道楽草

十三岡繁

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生物と非生物

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 考えても分かるわけがないのに、どうしても定期的に疑問に思ってしまうことがある。今回はNASAが発見したという、火星の生命の痕跡がトリガーとなった。

 生物と非生物の境界はどこにあるのか? 代謝をして増殖ができるものを生物とするならば、人間の体組織から抽出された細胞を培養した場合、それは生物と呼べるのだろうか? 言い方を変えれば生きていると言えるのだろうか?

 多分そのうちに、体細胞一つから体全体を復元することも可能になると思う。その時に。その個体は意識や自我というものを持ち得るんだろうか? 全ての意識や自我が脳由来であるとするならば、そうなるかもしれないが、何か違うような気もする。これを言えばマッドサイエンティストと同じだが、その実験がもし可能となったとき、の結果が生命の根本を知る手掛かりになりそうな気がする。

 話を最初に戻そう。昔のまだ生物の存在しなかった地球に、なにかしらの化学変化が起こって生物の元が誕生したという。当時の環境を再現して、化学変化によってアミノ酸までは作れたようだが、そこから先には進まない。科学の理論というのは、再現性が何より重視されるのではなかったのか? だとすればその生命誕生の理論は現在のところ、非科学的という事だ。

 現代文明では、それなりに科学が発達しているとは思うが、人工ウィルスは作れても、いまだに人間は単細胞生物の一つを作ることも出来ない。せいぜいできてコンピューター内でシミュレーションするぐらいだ。成程、バーチャルの世界であれば人間は既に、生命を誕生させることができるのだ。宇宙の構造がもしマトリョーシカの様に入れ子構造で、フラクタルなのであれば、この事実は非常に興味深いような気がする。イーロンマスク氏などは、この世界はシミュレーションであると強く信じているようだが、それを可能としている何かしらの存在があるとすれば、彼らには生命を誕生させる事も可能なのだろう。

 最近数学的なアプローチで、偶然地球に生命が発生するかを、確率的に考察したチームがいたらしい。結論はほぼ不可能というものであった。ゼロでは無いが天文学的に低い確率だという事だ。それと同じことが火星で起きたていたとなると、確率は更に限りなくゼロに近づいてしまう。もしNASAの発表が真実という事になれば、生命の源は宇宙由来であるという、パンスペルミア説の方が直感的には正しいような気がしてくる。この広大な宇宙の中であれば、天文学的に低い確率であっても、生命はどこかで誕生し、その後広がっていけるかもしれない。

 この発想の面白いところは、もし将来地球外生命体と接触することがあったとして、その構造は地球上の生物とも、共通性がありそうだというところだ。元が同じなのだから、分化した先に共通性があるのは生物全般に言えるところだ。
 いつか生物の進化系統図も、銀河系全体に広がるかもしれない。

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