紫音の少女

柊 潤一

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姫の治療4

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「姫の体の中では今治療が進んでいます。終わるまで
 の間、熱が出ますが安心してください。私はしばらくの間ここで見守っています」

 紫音は国王にそう言ったあと疲れた体を癒すため、そばの椅子に腰掛けた。

「それで、終わるまでどのくらいかかりますか」

「ご自身の体力にもよりますが、おそらく半日で終わるかと思います」

 国王と王子はレイカのそばに寄った。

「今は疲れて眠ってらっしゃいますから、そっとして
 あげて下さい」

「そうですか。ではこの後、食事でもご一緒にいかが
 でしょうか?」 

 もうお昼に近い時間だった。

「有難いお言葉ですが、家にやって来る患者の方が
 気になりますので、暫くしたら戻ろうと思います。」

「ふむ・・」

「でも、出来るだけ早く治療を済ませて、昼から又姫
 様のご様子を見に参ります」

 そう言って紫音は目を閉じた。

「おぉ、そうして頂けますか?ありがたい」

「では、私が付いて行きましょう。戻って来られる時
 に私も一緒の方が良いでしょうから」

 ゼルダ王子が言った

「それが良かろう。出来ることがあればお前も手伝い
 なさい」

「分かりました」

 国王はそのままレイカ姫のそばの椅子に腰掛け、レイカ姫を見守った。

 ゼルダ王子はシオンのそばに戻り、シュリ婆と一緒に紫音を見守った。

 しばらくして、紫音は目を開けレイカ姫のそばに寄り、毛布の中に手を入れてレイカ姫の体の中の様子を見てから国王に言った。

「それでは私は戻りますが、またここへ来るまでの間
 もし何かあれば、すぐに使いを寄越してください」

「わかりました。昼から又お越しくださるのをお待ち
 しております」

 紫音はシュリ婆と共に部屋の出口へ向かった。

「では父上、行って参ります」

 ゼルダ王子がそう言って紫音の後を追った。

「では、私も失礼致します」

 終始無言でいた侍従医のハウラもそう言ってゼルダ王子と共に部屋を出た。
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