7 / 53
6
しおりを挟む
漂ってくる美味しそうな匂いに誘われて、俺はゆっくりと眠りから意識を浮上させた。目に飛び込んできたのは木目調の天井。あれ…俺の家、じゃない…
「どこだここ!」
まだ半分夢の中だったところから一気に覚醒する。ばっと飛び起きて状況確認、と思ったら頭が割れるように痛んで、くらくらと吐き気がした。そのせいで今度は前屈みになって頭を抱える。
「あ、目が覚めた?」
どこからか声がして、気配が近寄ってくる。
「頭痛い?やっぱり二日酔いかな」
耳に心地よい低く柔らかな声だ。その声の主を確認すべく俺はゆっくりと顔を上げた。
「…誰…」
思わず呟く。目に写ったのは見覚えのない男だった。すっと通った鼻筋に、薄めの唇。金色と茶色が混じった髪色は、彼の甘い顔立ちと雰囲気に妙に似合っている。
「記憶ない?大分飲んでたみたいだからね」
「あー、ちょっと待って。……多分、全部覚えてる」
俺の前にいる男を見覚えがないと思ったのは一瞬のことで、だんだんとあったことが思い出されてくる。確か俺は…Lumeとかいう店にふらふら入ってそれで…
「酒飲んで、愚痴って、潰れた?」
「正解」
そう言ってイケメンはからっと笑った。
「記憶は飛ばないタイプなの?」
「基本的には。あーほんとごめん。迷惑かけたようで…」
昨晩のことがありありとよみがえっていたたまれなくなる。俺の間違いじゃなければこの目の前の男はLumeの店主だったはずだ。
昨晩店に入った俺は、迷わずバーカウンターに向かった。店の中には数人掛けのテーブルがいくつかと、カウンターテーブルがあって、1人の俺はカウンターに座って酒を頼んだ。一杯目をぐっと煽って一気に飲み干す。その飲みっぷりに店内にいた客からひゅーっと口笛を吹かれた。
「いいねぇー!にいちゃんいい飲みっぷりだ!」
「そりゃどうも」
陽気に話しかけてきた髭面のおじさんに俺は不機嫌に返して、もう一杯を頼んだ。
確かこの時カウンターにいたのが今目の前にいる、この男のはずだ。
「どうしたよ、荒れてるなー!話くらいは聞いてやるぜ。こっちこいや!」
にかっと笑って店の中心の大テーブルにおじさんに誘われて、その下心のない明るさと回りの客も含めたアットホームな雰囲気にほだされて俺はその誘いに乗った。
その後は…
「にいちゃんの失恋にかんぱーい!」
『かんぱーい』
「飲め飲め!飲んで忘れちまえ!」
人の失恋を肴に飲むおっさんたちに俺は恨みがましい目を向けながら、でも少し救われたような気分になっていた。変に同情されるよりここまで清々しくネタにされてしまった方がすっきりする。
「失恋なんか人生のスパイスにしちまえよ、若人!」
「人は失恋を経て大人になるもんだぜ!」
「そうだぞー失恋なんか若いうちしかできねぇんだ!もっとやっちまえ!」
良いことを言われてるのか、適当なことを言われているのか最早わからないが、豪快に笑い飛ばすおっさんたちにつられて俺も泣き笑いのように笑って、飲んで…
「いや、ほんとごめんなさい。散々失恋だとかどうでもいい愚痴ぶちまけた上にそのまま寝るとか」
「んー、まあ止めなかった俺たちも悪いし。それにどうでもよくないしね」
恋は世界の全てになり得るから、と詩的なことを言いながら爽やかに笑う男に頭が下がる。なんていいやつなんだこいつは。…ちょっと気障だけど。
「それに、嫌じゃなかった?あんな風に言われて。よくも悪くも開けっ広げな人たちだから…」
そんな風に言って眉を下げるので慌てて手を振って否定する。
「いや、それは全然っ、…むしろよかった。あのまま1人で飲んでるともうなんか死にそうな気分だったから」
そういった俺に男はふっと微笑んだ。
「そう?ならよかった。図らずも人命救助したのかな。あ、ちょっと待っててね」
そう言ってイケメンは唐突に階下へ下りていった。それを見届けてほっと息をつく。なんていうか…安心する笑顔をする人だな。雰囲気がすごく落ち着く。
