14 / 74
13、ヒロインが悪役令嬢呼び出したんですけど
しおりを挟む「ちょっと話があるから来なさいよ」
タイトルまんま、ぶりっ子ヒロインに呼び出されたんですけど。
今回は『ツラ貸しな』とか懐かしスケバン(…)ちっくなのは無いんですね、残念とか思ってないよ全然。ヨーヨー無いの?とか思ってないよ全然。(このネタ分かる人いるのかな…とか思ってないよ全然)
場所は先日のあの人気の無い校舎裏。また地面に頭から埋まりたいんだろうか。あれトラウマにならなかったの?よく同じ場所に呼び出すなあ。
などと思いつつ、素直に応じる私も私だ。暇人ですけど何か?
「話とは?」
「助けろ」
「やだ」
はい、話終わり~。じゃそーゆーことで~。
「いやいやいやいや!まてまてまてまて!」
「いやまて多いな」
とっとと立ち去ろうと思ったのに、腕掴まれちゃったよ。何これ痴話喧嘩か別れ話のもつれか。
「話くらい聞きなさいよ!」
「え~やだ~」
どうせ碌でもない内容に決まってる。私はおもっきし顔をしかめてその手を振り払おうとブンブン腕を振ってみた。
「最近、周囲の人間のあたしへの当たりがキツイのよ」
「話し始めんなや」
聞くと言ってないだろうが、何処までもマイペースなやっちゃな。くそう、手が離れん!
「王家は元より伯爵夫妻も最近厳しくてさ。学校終わって帰宅したら、家でも勉強ベンキョーおべんきょー!で気が狂いそうよ!」
「そりゃ良かった」
しまった、つい本音が出てしまった。
「その上、聖女崇拝してるはずの神殿も冷たいし!」
マイペース女に私の声は届かない仕様なのかな。
でも今の話は興味をそそるね。聖女びいきの神殿が、聖女候補のぶりっ子に冷たいとはどういうことだろう?
首を傾げてると憮然とした表情のぶりっ子。
「なんかあたしが聖女かどうか怪しくなってきたって……何よそれ、ヒロインは聖女に決まってるでしょ!貴族としてのマナーがなってないとかどうでもいいのよ!」
あ、あ~なるほどね!あまりに奇行が目立ちすぎて神殿も庇いきれなくなってきたってか!そりゃねえ、こんな変な聖女は誰だって嫌よねえ。
「私以上に聖女に相応しい女がいるかってーの!至高の存在である私を何だと思ってんのよ!!」
本人分かってないけど。痛い子は今日も天上天下唯我独尊。
「何とも思ってないんじゃないの?」」
ざまーみろなんだけど、これは敢えて言うまい。十分すぎるほどに睨まれてるので。なぜだ、私は悪くないのになぜ睨む。
「大体ねえ、あんたが邪魔してくるから悪いんでしょうが!あんたのせいで私のイメージガタ落ちよ!」
「元から、落ちるほどの高いイメージ無かったと思うけど」
「なんですってえぇぇ!」
ふぎいいい、腕を掴む手に力入れるなー!地味に痛いわ!
仕返しとばかりに私も掴まれてない方の手を伸ばす。ムギュッとな。
「そもそも自業自得でしょーが。私はぶりっ子やめて一人に一途になったら放置するって言ったわよ。男漁り止めなかったのはあなたでしょ?」
「ヒロインなんひゃからとーへんへひょ!」
ホッペをおもっきし引っ張ってやったから何言ってるかサッパリ分からんわ。ヒロインなんだから当然でしょってか?そーかそーか。
「そんな子のホッペは要らないよね~」
ムギュギュギュギュギュ~~~
「はひよ、はふぇはひから(なによ、負けないから)」
ギリギリギリギリギリギリ……
不毛な争い終わらんな、これじゃ。早く終わらせたい、帰りたい、誰かこれどうにかしてよ。
仕方ない、早く終わらせるには話聞くしか無いか……。私は溜め息をついてぶりっ子と向き合うのだった。
「それで、何がどうして『助けろ』になるわけ?」
それが人に物を頼む態度かと言いたいが今は置いておく。早く済ませたいから。
パッと手を放してもまだぶりっ子の頬は伸びていた。餅か。そういやこの世界にお餅無いよね、食べたい、かつての故郷の味恋しい、誰か作って切望。
「…………」
「言わないなら帰るよ」
言わないなら呼び出さないでよね。顔をしかめてると、意を決したようにぶりっ子が厳しい顔で私を見てきた。
「昨日、神殿に呼び出しくらったのよ」
「お、締められた?」
呼び出し=締める、の図式が頭から離れない脳。
「違うわよ!近いけど違うわよ!」
「近いのか」
なんなんだよ、早く要点話せよ。ちょっとイラっときてたら渋い顔で呟くように言った。
「……のよ」
「はい?」
「魔王を!封印してこいって言われたのよ!!!」
お~う……
31
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした
由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。
無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。
再び招かれたのは、かつて母を追放した国。
礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。
これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる