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Chapter 1.極悪鬼畜研究所で絶体絶命の貞操危機(試し読み)
1-03 どうやら人間は絶滅したらしい
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この世界に来てから、俺は動物人間たちを注意深く観察して、いくつかの事柄を知った。
まず奴らの話す「基本言語」。
妙な響きの、聞いたことのない言語だ。でもなぜか、理解できた。鳥人間が「培養中の基本言語ラーニングは、無事完了」とか言ってたから、何らかの形で俺に学習させたらしい。詳細は不明だが、とにかく、奴らが何を言っているのかは、問題なく聞き取れる。もちろん、難しい単語に関しては、何を言っているのかさっぱりなのだが、奴らが俺に向けて使う言葉の大半は、理解できた。
でも、その「基本言葉」とやら、俺にはうまく発音することができないのだ。
どうやら奴らとは発声器官の構造が違うらしく、聞き取ることはできても、話すことができない。そして当然ながら、動物人間たちには、俺の話す日本語が通じない。
だから俺が何か伝えようと口を開くと、とんちんかんな答えが返ってきたりする。
例えば、「靴が欲しい」と俺が言えば、それを聞いた奴らは「足が痛いのかい? どこ? 異常はないようだけど……」なんて答える。「外に行きたい」と言えば、「お腹が空いたのかい? あと1時間ほどで食事の時間だから、それまで我慢してね」などと言われる。
まるであれだ、ペットと主人。
俺は奴らに飼われている犬か猫みたいな扱いだった。奴らはみんな、自分たちと比べて俺の知能が格段に劣ると思っている。そりゃ俺は、頭が良い方ではないけど、はっきり言ってバカな方だだけど……3歳児並の扱いは、ひでぇよ。
「犬とか猫って、こんな気持ちだったのかな……。ハッ! もしかして、犬とか猫って人間が思っているより色んな事を考える能力があるのに、伝える手段がなくて、諦めていただけとか……じゃね?! ……ははは……まさか……ね……。いや……もしかしたら……」
もしかしたら簡単な意思疎通はできる、もしくは、できるように見えるが、両者の言語に隔たりがあるため、互いに深い交流ができない――そんな風に考えることもできる。
まあ、それはさておき。
とにかく俺は、この認識のずれを利用して、率先して奴ら――「飼育係」から情報を仕入れた。「アホですから何を言われてもほとんど理解できないので、安心してくださいね」という風に装って。おしゃべりな飼育係にすり寄って、自らしゃべるように促したこともある。
そうやって情報収集を試みた結果、この世界はなんと、なんとだよ、なんとぉっ、魔王とやらが支配する世界らしいことがわかった。
マジかよ、魔王ってことは、ここ魔界?!
しかも、人間――奴らが「ニンゲン」と呼んでいる種族は、ずいぶん昔に絶滅したらしい!!
じゃあなんで今、「ニンゲン」である俺が存在してるのかっていえば、「ニンゲン復活プロジェクト」なるものが発足していて、魔法と科学の融合した何かよくわからん手段で、「ニンゲンの素」を見つけてきては「培養」して生み出しているらしいのだ。
それならもう絶滅とは言えないんじゃない? と、思ったのだが――「培養」に成功するのは、ことごとく雄のみ、らしい。雌は生まれてくるのを拒否するみたいに、「培養」に100%失敗するんだと。そして雄の成功率も著しく低く、1体生み出すだけでも、相当な費用がかさむらしい。
だから生み出された個体は、そのほとんどが、金持ちに高額で売却される。
なんとこの魔界では、あらゆる生体の売買が合法とされているらしい。
もちろん厳密なルールがあるらしいんだが、極端な話、金に困って自ら自分を売ることすら認められているんだと。
ろくでもない世界だが、俺のいた世界だって、ろくでもなさではそれほど違わないな、という気がしてくる。家畜を悲惨な環境で生かし利用し、病気が蔓延したらことごとく殺してしまう。可愛いからって飼い始めたペットを、飽きたと言って捨ててしまう。ひどいもんだ。うん、ほんと、ひどいよ。
それに日本での俺だって、奴隷みたいなものだった。いわゆる底辺の労働者は、資産家にいいようにこき使われ、使えなくなったらポイ、だもんな。
うん、人間なんて、ろくでもない。
絶滅した方が平和だろう。
それなのに……なんだってこの世界は、その人間という種を復活させようなんてしてるんだ?