頭痛は既に収まってきていて、酒に強い体に感謝する。
それにしてもここは…回りを見回す。あの店の上なのか?どうやらリビングのようで俺はソファの上にいる。ソファと言ってもとても大きくて男性が2人で座っても十分な大きさのものだ。とても広いリビングには大きな本棚がある。観葉植物もあって、それはあの男の雰囲気らしいなと思った。
しばらくして、とんとんと階段を上がってくる音がする。ドアが静かに開いた。同時にふわっといい匂いが広がって思わず空気を吸い込んだ。
と、同時にくぅっと俺のお腹が鳴った。いい匂いの元をのせたトレイをもった男がふふっと笑う。俺は恥ずかしくて赤面した。
「昨日の夜から食べてないからね。かれこれ12時間だ。そりゃお腹もへるよ」
え、と慌てて時計を見れば針は昼過ぎを指していて驚く。
「ほんとにごめん!」
さっきから謝ってばかりだ。
「いいよ。俺は失恋でぼろぼろの人を追い出すほど薄情ものじゃない。」
さらっとそう言ってソファの前のテーブルにトレイをのせた男に俺は思わず固まった。ぼろぼろ、ね。
「これ食べれる?消化にいいものにしてみたけど」
そう言ってスプーンを差し出されて咄嗟にそれを手に取る。目の前におかれていたのは美味しそうなポトフだった。
「え、いいの?」
「どうぞ。ここは料理店だしね」
その言葉と食欲をそそる匂いに押されて、俺は手を合わせて
「いただきます」
そう言った俺に驚いたような表情を向けた。あー、そっかうっかりしてた。いただきますは日本の文化だ。身に染み付いていて無意識に俺は言ってしまうのだが、初めて聞く人は驚くだろう。
「なんて言ったの?」
「日本語なんだけど、んー、感謝を表す言葉、かな。作ってくれた人や、命をいただくことへの感謝」
「へぇ。“いただきます”いい言葉だね」
そう言ってもらえると、もう日本人じゃないけどなんだか嬉しい。
俺がポトフを啜っている間、彼は黙って待ってくれていた。
ポトフのなかの野菜は程よくとろけていて、旨味が染み出してとても美味しかった。
「ごちそうさまでした。」
食べ終わりの挨拶もきっちりして、俺はスプーンをおいた。しばらくは何も食べる気力が沸かないだろうと思っていたのに、食べれてしまった。実際昨日も酒以外は受け付けなかったのに、匂いや見た目に刺激されて、一口含むと美味しくて、結局完食できた。
食べ終わって一段落つくと、男が質問してきた。
「君は日本人なの?」
「人種的に言えば日本人。国籍的に言えばイタリア人」
答えながらそういやいつかも同じような返答をしたなと思う。あれは確か、と思い出してはっとする。あれは…セルジオと出会った時だ。一気に心が重くなった。なんで自分で思い出したんだ俺は。
「そっか。2つの国を知ってるんだ。すごいね」
男の言葉にはっと意識を戻す。すごいね、か。なんか不思議な人だな。そんな感想を抱いた。
セルジオのことを考えるのを振り払うために俺からも質問する。
「ここは、あなたの家?」
「そう。店の上に住んでる」
「料理作れるんだ?ポトフすごい美味しかった」
「ほんと?嬉しいよ。俺の店は料理がメインの店なんだ。食べて飲める店」
続けて、そういえば、と男が言う。どうやら目をしっかり合わせて話をする人のようで、深い夜のような色の目にまっすぐ見つめられてさっきから何か落ち着かない。そんな目に見つめられながら男の言葉を待つ。
「名前、聞いてなかったね。聞いていい?」
「…ほんとだ。言ってなかったし聞いてなかった」
なんでそんな事忘れてたんだろう。意外な居心地のよさにうっかりしていた。
「ミヤセチハルです。なにもかもほんとにありがとう」
名乗るとともに頭も下げる。ちゃんとお礼を言ってなかったことに気づいたから。
「ニコラ・アスティです。素敵な言葉を教えてくれたからチャラです」
2人で改まってそんなことを言い合うのがなんとなくおかしくて思わずふふっと笑がこぼれた。ニコラをみると彼も笑っていて、2人でしばらく笑っていた。
