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ボスを目指して
続・三人の成長
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やがて、魔物達はすべていなくなり、ローブをまとったエルフと凪沙がバリアーを解いたあと、剣を持ったエルフがセンタ達に言った。
「さすがに、救世主さまだけの事はありますな。あれほどの技を一瞬で体得なされた。実は半信半疑だったのです。いつか現れるという救世主様は、特別な力を持っていることは聞いておりましたが、果たしてそれが本当なのかと」
それに対してあつしが答えた。
「ふむ。実を言うと私も、いや私達も、自分たちが救世主なのかどうかは分かりません。ただ、我々が思い描く事が、この世界では実現できるようです。それが、救世主の資格なのかも知れませんね」
「なるほど。あなた方は、我々と違う何かをお持ちなのでしょう。さぁ、それでは先へ進みましょうか」
エルフはそう言い、一行は、さらに先へと進んでいった。
そして、しばらく歩いてエルフが立ち止まった。
「ほら、見えるでしょう?あそこの木がまばらになった場所に、赤くてふわふわしたものが浮いているのが」
エルフが指さした辺りを、木々を透かして見てみると、確かに赤いものが二十匹ほど浮いている。
「私達もここまでは来れたのです。しかし、あれをどうしても倒せない。あれに近付くと奇妙な音を出して、我々を錯乱させるのです。耳を塞いでも頭に響くので防ぎようがありません。彼女が・・・」
エルフはそう言って、ローブをまとったエルフを見た。
「奴らを凍らせて、その隙に近付くことは出来るのですが、倒してもすぐに復活するのです。どうも、一度に全部倒さなければダメなようです」
それから皆がどうしようかと思案していた時に、凪沙が言った。
「私に考えがあるからやってみます。どこまで近づけます?」
聞かれたエルフは、魔物に向かって少し近付いて止まった。
「ここまでなら、大丈夫でしょう」
エルフの止まった場所まで全員で近づくと、凪沙はその場所でしばらく考えを巡らせ、大きく深呼吸をしてから魔物に向かって腕を差し出し、手のひらを向けた。
皆はかたずを飲んで様子を見ていた。
しばらくして、魔物のいる場所の空気が
ピシリ!
と、音を立てたかと思われるほど、冷え冷えと冴え渡り、魔物も含めたその場の物が、草や木も含めてすべてが凍りついた。
そして次の瞬間
ドンッ!
と見えている光景が歪んだと思うほど空気が振動し、凍っていた物がすべて粉々に砕け、魔物たちはバラバと地面に落ち、消えていった。
「わーい、やったぁー!できた!」
凪沙は、にこにこ顔で一人喜んでいたが、他の者は全員驚愕していた。
センタは
凪沙さん、とんでもないことやるなぁ。でも、やることはエグいけど、あの可愛さは何なん?
と、思いながら、瞳にハートマークを浮かばせていた。
あつしは、
ふむ、彼女はああいう事に向いているな。
と思い、エルフ達は声も出せずに驚くばかりだった。
しかし、みんなが気付かないうちに、魔物が消えた場所では、異変が起きていた。
それは、魔物が落ちた所の土がフツフツと湧き、地面が歪み、やがて何者かが湧いて出てきた。
そいつは牛の顔をした、三階建てのビル程の高さの巨大な獣だった。
完全に姿を現したそいつは、まわりの木々が震えるほどの声で咆哮した。
「さすがに、救世主さまだけの事はありますな。あれほどの技を一瞬で体得なされた。実は半信半疑だったのです。いつか現れるという救世主様は、特別な力を持っていることは聞いておりましたが、果たしてそれが本当なのかと」
それに対してあつしが答えた。
「ふむ。実を言うと私も、いや私達も、自分たちが救世主なのかどうかは分かりません。ただ、我々が思い描く事が、この世界では実現できるようです。それが、救世主の資格なのかも知れませんね」
「なるほど。あなた方は、我々と違う何かをお持ちなのでしょう。さぁ、それでは先へ進みましょうか」
エルフはそう言い、一行は、さらに先へと進んでいった。
そして、しばらく歩いてエルフが立ち止まった。
「ほら、見えるでしょう?あそこの木がまばらになった場所に、赤くてふわふわしたものが浮いているのが」
エルフが指さした辺りを、木々を透かして見てみると、確かに赤いものが二十匹ほど浮いている。
「私達もここまでは来れたのです。しかし、あれをどうしても倒せない。あれに近付くと奇妙な音を出して、我々を錯乱させるのです。耳を塞いでも頭に響くので防ぎようがありません。彼女が・・・」
エルフはそう言って、ローブをまとったエルフを見た。
「奴らを凍らせて、その隙に近付くことは出来るのですが、倒してもすぐに復活するのです。どうも、一度に全部倒さなければダメなようです」
それから皆がどうしようかと思案していた時に、凪沙が言った。
「私に考えがあるからやってみます。どこまで近づけます?」
聞かれたエルフは、魔物に向かって少し近付いて止まった。
「ここまでなら、大丈夫でしょう」
エルフの止まった場所まで全員で近づくと、凪沙はその場所でしばらく考えを巡らせ、大きく深呼吸をしてから魔物に向かって腕を差し出し、手のひらを向けた。
皆はかたずを飲んで様子を見ていた。
しばらくして、魔物のいる場所の空気が
ピシリ!
と、音を立てたかと思われるほど、冷え冷えと冴え渡り、魔物も含めたその場の物が、草や木も含めてすべてが凍りついた。
そして次の瞬間
ドンッ!
と見えている光景が歪んだと思うほど空気が振動し、凍っていた物がすべて粉々に砕け、魔物たちはバラバと地面に落ち、消えていった。
「わーい、やったぁー!できた!」
凪沙は、にこにこ顔で一人喜んでいたが、他の者は全員驚愕していた。
センタは
凪沙さん、とんでもないことやるなぁ。でも、やることはエグいけど、あの可愛さは何なん?
と、思いながら、瞳にハートマークを浮かばせていた。
あつしは、
ふむ、彼女はああいう事に向いているな。
と思い、エルフ達は声も出せずに驚くばかりだった。
しかし、みんなが気付かないうちに、魔物が消えた場所では、異変が起きていた。
それは、魔物が落ちた所の土がフツフツと湧き、地面が歪み、やがて何者かが湧いて出てきた。
そいつは牛の顔をした、三階建てのビル程の高さの巨大な獣だった。
完全に姿を現したそいつは、まわりの木々が震えるほどの声で咆哮した。
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