妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

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迷走編

70話【off duty】新條 浩平 21歳:ハッピーバースデー(新條編)①

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「し、新條くんッ!? ちっ、ちが……っ、ね、そこ、違う……っ」

 ベッドで悶える藍原先生が可愛すぎて、むくむくといたずら心が湧き上がる。ほんのちょっと、からかうつもりで、お尻の穴を触ったら……先生が真っ赤になって飛び上がり、慌てふためき始めた。

「へへ。こないだの、お返し」


 外来で、診察という大義名分で俺のお尻をいじくって、あんな場所でイカせたお返しだ。いつも恥ずかしがりやの先生が、あのときだけは目を輝かせて、まな板の鯉状態の俺は、さんざん遊ばれたから。正直いって、先生があんなに大胆なことするなんて思ってなかったけど、俺があんな姿を晒したんだから、今度は先生の番だ。
 先生の可愛い小さなお尻の穴に、たっぷり先生の蜜を塗りたくる。先生のお尻は身構えるようにきゅっと締まった。

「だっ、ダメ! 絶対ダメっ、無理っ、そんなの無理、恥ずかしすぎるっ!」
「なんだよ、その恥ずかしいことを俺にやったの、誰だよ」
「あ、あれは、その、つい……」

 ははは、藍原先生、あんなことしといて、何で今更恥ずかしがってるんだろう。きっと、あれかな? エロい自分と、恥ずかしがりやの自分がせめぎ合ってるのかな? 思えば先生は、自分から手を出してくるときはものすごく大胆だ。診察室でのときもそうだし、満員電車では、周りにバレそうな勢いで、俺のチンコを触ってくる。……そうか、自分からする分には、恥ずかしくないのかもしれない。先生はとにかく、自分がキモチよくなってあられもない姿を晒すのを、恥ずかしがってるんだ。

「ほら先生、力抜いて。力むと痛いんでしょ?」
「ダメだってば、お願い! ねえ、お願いだから!」

 涙目になって、真っ赤な顔で懇願する先生もたまらなくて、本当はお尻の穴に指を入れるつもりはないけど(少なくとも今日のところは)、もうちょっとだけからかうことにする。無駄に抵抗する先生の両手を掴んで、もう一方の手を先生のお尻の穴にゆっくりと伸ばすと……。

「こっ、今度にして!!」

 先生が必死の形相で叫んだ。今度……って、うそ、今度、やらせてくれるってこと?

「こ、今度、病院から、ゼリー、持って帰ってくるからっ! それからにして!!」

 ゼリー……持って帰ってくるのか!? マジか、先生。そういうのって、それ用のローションとか普通に売ってると思うけど。……そうか、先生、自分でゼリー持って帰ってきてくれるのか。……何か、いいね。ローションじゃなくて、医療用ゼリー……。ちょっと、興奮する。俺が……先生の、お尻の穴を、診察するみたいで……。『藍原さん、力を抜いて。診察しますよ』『あっ、ダメですっ、そこは恥ずかしいから……っ』『何も恥ずかしくないですよ、これはただの診察なんですから。さあ、足を開いて……』『あ……っ、ああっ、何か、変な感じ……っ』『大丈夫。だんだん慣れますから』くちゅ、くちゅ。『んぅ、あっ、はあ……、ああ、あ、何だか……キモチ、いいです……』『ふふふ、ただの診察なのに? お尻の穴で感じちゃうなんて、藍原さんの体は、いやらしいですねえ……』……なあんてプレイができちゃうってことか!? ああ、いけねえ、また先生の妄想癖が移った。でもダメだな、本物の医者相手にこんなプレイしたら、先生からダメ出し食らいそうだ。

 ……じゃ、なくて! プレイするかは別として、そろそろ先生をからかうのも止めにしないと、こんなに涙ぐんじゃって、さすがに可哀想だ。

「……わかったよ。じゃあ今日は、こっちの穴にしとく」

 そういって、先生がキモチよくなれるほうの穴に指を入れる。くちゅくちゅと中を撫でると、途端に先生は甘い喘ぎ声を漏らしてよがり始めた。同時に、先生の体中から、あの甘い匂いが――先生が感じてるときに出る、なんとも甘美な匂いが、汗の匂いに混ざって立ち込める。さっきまであんなにテンパってたのに、中をいじるとすぐキモチよくなっちゃうなんて、本当に先生の体はエロい。それがもう最高で、またもや俺の股間はカチンコチンで、今夜こそ、俺は我慢できないと思う。もう、挿れてもいいだろう。先生もどんどん大胆になってるし、今日なら、先生を怖がらせずに、最後までできる気がする。また拒否られたら、俺は今度こそ、どうなるかわからない。

「んッ、あっ、いいっ、ああっ、またっ、また、イキそ――」

 先生がガクガクと腰を揺らす。これで、先生をイカせて、先生が呆けてる間に、先生に挿れて。先生が怖がったり拒否ったりする前に、中を突いて、キモチよくさせて――

 ドンドンドン! ピンポンピンポン。

 !? なんだよこんな時間に、めちゃくちゃいいタイミングで、誰だよ!?

「お祝いに来てやったぜ、21歳おめでとう、寂しい新條クーーン!!」

 ……は!? マジかよ!?
 聞き覚えのありすぎる声に、思わず飛び起きる。顔を見合わせた藍原先生は、裸の上半身を恥ずかしそうに布団で隠そうとしていて……こんな状態で、大橋を家に入れるなんてありえねぇ。っていうか、なんでこんなタイミングで来るんだよ、あいつ!? マジふざけてんじゃねぇよ、わざとかよ!?

「……ここは、居留守使うしかないよね」

 これはもう、やり過ごすしかない。何がなんでも、今夜は藍原先生と成功させるんだ。音をシャットアウトするように先生と一緒に布団をかぶる。

 ドンドンドン!

「おいこら、いるんだろ、童貞クサレ野郎の新條クーン!!」

 は!? 馬鹿野郎、何いってくれちゃってんの!?

「ど、童貞じゃないよ!?」

 思わず起き上がって先生に弁明。くそーあいつ、こんな夜中にデカい声で人のことを童貞呼ばわりしやがって、どんな嫌がらせだよ!? さすがにこれは放っておけない。これ以上騒がれるわけにはいかない。……ああチクショー、藍原先生との貴重なチャンスが!! 大橋のクソ野郎、ただじゃおかねぇ!!
 
 先生が慌てて服を着るのを見届けてから、怒りに任せてドアを開けた。

「うるせえよ大橋! ふざけんなよてめえ!」
「うぇーい! ハッピーバースデー、童貞新條くーん、可哀想なおまえのために、心優しい親友の大橋くんが、お祝いに来てあげまちたよ~」

 何がお祝いだよ、いらねーよそんなもん! てめえが俺んちで飲みたいだけだろ!? ってか、すでに酔っぱらってるじゃねえか、飲んだくれが!!

 大橋が部屋に入って、藍原先生を見て、固まった。……そういえば、付き合ってるって、まだいってなかった。大橋の目があちこち泳いで、それから、ベッドのほうで止まって……ん? 布団からはみ出してる、あの水色のは……もしかして……

「きゃあああっ!? いやああっ、忘れてたっ!!」
「ええっ!? マジ!? えええーっ!? え、まさか、付き合ってんの!? もしかして、今、ヤッてる最中だった!?」

 先生の悲鳴と、大橋の絶叫は、ほぼ同時だった。……先生。どうしてブラ付け忘れてるんだよ……。うっかりにもほどがあるだろ、今、ノーブラかよ……。もう、ブラウスの胸元から、視線が外せないよ。紺色のブラウスだから透けはしないけど……感じて尖った乳首の形が、いつ出るかいつ出るかと思うと、もう絶対、目が離せない!
 
「おい新條、てめえいつから付き合ってんだよ!? マジかよ、どうやったんだよ!?」
「うるせえ、黙れよ大橋、近所迷惑だろ!」
「こ、これが興奮しないでいられるかよ!? ああっ、そうだ、楓さんに電話! 報告しなきゃ!」

 突然携帯を取り出して電話をかけ始める。

「や、やめろよ、楓さんだっていい迷惑――」
「あっ、もしもし、楓さん!? ちょっと聞いてよ、すげえ大ニュース! え? あっ、ダメダメ、切らないで! ほんとに大ニュースなんだってば、聞かないと損するよ! あのさ、あのさ、なんと、新條と、藍原先生が、デキてたって、知ってた!? だろーーー!? 信じらんねえだろ!? これがホントなんだな! 今、まさに新條の家で、目撃しましたッ! ふたりがヤッてるところ! マジモンだぜ、楓さん、ちょっと今から来てよ!! 待ってるから!!」
「……はっ!? おいてめえ、何勝手に人んち押し掛けてきて、しかも楓さん誘ってんだよ!? ふざけんなよ、おまえは歓迎されてねーんだよ! 帰れよ、とっとと帰れ!」

 もう怒りが収まらねえ! どんだけ勝手なんだよ、こいつは!

「なんだよ、せっかく誕生日のお祝いに来てやったのに、冷たいんじゃないの、新條クン? そんなに早く藍原先生と続きがヤリたいわけ?」
「ああそうだよっ、だからてめえは邪魔なんだよっ!」
「し、新條くん!」

 ああやべえ、怒りに任せてつい本音をいっちまった。藍原先生が真っ赤になってる。

「い、いいじゃない、せっかく来てくれたんだから! ほら、お酒とおつまみも買ってきてくれてるわよ? みんなでお祝いしましょうよ」

 ちょっと落ち着いた様子の藍原先生がいう。……でも先生。先生、あいかわらずノーブラだろ? 見えたよ、さっき、水色のブラをこっそり着ようか隠そうか迷ったあげく、そっと布団の中に押し込んだのを……。ノーブラで、男ふたりと部屋飲みって、危ないと思うよ?
 でも、藍原先生は俺と違って、大橋に対して本当に怒ってないみたいだ。ニコニコして座卓の片づけなんて始めてる。……早く続きがしたいと思ってるのは俺だけで、ひょっとしたら先生は、そんなに気にしてないのかも。
 ……仕方ない。先生がそういうつもりなら……今更こいつに帰ってもらっても、またいい雰囲気になれるとも思わないし……。
 俺は深いため息をつくと、飲み明かす覚悟を決めた。
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