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一緒にダンジョン編
19 ダンジョン前
しおりを挟むメルさんがオススメするクエストを受ける事にした。
クエスト内容はとある人物のダンジョン攻略の為のサポート役らしい。クリア条件はもちろんダンジョンクリア。そしてクリアした暁にはなんと十万リッチものお金などが貰えるらしい。条件がいいそれだけ良いのはもちろんダンジョンはかなり難易度が高いからみたい。
それに……ダンジョンって事はモンスターが出るのだ。
メルさんのオススメだからって引き受けたのは自分なのに今更後悔して来た。
しかしもう遅い。
私はもうダンジョンの前まで来てしまっていた。
「やぁ! よく来てくれた! 君達が今回共にダンジョンに参加してくれるエデンくんとアンドレくんだな!」
鎧を身にまとった剣士の男性が愉快そうに話し出す。
愛嬌が良く、どこか村長に似ている男性。
ちょっとだけ気持ちが落ち着いていくのが分かった。
「はい、エデンと言います。今日はよろしくお願いします」
「アンドレ……です。よろしくお願いします」
「礼儀正しいことは良いことだ! にしても本当にSランクの子達が来るとは……一応念の為にと出していたクエストだったがまさか受けれる奴が居るとは……」
苦笑しか出来なかった。
SランクなんてAランクとは違って滅多に居ないのだ。
きっとこの人もこのクエストを受ける冒険者が現れたと知った時相当驚いた事だろう。
「自己紹介が遅れたな! 俺はニック。シグナリス王国の騎士だ!」
ニカッと白い歯を見せて笑うニックさん。
やっぱりどこか村長さんに似ている気がした。
「あの……ニックさん。今回、ダンジョンで私達がサポート役という事ですけど、誰をサポートすればいいんでしょうか? 説明欄にはスペシャルゲストって書かれていましたが……」
「まぁ、驚くと思うぞ? なにせ有名人だからな!」
今度はニヤリと口角を上げて言うニックさんに、私とアンくんは顔を見合わせ首を傾げるのであった。
それから数分後、その有名人らしき人がやって来た。
ふわりと揺れる桃色の髪は見覚えがあり、何よりその人から溢れる気品は異常なものだった。
思わず目で追ってしまった。
なんと言うか……絵本から出てきた王子様みたいだった。
「アンくん……凄くかっこいい人だね」
「ま、まぁ……キラキラはしてるかも?」
やはりどこかで見た事のある桃色の髪色。
それにあの溢れんばかりの気品。
何だか心が落ち着いた。
「ねぇ……お師匠。あのキラキラがこっちに近づいて来てるんだけど……」
アンくんの言った通り、どんどん私達の方へと歩み寄ってくるその有名人という人。
近くで見るほどその気品は凄まじいものだった。
「貴方方が今回クエストを共にしてくれるという人達ですね」
「はい。エデンと申します。魔導師です」
「アンドレ……です」
「私はレオンと言います。シグナリス王国の第一王子です」
「「王子様!?」」
私とアンくんの声が重なった瞬間だった。
そんな私達にニックさんが笑いながら言った。
「驚いたろ! まさかスペシャルゲストがレオン殿下なんて誰も想像しないだろうからな!」
ニックさんの言葉にニコリと微笑むレオン殿下。
一方私は全く思考がついてきていなかった。
王子様って言うのは私にとって本の登場人物の一人にすぎなかった。それだけ遠い存在だったのだ。けど、今目の前に本物の王子様がいる。
サポート……頑張らなくちゃ。
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