もしかしてこれは……なんかの、罰なのか?
人間に対する、罰?
この世界は、人間に罰を与える世界?
そんな考えがよぎり、俺はゾッとした。
無理やり復活させられて、誰に買われてどんな扱いをされるか分からないなんて、恐怖でしかない。
この「ニンゲン研究所」で研究材料になるのだって、同じだ。恐怖しかない。
逃げ出したい。
でも、外の様子が一切わからないし、逃げ出せたとしても、「更なる地獄へご招待♪」されるだけかもしれない。だってここ、魔王が支配する世界なんだぞ?
「冗談じゃないぞ……。ここは、慎重に。そうだ、慎重に行動しないと……身の危険が危ないしいきなり人生終了して終わるかもしれない」
内心パニック状態の俺は重複表現を多用しながらガクブルし、とりあえず、脱出手段を探しながら様子を見ることにした。
そしてここに来て7日目のこと。
検査がすべて終わったとかで、俺は「初お披露目部屋」と呼ばれる場所に連れて行かれた。
そこで初めて俺は、他のニンゲンと会った。
周囲を柵で囲まれたその部屋の中には、10人ほどのニンゲンがいた。
見たところ、いずれも子供で、10歳~16歳ぐらい、といった感じだ。
外見は様々で、金髪碧眼の少年もいれば、濃い色の肌の子供や、アジア系もいる。共通点は、全員、男子という点だけ。
俺はとりあえずアジア系の、俺と同じ年ごろの少年に話しかけてみたが、相手はポカンとして俺を見るだけで、「うー」とか「あー」しか言わない。その子の中身は、まるで幼児のようだった。
俺はそこにいた全員に話しかけてみたが、日本語は誰にも通じなかったし、ほとんどが精神年齢3歳~6歳ぐらいの小さな子供という雰囲気で、この異常な現状を話し合えるような相手は見つからず、がっかりした。
でも一人だけ、俺に対してはっきりした反応を見せた子がいる。
一点のシミも無い綺麗な白い肌を持つ、金髪碧眼の美少年だ。年のころは、恐らく15歳前後。
彼は見下すような目で俺を見たあと、英語っぽい言語で何か返事してきた。その口調と表情から察するに、それは侮蔑の言葉らしかった。
俺に英語力があれば、そいつと会話することもできたかもしれない。でも、俺の英語は……喫茶店で「アイアムはコーヒー」なんて言っちゃうレベルだ。――悪かったな、アホで!!
うう……何だよ、金髪碧眼美少年め、そんなキングオブアホを見るような軽蔑した目で俺を見るな! どうせ俺はアホだよ! 本人が一番苦に思ってるんだから、傷口に塩を塗るような態度をとるな!!
