47 / 53
六日目
第46話 「伯爵との再会」
しおりを挟む
昼食を食べ終えると、予定通りガーネットたちは神父、司教と共にサンダロス伯爵の屋敷へと向かった。
道中、ガーネットは不安そうに表情を曇らせる。
相変わらず腕の中にいたファンネーデルは心配したが、ついにため息をついた。
「おいガーネット、そんな顔するな。ボクがついてる」
「うん……」
「なんだ、何が不安なんだ? ケイトってメイドのことか? それとも、伯爵の二男のことか」
「どっちもよ。助けたいけど、わたしには結局何もできないのかなって、そう思うとね……」
ファンネーデルはどう励ましたものかと考え込む。
「まあ、そんな気にするな。誰がどう言おうと、ガーネットの好きなようにやれ。ボクはそれを応援するから……」
「ファンネーデル、ありがとう。うん……わたしの、側にいてね」
「ああ」
やがて広場にやってきた。
午前中の奇跡を目の当たりにした人々が、ガーネットたちを遠巻きに眺めている。わらわらとまた集まってきそうになったので、ダニエル神父は人払いをした。
「奇跡はまた明日、行います! 今はダメです。皆様、また明日の午前中、教会へいらしてください!」
それを聞くと、人々は残念そうにまた散って行く。
やがて屋敷へ通じる大通りに出ると、目と鼻の先に大きな石造りの門が見えてきた。
「正面から入るのは初めてだな……」
ファンネーデルはそんな風にこぼす。
跳ね橋の先には、門番とおぼしき二人の警備兵が立っているが、ケイレブ警備隊長がすでに話を通していたのか、ガーネットたちはすんなり中へと入れてもらうことができた。
門をくぐり、敷地内へと入る。
長い石畳の道が続いており、その終着点には大きな玄関扉が見えていた。
「お待ちしておりました」
老執事が深くお辞儀をしている。
「ウインザーさん……」
ガーネットがそうつぶやくと、白髪頭は顔を上げ、ちらりとガーネットを見た。
「お戻りになられたのですね、ガーネット様。ですが……もう『お戻りにはならない』のですね」
「はい。わたしはわたしの意思でここへ戻ってきました。でも、もうサンダロス伯爵様の元に……い続けるつもりはありません」
「そうですか……。先ほどケイレブ警備隊長から報告を受けました。街で、ガーネット様が奇跡を起こされたと。あなたはもう、このお屋敷におられなくとも……街を、領民たちを救っていただけるのですね。……旦那様が中でお待ちです。司教様方も、どうぞ」
「恐れ入ります」
司教と神父が頭を下げると、ウインザーは屋敷の中に一同を案内しはじめた。
エントランスを抜け、長い廊下を進み、とある広間へと通される。そこにはサンダロス伯爵とその家族が待ち受けていた。
「来たか」
伯爵は、ガーネットたちに気付くと長椅子から立ち上がった。
「まずは、こちらの手落ちでレイリーたちに攫われてしまったこと、それを詫びよう。済まなかったガーネット」
「…………」
突然謝られて、ガーネットはどう返事をしていいのか戸惑う。サンダロス伯爵は、そうしている様子に苦笑するとさらに話を続けた。
「どのようにしてやつらから逃れられたのかは知らないが……まずは無事でよかった。そして……そちらはラーレス教の方々ですな?」
「はい。お初にお目にかかります。司教を務めております、アレキサンダーと申します」
「お久しぶりです、サンダロス伯爵」
司教に続き、神父がそう述べると、伯爵は大きくうなづいた。
「ああ、ダニエル神父。王都の司教様を連れてきたとはな……ついに隠し事がバレてしまったか。私が何をし、そして何のためにこうしてきたのか、もうすでに知り尽くしているのだろう?」
「ええ、サンダロス伯爵。我々は……ここに事実確認をしにきたにすぎません。そして、おそれながらそれ相応の罰を与えにも……参りました」
「罰? まあ、しかるべき沙汰が下るというようなことは噂で聞いていたがね……」
サンダロス伯爵は一瞬眉根を寄せると、一同に席を勧めてきた。
「さあ、立っているのもなんだ、かけてくれたまえ」
「では、お言葉に甘えて……」
司教が中央に座ると、続いて神父、ガーネットが両隣に座った。
低い大理石のテーブルを挟んで、長椅子が二脚向かい合っている。向かい側には、真ん中に伯爵、その右側に夫人、左に二男のルークが座っていた。
それぞれ三人程度しか座れないようになっているので、席のあぶれたマークは所在なげに後ろに立っている。
ガーネットの腕の中に黒猫がいるのを、めざとく見つけて声をあげる。
「あっ、お前、その猫……!」
「にゃああん」
ファンネーデルは挑発するような鳴き声をあげた。
案の定、マークは不快そうな顔をする。
「ファンネーデル」
ガーネットはそれを軽くたしなめながら、気になっていたことをマークに尋ねる。
「あ、あのマーク様。ケイトは……ケイトはどうしているんですか? 銃で撃たれたはずですが、無事なんですか?!」
マークは口をへの字に曲げると、苦々しい調子で話し出した。
「……あいつは肩に弾を喰らってな。貫通していたからまだ良かったんだが……あまり体調は思わしくない。今は大量に出血した影響で昏睡している。傷口を縫った後高熱も出ていてな……治るまで、持てばいいんだが……」
「そ、そんな……!」
ガーネットはさっと血の気が引いた。
そんなにひどい傷を負っていたと聞いて、嫌な汗が背中ににじむ。
サンダロス伯爵は、動揺しきっているガーネットを無視して、話を再開させた。
「まあ、身内の話はいい。それよりさっそく、事実確認とやらを始めましょうか、アレキサンダー司教」
「え、ええ……」
軽く流されたことにガーネットは憤った。しかし、司教もあえて何も言わないところを見ると、これ以上でしゃばるべきではないのかもしれない。悔しかったが、ガーネットは黙っていることにした。
執事が手配したであろう別のメイドが部屋に入ってくる。
紅茶を人数分テーブルに置いていくその所作を眺めながら、アレキサンダー司教は話し出した。
「あなたは、この街の人々を救うために……このようなことをしたのですね、サンダロス伯爵?」
「ええ。目腐れ病をなんとかするには、その娘を早急に呼び寄せる必要がありました……。あ、どうぞ召し上がってください」
伯爵は目の前に置かれたカップを手に取ると、客人たちにも勧める。
アレキサンダー司教は琥珀色の液体をちらりと見たが、すぐにサンダロス伯爵に視線を戻した。
「ある意味、領主として仕方のない行動だった……とも言えますね。ですが、教会側としてはやはり許すわけにはいかない所業です。我々の定めたルールはご存じですか? 手続きの件などは」
「ええ、よく存じておりました。ですが、我々には時間が……」
「目腐れ病にかかる者の数が……いっこうに減らなかった、という件ですね。だから、危機感を感じた。そしてこのような強硬手段に出た、と」
「ええそうです。ですが、最終的には不甲斐ない結果に終わりました……。対策は色々と取っていたつもりでしたが、また別の者がレイリーたちを雇い、宝石加護の娘を奪っていきました」
伯爵は複雑そうに笑みを浮かべていたが、司教は首を振る。
「……サンダロス伯。なんにせよ、世界の宝とも言える『宝石加護持ちの人間』を不当に略取していたというのは……教会に対する謀反、ひいては王に対する謀反ととられかねない行いなのですよ。あなたには……それ相応の罰が下されるとお覚悟ください」
「ええ。どのような処分であろうとも、私は潔く受ける所存です」
「そうですか……。ではあなたを含め、あなたの一族には今後一切、『宝石加護の恩恵』を受ける権利がなくなります。サンダロス伯」
「……わかりました」
伯爵はちらりと横にいるルークを見やると、やや寂しそうな表情を浮かべる。
アレキサンダー司教はそれに気づかないふりをして紅茶のカップを手に取った。
「ああそれと……あなたはユリオン男爵にも、村の損害の補償費を払うよう、王から直々の命が下されています。それも、合わせてご了承ください」
「ユリオン村、ですか。あの村には……そうですな。まだ当然飢饉が訪れているようですからな。わかりました。あと、他には?」
淡々と自らの運命を受け入れていく伯爵に、神父はついに黙っていられなくなったらしい。姿勢を正し、改めて伯爵に向き直る。
「反省をッ、本当になさっているのですか。サンダロス伯爵……!」
低く押し殺すような声に、伯爵はきょとんとしていた。
「どうしたんだね……いったい」
「伯爵、あなたはあまりにもッ……! わかっているのですか!」
ダニエル神父は何かに耐えるようにそう叫んだが、サンダロス伯爵は特に何も感じていない様子だった。
「反省……。ダニエル神父、何か勘違いをしているのではないかね?」
「えっ?」
目を細めつつ、サンダロス伯爵は毅然と語りはじめた。
「いささか手順が間違っていたことは……認めよう。だがこの街を治める領主として、私はその時できうる限りの最善の方法をとっていた。この行いで私に罰が下ろうとも、下の息子に奇跡の恩恵が与えられなくなったとしても、我が領民たちがそれで助かるのならば、私は構わん。ゆえにその忠告は無意味だ」
ダニエル神父は、言葉を失っていた。
司教はその隣で微笑みをさえ浮かべている。
「ふふふ……さすがはサンダロス伯爵。私が教会の人間でなければ、賞賛の言葉を口にしていたでしょう。サンダロスの領民にとって、これほど頼もしい領主はいなかったでしょうからね……」
「…………」
そう言って司教ははじめて紅茶に口をつける。
皮肉と受け取ったのか、伯爵は苦々しい表情を浮かべていた。
道中、ガーネットは不安そうに表情を曇らせる。
相変わらず腕の中にいたファンネーデルは心配したが、ついにため息をついた。
「おいガーネット、そんな顔するな。ボクがついてる」
「うん……」
「なんだ、何が不安なんだ? ケイトってメイドのことか? それとも、伯爵の二男のことか」
「どっちもよ。助けたいけど、わたしには結局何もできないのかなって、そう思うとね……」
ファンネーデルはどう励ましたものかと考え込む。
「まあ、そんな気にするな。誰がどう言おうと、ガーネットの好きなようにやれ。ボクはそれを応援するから……」
「ファンネーデル、ありがとう。うん……わたしの、側にいてね」
「ああ」
やがて広場にやってきた。
午前中の奇跡を目の当たりにした人々が、ガーネットたちを遠巻きに眺めている。わらわらとまた集まってきそうになったので、ダニエル神父は人払いをした。
「奇跡はまた明日、行います! 今はダメです。皆様、また明日の午前中、教会へいらしてください!」
それを聞くと、人々は残念そうにまた散って行く。
やがて屋敷へ通じる大通りに出ると、目と鼻の先に大きな石造りの門が見えてきた。
「正面から入るのは初めてだな……」
ファンネーデルはそんな風にこぼす。
跳ね橋の先には、門番とおぼしき二人の警備兵が立っているが、ケイレブ警備隊長がすでに話を通していたのか、ガーネットたちはすんなり中へと入れてもらうことができた。
門をくぐり、敷地内へと入る。
長い石畳の道が続いており、その終着点には大きな玄関扉が見えていた。
「お待ちしておりました」
老執事が深くお辞儀をしている。
「ウインザーさん……」
ガーネットがそうつぶやくと、白髪頭は顔を上げ、ちらりとガーネットを見た。
「お戻りになられたのですね、ガーネット様。ですが……もう『お戻りにはならない』のですね」
「はい。わたしはわたしの意思でここへ戻ってきました。でも、もうサンダロス伯爵様の元に……い続けるつもりはありません」
「そうですか……。先ほどケイレブ警備隊長から報告を受けました。街で、ガーネット様が奇跡を起こされたと。あなたはもう、このお屋敷におられなくとも……街を、領民たちを救っていただけるのですね。……旦那様が中でお待ちです。司教様方も、どうぞ」
「恐れ入ります」
司教と神父が頭を下げると、ウインザーは屋敷の中に一同を案内しはじめた。
エントランスを抜け、長い廊下を進み、とある広間へと通される。そこにはサンダロス伯爵とその家族が待ち受けていた。
「来たか」
伯爵は、ガーネットたちに気付くと長椅子から立ち上がった。
「まずは、こちらの手落ちでレイリーたちに攫われてしまったこと、それを詫びよう。済まなかったガーネット」
「…………」
突然謝られて、ガーネットはどう返事をしていいのか戸惑う。サンダロス伯爵は、そうしている様子に苦笑するとさらに話を続けた。
「どのようにしてやつらから逃れられたのかは知らないが……まずは無事でよかった。そして……そちらはラーレス教の方々ですな?」
「はい。お初にお目にかかります。司教を務めております、アレキサンダーと申します」
「お久しぶりです、サンダロス伯爵」
司教に続き、神父がそう述べると、伯爵は大きくうなづいた。
「ああ、ダニエル神父。王都の司教様を連れてきたとはな……ついに隠し事がバレてしまったか。私が何をし、そして何のためにこうしてきたのか、もうすでに知り尽くしているのだろう?」
「ええ、サンダロス伯爵。我々は……ここに事実確認をしにきたにすぎません。そして、おそれながらそれ相応の罰を与えにも……参りました」
「罰? まあ、しかるべき沙汰が下るというようなことは噂で聞いていたがね……」
サンダロス伯爵は一瞬眉根を寄せると、一同に席を勧めてきた。
「さあ、立っているのもなんだ、かけてくれたまえ」
「では、お言葉に甘えて……」
司教が中央に座ると、続いて神父、ガーネットが両隣に座った。
低い大理石のテーブルを挟んで、長椅子が二脚向かい合っている。向かい側には、真ん中に伯爵、その右側に夫人、左に二男のルークが座っていた。
それぞれ三人程度しか座れないようになっているので、席のあぶれたマークは所在なげに後ろに立っている。
ガーネットの腕の中に黒猫がいるのを、めざとく見つけて声をあげる。
「あっ、お前、その猫……!」
「にゃああん」
ファンネーデルは挑発するような鳴き声をあげた。
案の定、マークは不快そうな顔をする。
「ファンネーデル」
ガーネットはそれを軽くたしなめながら、気になっていたことをマークに尋ねる。
「あ、あのマーク様。ケイトは……ケイトはどうしているんですか? 銃で撃たれたはずですが、無事なんですか?!」
マークは口をへの字に曲げると、苦々しい調子で話し出した。
「……あいつは肩に弾を喰らってな。貫通していたからまだ良かったんだが……あまり体調は思わしくない。今は大量に出血した影響で昏睡している。傷口を縫った後高熱も出ていてな……治るまで、持てばいいんだが……」
「そ、そんな……!」
ガーネットはさっと血の気が引いた。
そんなにひどい傷を負っていたと聞いて、嫌な汗が背中ににじむ。
サンダロス伯爵は、動揺しきっているガーネットを無視して、話を再開させた。
「まあ、身内の話はいい。それよりさっそく、事実確認とやらを始めましょうか、アレキサンダー司教」
「え、ええ……」
軽く流されたことにガーネットは憤った。しかし、司教もあえて何も言わないところを見ると、これ以上でしゃばるべきではないのかもしれない。悔しかったが、ガーネットは黙っていることにした。
執事が手配したであろう別のメイドが部屋に入ってくる。
紅茶を人数分テーブルに置いていくその所作を眺めながら、アレキサンダー司教は話し出した。
「あなたは、この街の人々を救うために……このようなことをしたのですね、サンダロス伯爵?」
「ええ。目腐れ病をなんとかするには、その娘を早急に呼び寄せる必要がありました……。あ、どうぞ召し上がってください」
伯爵は目の前に置かれたカップを手に取ると、客人たちにも勧める。
アレキサンダー司教は琥珀色の液体をちらりと見たが、すぐにサンダロス伯爵に視線を戻した。
「ある意味、領主として仕方のない行動だった……とも言えますね。ですが、教会側としてはやはり許すわけにはいかない所業です。我々の定めたルールはご存じですか? 手続きの件などは」
「ええ、よく存じておりました。ですが、我々には時間が……」
「目腐れ病にかかる者の数が……いっこうに減らなかった、という件ですね。だから、危機感を感じた。そしてこのような強硬手段に出た、と」
「ええそうです。ですが、最終的には不甲斐ない結果に終わりました……。対策は色々と取っていたつもりでしたが、また別の者がレイリーたちを雇い、宝石加護の娘を奪っていきました」
伯爵は複雑そうに笑みを浮かべていたが、司教は首を振る。
「……サンダロス伯。なんにせよ、世界の宝とも言える『宝石加護持ちの人間』を不当に略取していたというのは……教会に対する謀反、ひいては王に対する謀反ととられかねない行いなのですよ。あなたには……それ相応の罰が下されるとお覚悟ください」
「ええ。どのような処分であろうとも、私は潔く受ける所存です」
「そうですか……。ではあなたを含め、あなたの一族には今後一切、『宝石加護の恩恵』を受ける権利がなくなります。サンダロス伯」
「……わかりました」
伯爵はちらりと横にいるルークを見やると、やや寂しそうな表情を浮かべる。
アレキサンダー司教はそれに気づかないふりをして紅茶のカップを手に取った。
「ああそれと……あなたはユリオン男爵にも、村の損害の補償費を払うよう、王から直々の命が下されています。それも、合わせてご了承ください」
「ユリオン村、ですか。あの村には……そうですな。まだ当然飢饉が訪れているようですからな。わかりました。あと、他には?」
淡々と自らの運命を受け入れていく伯爵に、神父はついに黙っていられなくなったらしい。姿勢を正し、改めて伯爵に向き直る。
「反省をッ、本当になさっているのですか。サンダロス伯爵……!」
低く押し殺すような声に、伯爵はきょとんとしていた。
「どうしたんだね……いったい」
「伯爵、あなたはあまりにもッ……! わかっているのですか!」
ダニエル神父は何かに耐えるようにそう叫んだが、サンダロス伯爵は特に何も感じていない様子だった。
「反省……。ダニエル神父、何か勘違いをしているのではないかね?」
「えっ?」
目を細めつつ、サンダロス伯爵は毅然と語りはじめた。
「いささか手順が間違っていたことは……認めよう。だがこの街を治める領主として、私はその時できうる限りの最善の方法をとっていた。この行いで私に罰が下ろうとも、下の息子に奇跡の恩恵が与えられなくなったとしても、我が領民たちがそれで助かるのならば、私は構わん。ゆえにその忠告は無意味だ」
ダニエル神父は、言葉を失っていた。
司教はその隣で微笑みをさえ浮かべている。
「ふふふ……さすがはサンダロス伯爵。私が教会の人間でなければ、賞賛の言葉を口にしていたでしょう。サンダロスの領民にとって、これほど頼もしい領主はいなかったでしょうからね……」
「…………」
そう言って司教ははじめて紅茶に口をつける。
皮肉と受け取ったのか、伯爵は苦々しい表情を浮かべていた。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる