずかしい。
でも、知れてよかった。
ありがとう……。八鬼……。
――――――――
(ちょっと裏話)
『摂食障害の原因はあなたにある』はタイトルでジャケ買いしたものの、中身は『摂食障害の原因はあなた(周囲の人間=八鬼)にある』ではなく『摂食障害の原因はあなた(患者本人=夏樹)にある』だったので「そっちかよ!」と壁に投げつけてしまったものの、やっぱり全部読んで、気になった場所に付箋を挟んだ八鬼白夜。
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昔読んだ時に凄い好きになった作品で、ふと思い出して読みたくなってサイトを覗いたら消えていて…
それでもどうしても読みたくてうろ覚えのタイトルと内容を検索してみたら…!!諦めなくて良かった…!!
何度読んでも最初の方は夏樹が可哀想で泣けますし、八鬼との関係良くなっていく過程でも泣けます。
もう1度読めて本当に良かった!
何度も読み返してしまう作品でとても良かったです。文化祭や体育祭、修学旅行などの続きも読みたいです。
一気読みしました(( ̄_|Σ(゜Д゜)
最初主人公が不憫( ´Д`)受けキャラ?
可哀想だと( ´△`)
|д゚)ジー。((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル。
と
思ってましたが
白夜と夏樹があとから
両思いなって
イチャコライチャラブして
回りの白夜の仲間?とかも個性的でいいやつだし?白夜と夏樹が幸せになってほしい思いました(oゝД・)b
ところで
あの夏樹のクズ親と
あのクズ女の
手配したハングレみたいな男と変な手紙持ってきた担任とかグルなのかな?
あいつらには因果応報のザマァはないのかな?特にあの女( ・ε・)Σ(Д゚;/)/
と、勝手に期待しちゃいます( ̄ー+ ̄)Σ(Д゚;/)/