うう、こいつ絶対、性格悪い。あごをクイッなんて上に向けて、腕を組んで「ハハッ!」なんて嗤ってやがる。
こいつに日本語は通じないと分かっちゃいるが、何か進展があるかもしれないし、言い返してやるか……と思って口を開きかけたとき、誰かの声が飛んできた。
「あの子を見て、ホラ、なんて綺麗なニンゲン! 透き通るような白い肌に、青い瞳! とても愛らしいわ!」
この部屋はぐるりと柵に囲まれていて、柵の外側には通路がある。その通路に、動物人間たちが「飼育係」に案内されて次々とやって来た。
そこで俺は、やっと気が付いた。
「初お披露目部屋」――ここは、この世界の金持ちが、ペットニンゲンの品定めをするための檻なのだ。俺たちは檻に入れられて、飼い主に買ってもらうのを待つ、子犬か子猫みたいなものだったのだ。
「嘘だろ、なんて恐ろしい……」
そう呟いてガクブルしている俺とは正反対なことに、例の金髪碧眼美少年は笑顔を振りまきながら客たちの方に近づいて行った。美少年は、「おいでおいで」と言ってる鳥っぽいくちばしと翼を持つご婦人のそばまで行くと、柵越しににっこり笑って愛嬌を振りまいている。鳥婦人は喜びまくって隣の鳥男に言った。
「素敵! なんて可愛い子なの! それに賢い! おいで、って言った私の呼びかけに応じたわ! ねえあなた、私、この子が欲しいわ! こんな綺麗なニンゲン、見たの初めてよ! ね、買いましょう!」
「ああ、いいとも。おまえが気に入ったのなら。しかしこの子は、希望者が他にも出て、オークションになると思うぞ。無事に落札できればいいが……」
オークションもあるのか。とんでもないな。
俺はすっかり怖くなってきて、柵からできるだけ離れることにした。客たちの視線は恐怖でしかないため、部屋の中央にしゃがみ込むと三角座りをして顔を膝にうずめる。
誰かに買われるなんて、恐ろしい。誰も俺を見ないでくれ、欲しいと思わないでくれ――そんな気持ちで、じっとうずくまる。
その様子を見た動物人間たちは、俺を「元気のないニンゲン。すぐ死ぬかも」と思うだろう。そうすれば買うのを避けるはずだ。
その思惑通り、俺は誰からも注目されなかった。
次の日も、また次の日も「初お披露目部屋」に入れられたが、俺は誰の目にも留まらなかった。
いいぞ、よし、元気ないふり続行だ、と俺は胸をなでおろしていた。
しかし――その時の俺は、知らなかった。
「初お披露目部屋」で誰からも予約の入らなかったニンゲンが、次にどうなるかを。
なんと初お披露目で売れ残ったニンゲンは、次に性的娯楽の対象として、売りに出されるのだ。
まず奴らの話す「基本言語」。
妙な響きの、聞いたことのない言語だ。でもなぜか、理解できた。鳥人間が「培養中の基本言語ラーニングは、無事完了」とか言ってたから、何らかの形で俺に学習させたらしい。詳細は不明だが、とにかく、奴らが何を言っているのかは、問題なく聞き取れる。もちろん、難しい単語に関しては、何を言っているのかさっぱりなのだが、奴らが俺に向けて使う言葉の大半は、理解できた。
でも、その「基本言葉」とやら、俺にはうまく発音することができないのだ。
どうやら奴らとは発声器官の構造が違うらしく、聞き取ることはできても、話すことができない。そして当然ながら、動物人間たちには、俺の話す日本語が通じない。
だから俺が何か伝えようと口を開くと、とんちんかんな答えが返ってきたりする。
例えば、「靴が欲しい」と俺が言えば、それを聞いた奴らは「足が痛いのかい? どこ? 異常はないようだけど……」なんて答える。「外に行きたい」と言えば、「お腹が空いたのかい? あと1時間ほどで食事の時間だから、それまで我慢してね」などと言われる。
まるであれだ、ペットと主人。
俺は奴らに飼われている犬か猫みたいな扱いだった。奴らはみんな、自分たちと比べて俺の知能が格段に劣ると思っている。そりゃ俺は、頭が良い方ではないけど、はっきり言ってバカな方だだけど……3歳児並の扱いは、ひでぇよ。
「犬とか猫って、こんな気持ちだったのかな……。ハッ! もしかして、犬とか猫って人間が思っているより色んな事を考える能力があるのに、伝える手段がなくて、諦めていただけとか……じゃね?! ……ははは……まさか……ね……。いや……もしかしたら……」
もしかしたら簡単な意思疎通はできる、もしくは、できるように見えるが、両者の言語に隔たりがあるため、互いに深い交流ができない――そんな風に考えることもできる。
まあ、それはさておき。
とにかく俺は、この認識のずれを利用して、率先して奴ら――「飼育係」から情報を仕入れた。「アホですから何を言われてもほとんど理解できないので、安心してくださいね」という風に装って。おしゃべりな飼育係にすり寄って、自らしゃべるように促したこともある。
そうやって情報収集を試みた結果、この世界はなんと、なんとだよ、なんとぉっ、魔王とやらが支配する世界らしいことがわかった。
マジかよ、魔王ってことは、ここ魔界?!
しかも、人間――奴らが「ニンゲン」と呼んでいる種族は、ずいぶん昔に絶滅したらしい!!
じゃあなんで今、「ニンゲン」である俺が存在してるのかっていえば、「ニンゲン復活プロジェクト」なるものが発足していて、魔法と科学の融合した何かよくわからん手段で、「ニンゲンの素」を見つけてきては「培養」して生み出しているらしいのだ。
それならもう絶滅とは言えないんじゃない? と、思ったのだが――「培養」に成功するのは、ことごとく雄のみ、らしい。雌は生まれてくるのを拒否するみたいに、「培養」に100%失敗するんだと。そして雄の成功率も著しく低く、1体生み出すだけでも、相当な費用がかさむらしい。
だから生み出された個体は、そのほとんどが、金持ちに高額で売却される。
なんとこの魔界では、あらゆる生体の売買が合法とされているらしい。
もちろん厳密なルールがあるらしいんだが、極端な話、金に困って自ら自分を売ることすら認められているんだと。
ろくでもない世界だが、俺のいた世界だって、ろくでもなさではそれほど違わないな、という気がしてくる。家畜を悲惨な環境で生かし利用し、病気が蔓延したらことごとく殺してしまう。可愛いからって飼い始めたペットを、飽きたと言って捨ててしまう。ひどいもんだ。うん、ほんと、ひどいよ。
それに日本での俺だって、奴隷みたいなものだった。いわゆる底辺の労働者は、資産家にいいようにこき使われ、使えなくなったらポイ、だもんな。
うん、人間なんて、ろくでもない。
絶滅した方が平和だろう。
それなのに……なんだってこの世界は、その人間という種を復活させようなんてしてるんだ?
もしかしてこれは……なんかの、罰なのか?
人間に対する、罰?
この世界は、人間に罰を与える世界?
そんな考えがよぎり、俺はゾッとした。
無理やり復活させられて、誰に買われてどんな扱いをされるか分からないなんて、恐怖でしかない。
この「ニンゲン研究所」で研究材料になるのだって、同じだ。恐怖しかない。
逃げ出したい。
でも、外の様子が一切わからないし、逃げ出せたとしても、「更なる地獄へご招待♪」されるだけかもしれない。だってここ、魔王が支配する世界なんだぞ?
「冗談じゃないぞ……。ここは、慎重に。そうだ、慎重に行動しないと……身の危険が危ないしいきなり人生終了して終わるかもしれない」
内心パニック状態の俺は重複表現を多用しながらガクブルし、とりあえず、脱出手段を探しながら様子を見ることにした。
そしてここに来て7日目のこと。
検査がすべて終わったとかで、俺は「初お披露目部屋」と呼ばれる場所に連れて行かれた。
そこで初めて俺は、他のニンゲンと会った。
周囲を柵で囲まれたその部屋の中には、10人ほどのニンゲンがいた。
見たところ、いずれも子供で、10歳~16歳ぐらい、といった感じだ。
外見は様々で、金髪碧眼の少年もいれば、濃い色の肌の子供や、アジア系もいる。共通点は、全員、男子という点だけ。
俺はとりあえずアジア系の、俺と同じ年ごろの少年に話しかけてみたが、相手はポカンとして俺を見るだけで、「うー」とか「あー」しか言わない。その子の中身は、まるで幼児のようだった。
俺はそこにいた全員に話しかけてみたが、日本語は誰にも通じなかったし、ほとんどが精神年齢3歳~6歳ぐらいの小さな子供という雰囲気で、この異常な現状を話し合えるような相手は見つからず、がっかりした。
でも一人だけ、俺に対してはっきりした反応を見せた子がいる。
一点のシミも無い綺麗な白い肌を持つ、金髪碧眼の美少年だ。年のころは、恐らく15歳前後。
彼は見下すような目で俺を見たあと、英語っぽい言語で何か返事してきた。その口調と表情から察するに、それは侮蔑の言葉らしかった。
俺に英語力があれば、そいつと会話することもできたかもしれない。でも、俺の英語は……喫茶店で「アイアムはコーヒー」なんて言っちゃうレベルだ。――悪かったな、アホで!!
うう……何だよ、金髪碧眼美少年め、そんなキングオブアホを見るような軽蔑した目で俺を見るな! どうせ俺はアホだよ! 本人が一番苦に思ってるんだから、傷口に塩を塗るような態度をとるな!!
うう、こいつ絶対、性格悪い。あごをクイッなんて上に向けて、腕を組んで「ハハッ!」なんて嗤ってやがる。
こいつに日本語は通じないと分かっちゃいるが、何か進展があるかもしれないし、言い返してやるか……と思って口を開きかけたとき、誰かの声が飛んできた。
「あの子を見て、ホラ、なんて綺麗なニンゲン! 透き通るような白い肌に、青い瞳! とても愛らしいわ!」
この部屋はぐるりと柵に囲まれていて、柵の外側には通路がある。その通路に、動物人間たちが「飼育係」に案内されて次々とやって来た。
そこで俺は、やっと気が付いた。
「初お披露目部屋」――ここは、この世界の金持ちが、ペットニンゲンの品定めをするための檻なのだ。俺たちは檻に入れられて、飼い主に買ってもらうのを待つ、子犬か子猫みたいなものだったのだ。
「嘘だろ、なんて恐ろしい……」
そう呟いてガクブルしている俺とは正反対なことに、例の金髪碧眼美少年は笑顔を振りまきながら客たちの方に近づいて行った。美少年は、「おいでおいで」と言ってる鳥っぽいくちばしと翼を持つご婦人のそばまで行くと、柵越しににっこり笑って愛嬌を振りまいている。鳥婦人は喜びまくって隣の鳥男に言った。
「素敵! なんて可愛い子なの! それに賢い! おいで、って言った私の呼びかけに応じたわ! ねえあなた、私、この子が欲しいわ! こんな綺麗なニンゲン、見たの初めてよ! ね、買いましょう!」
「ああ、いいとも。おまえが気に入ったのなら。しかしこの子は、希望者が他にも出て、オークションになると思うぞ。無事に落札できればいいが……」
オークションもあるのか。とんでもないな。
俺はすっかり怖くなってきて、柵からできるだけ離れることにした。客たちの視線は恐怖でしかないため、部屋の中央にしゃがみ込むと三角座りをして顔を膝にうずめる。
誰かに買われるなんて、恐ろしい。誰も俺を見ないでくれ、欲しいと思わないでくれ――そんな気持ちで、じっとうずくまる。
その様子を見た動物人間たちは、俺を「元気のないニンゲン。すぐ死ぬかも」と思うだろう。そうすれば買うのを避けるはずだ。
その思惑通り、俺は誰からも注目されなかった。
次の日も、また次の日も「初お披露目部屋」に入れられたが、俺は誰の目にも留まらなかった。
いいぞ、よし、元気ないふり続行だ、と俺は胸をなでおろしていた。
しかし――その時の俺は、知らなかった。
「初お披露目部屋」で誰からも予約の入らなかったニンゲンが、次にどうなるかを。
なんと初お披露目で売れ残ったニンゲンは、次に性的娯楽の対象として、売りに出されるのだ。
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