ぶりっ子男好き聖女ヒロインが大嫌いなので悪役令嬢やり遂げます!

リオール

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15、驚きの連続で悪役令嬢は卒倒寸前です

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 ──アンナシェリぃぃぃーーーー!!!!!

 聖女(候補)一行が魔王封印の旅に出て一ヶ月くらい経った頃。どこからともなく聞こえてきた叫び声に(多分ぶりっ子が魔王に会って事実を知ったんだろう)、腹を抱えて笑ったのが数日前。

 で、なぜか目の前には。

「なぜ居るし」
「帰ったからよ!」
「早すぎない?」
「飛んで帰ったのよ!」
「マジですか、すごー」
「ふんっ!とーぜん!」

 これ、聖女候補と公爵令嬢の会話ね。信じられないだろうけど信じて。

 案の定ぶりっ子と共に行ったのは、テリス第二王子以下のキャラ数名。
 王太子・ロルス・ゾルゼンスといった強い面々は、当然のように行かなかった。

 よく誰も死なずに帰ってこれたものだ。王宮では最悪な場合を考えて……というかそうなると思って、王太子・ロルス・ゾルゼンス、更には屈強な騎士団が、王命の元、魔王封印の準備してたってのにな。──彼らを聖女候補と共に行かせなかった王家って結構腹黒よね。

「魔王封印なんて大した事無かったわ。ま、これが私の実力ってやつね」
「ちっ、ボロボロで帰ってきたくせに」
「ちょっと!今舌打ちしたでしょ!」
「ちっ」

 ふざけんな!と殴りかかってくるかと思ったが来なかった。なぜって場所が悪いから。
 なぜか二人して王に呼び出されて王宮やってきましたよ。二人きりだけど、どこで誰が見てるか分からんからねえ、猫かぶるのも大変だわ。私の猫は不在がちだけど。

 部屋まで案内してくれたメイドさんは既に居ない。私とぶりっ子の二人きりで目の前の扉を見つめる。いつ見ても大きい扉だなあ。
 何度も来てるので私は知っている。この先に王が居る事を。

 だらだらくっちゃべってても仕方ない。意を決して扉をノックしようとしたら。

ガチャッ

 お前もう死ぬわ。
 気が狂いそうなくらいに伯爵家でさせられてた勉強どこいった!マナーの勉強もあっただろ!?なんでいきなり扉開けるかね!?

 驚きのあまり動けずに居たら、そのままぶりっ子は部屋に入って行ってしまった。ちょ、待てえええ!!!

 慌てて追いかけたらば。

 居ました、王太子とテリス王子。部屋の真ん中に据えられたテーブル挟んで左右に立派なソファ。向かい合って座っておいでで。

 正面には更に立派で大きなソファ。そこには──

「国王陛下と王妃様におきましては本日もご機嫌麗しゅう……」

 麗しくない麗しくない、絶対麗しくない!心の中で冷や汗かきつつカーテシー。多分すんごいぎこちないと思うけど。もうぶりっ子が気になって気になって……!

「ベルシュ様あん、ミサキ頑張りましたのん!魔王って本当強くて恐ろしくて……怖くて怖くて何度も泣いちゃいましたあ。でも頑張ったので褒めてくださいん」

 久々に見たなあ、コテコテのぶりっ子。凄いなあ、国王とか王妃とか全無視って凄いなあ。もう驚き通り越して心が無だわあ。

 もう一度言う。
 お前、絶対もうすぐ死ぬわ。ゲームの強制力でもどうにもならんと思う、絶対。

 気が遠くなりそうになってたら。
 ゴホンと大きな咳払いが聞こえた。国王だ。

 私は慌てて頭を下げるが、上げるように優しく言われた。ほっ。

「突然の呼び出しすまぬな」
「いえ、お呼びとあらばいつでも……」
「ね、見て見てベルシュ様!ここ魔王の攻撃で怪我しちゃったんですう、痛いんですう!」

 も、お前いますぐ死ねやあ!!

 国王夫妻の目が無かったら、パイルドライバーくらわしてやってたわ!!
 理性働く自分が悲しい!死罪覚悟してる身でも、さすがに出来ない事があるんだよ!

「アンナ、目が死んでる死んでる。暗い闇が見えてる」

 ベルシュ様が止めてくれなかったら、多分視線で殺せてた。自信ある。
 そんなベルシュ様は腕に絡みつく害虫に苦笑を浮かべていた。

 思っきり突っぱねられてるのに離れないとか、凄い害虫がいるなあ。

 そしてそんな二人を苦虫を嚙み潰したような顔で見てるのが、向かいに座ってるテリスだ。その噛んでる苦虫、目の前のぶりっ子に変えたい。そんな魔法ないのかな。

 座るように促された私は、どこに座ったらいいんでしょうか。え、テリスの横?そうですね、ぶりっ子がベルシュ様の横を占拠してますもんね。テリス物凄い嫌そうですね、安心しろ私も嫌だっつーの!

 王の前なので顔には出さず、嫌々テリスの隣──極力離れたソファの端に座ったところで。

 王が口を開いた。

「二人に来てもらったのは他でもない。魔王封印を成功させたミサキ嬢が、聖女である可能性が一気に高まった。そこで、王家としては彼女を王族に迎えたいと考えている」

 ──は?
 突然の事にポカンとなってしまった。え、どゆこと?王族に迎える?ってことは。

「父上、では僕──私とミサキが結婚を!?」

 満面の笑みで立ち上がったのはテリスだ。そうだよね、そうなるよね。普通そう考えるわな、先日おもいっきり振られてたけど。強い。

 よく見ればテリスもあちこち怪我をしている。腕や頭に巻かれた包帯が痛々しい。きっと魔王からの攻撃が当たらないよう、ミサキをかばいまくったんだろうな。ちょっと同情する。というか回復魔法かけてもらってないの?そこの聖女候補、お前は鬼か悪魔か。

「いや、そうではない」

 と、予想外の王の返事にテリスは目を見開いた。それは私も同じだ。

 どういうことだろう?王の子供は王子二人の下に幼い王女三人だ。ミサキを王族にとなると、てっきりテリスのお嫁さんにと思ったのだけれど。

 じゃあ養女?王太子やテリスの兄妹になるの?

 ベルシュ様もテリスも、そして私も。
 王が何を言いたいのか分からず首を傾げていたら。

「聖女であるのなら、やはり王太子の妻となるのが相応しい。そこで聖女ミサキはベルシュの妻に。公爵令嬢アンナシェリはテリス第二王子の妻に。それを私は提案する」

 と、爆弾発言が投げつけられたのだった。

 はああああ!?!?












=====作者の独り言=====

ご機嫌うるわしゅう……って挨拶は退室の時に使うんですかね?調べてたらそんな感じのような……よく分からない。貴族世界とは無縁な、無知なのが書いてるので、その辺は生ぬるい目でスルーして頂けると嬉しいです(;^_^A
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