ぶりっ子男好き聖女ヒロインが大嫌いなので悪役令嬢やり遂げます!

リオール

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番外編-恋愛end~ケアミスver.(9)

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「さて、どうする?」
「は?」

 あまりに大雑把な問いに、ホントに「は?」である。

「どうするって何が?」

 首を傾げて問い返すと、軽く肩をすくめられてしまった。

「これからどうする?の意味以外何かあると思うか?」
「は?」

 それこそ「は?」なもんである。

「いやどうするって……ここに居座る以外に何かあるの?」

 え、今更人間界に帰れとかやめてよ。『ども~、魔族になっちゃいました~!』とか言って家族の元へ帰れってか?

 ──帰れるかい!

 いくら海より広く深い親の愛でも、流石に魔族になった娘を受け入れるのは……いや、多分あの両親兄姉なら受け入れかねないが。

 世間が許さないだろう。

 私だって家族を白い目で見られるなんて耐えられない。

 なので手紙を書く事にした。

 なんでか自由気ままに行き来してるケアミス(そうして誘拐されたわけだが)、もしくはぶりっ子に頼めばいいかなと。……ケアミスから家族に手紙を渡させるのは、危険な気がするから。ぶりっ子に頼むのが無難か。

『なんか~魔族になっちゃった~てへ♪そんなわけで末永く楽しく生きるつもりなので、心配しないでね☆』

 てな内容書いたんだけど。
 はたして家族はそれで納得してくれるだろうか。手紙持ってくぶりっ子が締め上げられなければ良いが。

 とりあえず魔王の魔の手から逃れられるか分からないけれど、早く戻ってこいぶりっ子。仕事だぞ!

 そう思い、壊された窓を見やって。
 そして視線をケアミスに戻したら。

「えええ……」

 なんか口元押さえてプルプル震えてるんですけど!なんで!?

「え、ちょっとケアミスどうし……」

 どうしたの。
 その問いを発する前に、こちらをチラリと見るケアミスと目が合った。

 なぜに目が潤んでるし。
 なんで顔が赤くなってるし。
 そしてその隠された口元。絶対笑いをこらえてるだろ!?

「い、いいのか……?」
「は?」

 これ何回目の「は?」だ。

 何がいいの?
 首をかしげたら、口元から手を放したケアミスは。そのまま手を胸にあてて、目を閉じス~ハ~と深呼吸しだした。
 なんだこれは、私は一体どこの男子学生から告白されるんだ。これ青春ラブストーリーだっけか?

 ……なんだか恥ずかしい空気が漂うので現実逃避してみた。うん、顔が赤いケアミスの目が彷徨ってる。なんか知らんが早くして。言いたいことあるなら早く言って。

 でないと、こそばゆいんですけど!?

 こっちまでソワソワしてしまい、妙な空気が流れること数秒。いや数分なのか?計ってないから分からないけど、時間の流れが早いような遅いような。

「ここに、居てくれるのか……?」
「え」

 そこか~。まずそこからか~。

 思わず苦笑しつつ、私は頷いた。

「魔族になっちゃったからね。人間界には戻れないよ」
「……すまない」
「なんで謝るかな?私が勝手した結果、死にかけたのを、助けてくれたんでしょ?感謝こそすれ、責める気などさらさら無いよ」

 というか、無理矢理攫ってきておきながら、何を今更なことを言ってるのだね。

「家族の元に帰りたいだろう?」

 これは何だ。この黒髪の美形は、どうしてこんなに子犬のごとき不安そうな目で私を見るのだ。何の罠だ、これは!

「いやまあ……会えるものなら最後に会いたかったけど。まあ別に?」
「そ、そうなのか?」
「ケアミスと一緒に居る方が楽しいからいいよ」

 そう言ってニコッと笑ったら。

 一瞬フリーズした後。

「うわ!?」

 ケアミスがガバッと抱きしめて来たのだ!

「ちょちょちょ!ストップケアミス、すとーっぷ!!」

 今は昼間なので!

 そう叫ぼうとしたのだけど。

「んんん──!?」

 アッサリと奪われ封じられた唇は、言葉を発する事はできなかった。

 パニックで何が起きてるのか理解できないうちに唇は解放されて。

 目のまえにはウットリとした顔のケアミス……黒い笑みが良く似合う魔族が一人。

「永遠にお前は俺のものだからな、アンナシェリ」
「!?!?!?」

 驚きのあまり口をパクパクさせるも言葉が出てこない!
 何このヤンデレ!デレがきっついわ!

「うきゃあ!?」

 固まって動けないでいる私を、ケアミスがいきなり抱き上げた。

「さあ、傷が癒えたとはいえまだ安静にしておけ。人間から魔族への変貌は体に負担がかかるからな」

 そう言って、優しくベッドに下ろされる。

「おやすみ、私の愛しい人」
「うえ!?」

 優しく頬にチューとかされてるし!変な声出るわ!
 てかお前誰だ!キャラ崩壊しとるがな!

 あたふたしてたらクックと笑う声。

 おのれ、おのれ、おのれええ!私をからかって済むと思うなよ!?

 いいように翻弄されてる事に不満。ちょっとムカっとするけれど。
 不思議と嫌じゃない。という事実は見ない事にして。

 ギロッとケアミスを睨んだら。

 ふふん、と機嫌よさげに笑われた。
 そして耳元に口を近づけてくる。ビクッとなって逃げようにも、掴まれた腕が許してくれない。

「なんだ、添い寝してほしいのか?」
「!?」

 それは此処へ来た当初にも言われたセリフ。あの時は全力で拒否したけれど……。

 今回は!
 ちょっとした意趣返しだ!

「そう?じゃあお願いしようかしら?」

 そう言ってニッコリ微笑み返してやった。
 どうだ!せいぜい慌てふためけ愚か者め!

 そんな内心してやったりの私の声が聞こえないだろうケアミスは、予想通りギョッとした顔をしたけれど。

 ──あれ?

 ギシリと音を立てて。

 あれれれ?

 ケアミスがベッドに上がってくる。

「え、何してるのケアミス」
「何って添い寝して欲しいのだろう?」
「いや添い寝って上に乗っかるものじゃなくない?」

 突っ込むべきとこはそこじゃない気もするけれど。大概私も動揺しているようだ。

「まさかアンナにそんな積極的な事を言われるとはな。嬉しいぞ」
「ちょっと待って、私地雷踏んだ!?」
「ジライ?何だそれは?よく分からんが、まあいい」
「いや待て、ちょっと待って!外が暗くて分かんないけどまだ昼頃だよね!?倫理上それは良くないんじゃない!?」

 そもそも安静とかどこいった!?

「魔族に何を言ってるのだ。なに魔族の命は長い、時間はたっぷりある……あれこれ教えてやろうぞ」
「なにをぉぉぉぉぉ!?!?!?」

 黒い笑みを浮かべたケアミスが、有無を言わさず上に乗っかってきて。

 その後──何があったかはご想像にお任せしますよ!





 まあ……魔族としてのこれからの人生。
 退屈せずに済みそうではあるかな。

「アンナあぁ!助けなさいよおぉぉぉ!?」

 外でまだぶりっ子の叫びが聞こえる気がしたけど。

 私はケアミスから与えられる刺激に抵抗するのに必死で、それどころでは無かったのだった──。





~【番外編-恋愛end~ケアミスver.】fin.~









=====

~あとがき~
時間かかりましたがやっと終わったケアミス!
他の二人のように一気に書き上げる事ができなかったのでかなり細かくなりました(汗
アンナは……一応ハッピーエンド?でもぶりっ子にとってはこれが一番悲惨?(苦笑

あと少しだけ番外編書いて終わりに向かいます。
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