「どこだここ!」
まだ半分夢の中だったところから一気に覚醒する。ばっと飛び起きて状況確認、と思ったら頭が割れるように痛んで、くらくらと吐き気がした。そのせいで今度は前屈みになって頭を抱える。
「あ、目が覚めた?」
どこからか声がして、気配が近寄ってくる。
「頭痛い?やっぱり二日酔いかな」
耳に心地よい低く柔らかな声だ。その声の主を確認すべく俺はゆっくりと顔を上げた。
「…誰…」
思わず呟く。目に写ったのは見覚えのない男だった。すっと通った鼻筋に、薄めの唇。金色と茶色が混じった髪色は、彼の甘い顔立ちと雰囲気に妙に似合っている。
「記憶ない?大分飲んでたみたいだからね」
「あー、ちょっと待って。……多分、全部覚えてる」
俺の前にいる男を見覚えがないと思ったのは一瞬のことで、だんだんとあったことが思い出されてくる。確か俺は…Lumeとかいう店にふらふら入ってそれで…
「酒飲んで、愚痴って、潰れた?」
「正解」
そう言ってイケメンはからっと笑った。
「記憶は飛ばないタイプなの?」
「基本的には。あーほんとごめん。迷惑かけたようで…」
昨晩のことがありありとよみがえっていたたまれなくなる。俺の間違いじゃなければこの目の前の男はLumeの店主だったはずだ。
昨晩店に入った俺は、迷わずバーカウンターに向かった。店の中には数人掛けのテーブルがいくつかと、カウンターテーブルがあって、1人の俺はカウンターに座って酒を頼んだ。一杯目をぐっと煽って一気に飲み干す。その飲みっぷりに店内にいた客からひゅーっと口笛を吹かれた。
「いいねぇー!にいちゃんいい飲みっぷりだ!」
「そりゃどうも」
陽気に話しかけてきた髭面のおじさんに俺は不機嫌に返して、もう一杯を頼んだ。
確かこの時カウンターにいたのが今目の前にいる、この男のはずだ。
「どうしたよ、荒れてるなー!話くらいは聞いてやるぜ。こっちこいや!」
にかっと笑って店の中心の大テーブルにおじさんに誘われて、その下心のない明るさと回りの客も含めたアットホームな雰囲気にほだされて俺はその誘いに乗った。
その後は…
「にいちゃんの失恋にかんぱーい!」
『かんぱーい』
「飲め飲め!飲んで忘れちまえ!」
人の失恋を肴に飲むおっさんたちに俺は恨みがましい目を向けながら、でも少し救われたような気分になっていた。変に同情されるよりここまで清々しくネタにされてしまった方がすっきりする。
「失恋なんか人生のスパイスにしちまえよ、若人!」
「人は失恋を経て大人になるもんだぜ!」
「そうだぞー失恋なんか若いうちしかできねぇんだ!もっとやっちまえ!」
良いことを言われてるのか、適当なことを言われているのか最早わからないが、豪快に笑い飛ばすおっさんたちにつられて俺も泣き笑いのように笑って、飲んで…
「いや、ほんとごめんなさい。散々失恋だとかどうでもいい愚痴ぶちまけた上にそのまま寝るとか」
「んー、まあ止めなかった俺たちも悪いし。それにどうでもよくないしね」
恋は世界の全てになり得るから、と詩的なことを言いながら爽やかに笑う男に頭が下がる。なんていいやつなんだこいつは。…ちょっと気障だけど。
「それに、嫌じゃなかった?あんな風に言われて。よくも悪くも開けっ広げな人たちだから…」
そんな風に言って眉を下げるので慌てて手を振って否定する。
「いや、それは全然っ、…むしろよかった。あのまま1人で飲んでるともうなんか死にそうな気分だったから」
そういった俺に男はふっと微笑んだ。
「そう?ならよかった。図らずも人命救助したのかな。あ、ちょっと待っててね」
そう言ってイケメンは唐突に階下へ下りていった。それを見届けてほっと息をつく。なんていうか…安心する笑顔をする人だな。雰囲気がすごく落ち着く。
頭痛は既に収まってきていて、酒に強い体に感謝する。
それにしてもここは…回りを見回す。あの店の上なのか?どうやらリビングのようで俺はソファの上にいる。ソファと言ってもとても大きくて男性が2人で座っても十分な大きさのものだ。とても広いリビングには大きな本棚がある。観葉植物もあって、それはあの男の雰囲気らしいなと思った。
しばらくして、とんとんと階段を上がってくる音がする。ドアが静かに開いた。同時にふわっといい匂いが広がって思わず空気を吸い込んだ。
と、同時にくぅっと俺のお腹が鳴った。いい匂いの元をのせたトレイをもった男がふふっと笑う。俺は恥ずかしくて赤面した。
「昨日の夜から食べてないからね。かれこれ12時間だ。そりゃお腹もへるよ」
え、と慌てて時計を見れば針は昼過ぎを指していて驚く。
「ほんとにごめん!」
さっきから謝ってばかりだ。
「いいよ。俺は失恋でぼろぼろの人を追い出すほど薄情ものじゃない。」
さらっとそう言ってソファの前のテーブルにトレイをのせた男に俺は思わず固まった。ぼろぼろ、ね。
「これ食べれる?消化にいいものにしてみたけど」
そう言ってスプーンを差し出されて咄嗟にそれを手に取る。目の前におかれていたのは美味しそうなポトフだった。
「え、いいの?」
「どうぞ。ここは料理店だしね」
その言葉と食欲をそそる匂いに押されて、俺は手を合わせて
「いただきます」
そう言った俺に驚いたような表情を向けた。あー、そっかうっかりしてた。いただきますは日本の文化だ。身に染み付いていて無意識に俺は言ってしまうのだが、初めて聞く人は驚くだろう。
「なんて言ったの?」
「日本語なんだけど、んー、感謝を表す言葉、かな。作ってくれた人や、命をいただくことへの感謝」
「へぇ。“いただきます”いい言葉だね」
そう言ってもらえると、もう日本人じゃないけどなんだか嬉しい。
俺がポトフを啜っている間、彼は黙って待ってくれていた。
ポトフのなかの野菜は程よくとろけていて、旨味が染み出してとても美味しかった。
「ごちそうさまでした。」
食べ終わりの挨拶もきっちりして、俺はスプーンをおいた。しばらくは何も食べる気力が沸かないだろうと思っていたのに、食べれてしまった。実際昨日も酒以外は受け付けなかったのに、匂いや見た目に刺激されて、一口含むと美味しくて、結局完食できた。
食べ終わって一段落つくと、男が質問してきた。
「君は日本人なの?」
「人種的に言えば日本人。国籍的に言えばイタリア人」
答えながらそういやいつかも同じような返答をしたなと思う。あれは確か、と思い出してはっとする。あれは…セルジオと出会った時だ。一気に心が重くなった。なんで自分で思い出したんだ俺は。
「そっか。2つの国を知ってるんだ。すごいね」
男の言葉にはっと意識を戻す。すごいね、か。なんか不思議な人だな。そんな感想を抱いた。
セルジオのことを考えるのを振り払うために俺からも質問する。
「ここは、あなたの家?」
「そう。店の上に住んでる」
「料理作れるんだ?ポトフすごい美味しかった」
「ほんと?嬉しいよ。俺の店は料理がメインの店なんだ。食べて飲める店」
続けて、そういえば、と男が言う。どうやら目をしっかり合わせて話をする人のようで、深い夜のような色の目にまっすぐ見つめられてさっきから何か落ち着かない。そんな目に見つめられながら男の言葉を待つ。
「名前、聞いてなかったね。聞いていい?」
「…ほんとだ。言ってなかったし聞いてなかった」
なんでそんな事忘れてたんだろう。意外な居心地のよさにうっかりしていた。
「ミヤセチハルです。なにもかもほんとにありがとう」
名乗るとともに頭も下げる。ちゃんとお礼を言ってなかったことに気づいたから。
「ニコラ・アスティです。素敵な言葉を教えてくれたからチャラです」
2人で改まってそんなことを言い合うのがなんとなくおかしくて思わずふふっと笑がこぼれた。ニコラをみると彼も笑っていて、2人でしばらく笑っていた。
1
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる