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櫻花荘に吹く風~103号室の恋~ (2)
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春海と観月がここ櫻花荘へと引っ越して来て、早くも一週間以上の時間が過ぎた。心配していた春海の管理人修行も、今のところ何とか順調に進んでいるようで、毎日賑やかな声が櫻花荘に響いている。
あの引越しの日、珍しく夕食を一緒に取れるという北斗の帰りを待って、ささやかながら二人の歓迎会が開かれた。
在宅勤務のせいか曜日の感覚に鈍い由野は、久し振りに北斗がいる夕食の席で、ようやくその日が第3日曜日だったのだと思い至った。
詳しい話は聞いた事が無かったけれど、北斗は毎月一度第3日曜日だけは朝早くに起き出して、何処かへと出かけて行く。いつものようなスーツ姿ではなく、ジーンズにシャツを羽織っただけといったラフな格好で。
『あれ? デートかい、北斗くん?』
『由野さんおはようっす。んーまぁ、そんなようなもんかな? ってことで、行って来んね』
だいぶ前ではあるけれど、出掛けようとする北斗に鉢合わせた時に、思い切って訊いてみた由野だったのだけれど、どうやら誤魔化されて終わってしまったらしい。
けれど行って来ますと言って微笑む北斗の笑顔は、出勤時のどの時よりも楽しそうで。前夜も遅い時間に帰って来て疲れていない筈が無いのに、その足取りは確かにデートへ向かうような弾んだものだった。
もっとも、デートというには近所へ買い物へと行くような、余りに砕けた格好。普段の北斗を好きな相手ならば、間違いなく手抜きをされていると怒り出すだろう。
いつもは時間を掛けてセットしているヘアスタイルも、長めの茶髪を無造作に後ろへ流しただけの簡単なもの。どこで何をしてくるのか、帰って来た時にはその髪型すら崩れている有り様だ。激しい運動でもして来たのかと思うほど疲労困憊で帰って来るくせに、それでも充実した顔を見れば、北斗にとっての大切な時間がそこにあるのだと物語っているようだった。
その日も夕刻過ぎに帰って来た北斗は案の定疲れた足取りではあったけれど、やはりどこか充実した顔をしていた。
初めて顔を合わせた新しい住人二人へと、持ち前のサービス精神を発揮して積極的に語り掛けては、なぜか観月から邪険に扱われていた。
「へえー、春ちゃんにみっちゃんね。俺は北斗、宜しく!」
「何で北斗なんて名乗ってんだ? あんた大輔だろ? 契約書にそう書いてあったし」
「げ……なんでみっちゃんが知ってんの、杉田さん?」
通常通り源氏名を名乗って挨拶をした北斗へ、観月が怪訝そうに眉を寄せる。
突然暴露された本名に慌てる北斗の姿に、由野も疑問の表情を浮かべて杉田を見る。
「うん? ああ、櫻花荘の土地建物名義は、もう観月に譲渡してあるからね。契約書自体は管理人が保管する事になってはいるんだが、変更手続きの際に一通り目を通してもらったんだよ」
もともとの住人二人からの視線を受けた杉田が飄々と返した言葉に、驚いた北斗が目を真ん丸に見開いた。
「って事は、みっちゃんがオーナーになるわけ?」
「そういう事。っていうか、俺より年下のくせにみっちゃんって言うな! みっちゃんって呼んで良いのは春海だけなんだよ!」
「良いじゃないみっちゃん、その方が皆仲良しな感じがするよ?」
「春海は黙ってて」
「はい……」
北斗と観月が交わすテンポの良い会話の合間に、春海がにこにこと見当違いな言葉を挟み、観月からじっとりとした目で返される。
(春ちゃんて、やっぱりちょっと天然だよな)
ほのぼのとそんな様子を眺めながらも、由野は新たにもたらされた事実を脳内で反芻する。
なるほど、孫息子の観月が新しいオーナーになり、その幼馴染だという春海が新しく管理人になるのか。と、理解する間にも、食卓での会話はどんどんと進んで行く。
「久々ですね、こういう賑やかな夕食」
「そうだねぇ。やっぱり飯はこうして皆で食べた方が美味しいな」
反りが合うのか合わないのか、漫才の掛け合いのように進む北斗と観月の会話に、時折混ざる春海のボケ。杉田と由野が顔を見合わせて笑い合う。
その由野がふと視線を巡らせば、正面に座った春海と視線が絡んだ。どうやら自分を見ていたらしい春海へと 「ん?」 と首を傾げて見せた由野に、春海ははにかんだ笑顔を浮かべて何でもないと首を振る。賑やかな北斗と観月との会話を楽しそうに聞きながら箸を動かす春海の姿が、由野の中へ印象深く残った。
『いいですね、このまま進めて下さい』
歓迎会の翌日、新たに立て直したプロットにゴーサインが下りた由野は、さっそく初稿に取り掛かり始めた。2ヶ月に一度の雑誌の発売、由野が載せてもらえる事になった号の発売まで、もう3ヶ月しかない。
あれほど悩んでも一文字も書けなかった事が嘘のように、過去最短とも言える時間でプロットが切れた事に、由野自身が一番驚いていた。
『先生の持ち味である庶民的な感覚は無くして欲しくないんですよ』
担当の太田からはそう言われていたけれど、そんな心配も全く必要の無いものとなった。
ジャンル的には「花嫁物」と称される部類になるのだろうその話は、どこからどう読んでも庶民的なストーリー。
ただひとつ一般の恋愛小説と違うのは、嫁に入るのも娶る側も、どちらも男であるという事。所謂BL小説なのだから当たり前の事なのだけれど。
「にしても……本当、ゴメンね春ちゃん」
窓から見える菜園スペースで、杉田と共に畑仕事を楽しそうにこなす春海の姿が目に入り、由野は少々罪悪感に苛まれていた。
書き進めているその話、主人公である『 三好 修 』のモデルは、何を隠そう春海その人なのだ。受け攻めといわれる業界用語を使えば、役割的には受け担当である。
『小さな旅行会社に勤める三好は入社2年目。
不況の影響で今年は新入社員無し。今年も一番ぺーぺーである。
学生時代から住んでいた古いアパートが、漏電で小火騒ぎを起こす。
急遽、老朽化からの取り壊しが決定、貯蓄も無い三好は路頭に迷う。
ちょっとドジだが何事にも一生懸命で素直。
会社でも可愛がられるマスコット的存在。』
『高木晋一(攻め)
三好の会社の先輩社員。三好の指導員。
困っている三好を見兼ねて同居を提案。
仕事はそこそこ出来るが家事全般は全く駄目。
元来ノンケ。寝食を共にするようになって三好が気になりだす。
元々は可愛い後輩、というだけだったのだけれど……。 』
掻い摘んで説明すればこんなところだろう。
会社で見る顔と普段との違いに、三好は徐々に高木に惹かれて行く。高木は高木で、小さな失敗を重ねながらも同居生活に一生懸命尽くしてくれる三好に、気付いた時には恋に落ちていた。
そんな二人がちょっとばかりの紆余曲折を経て恋仲に陥り、最後には高木からプロポーズをするというもの。
『そういえば由野さんって物書きさんなんですよね? どんなお話書いてるんですか?』
初めて顔を合わせた日に、キラキラと輝く瞳で問い掛けられた事を思い出し、由野は小さな溜息を零した。
「……見せられないよなぁ、これは」
パソコンモニターの中で動き始めているキャラクター達を眺めながら、ひとりごちる。
自己作品を否定するつもりは毛頭無いし、BL小説というジャンル自体を恥ずかしいとは思ってはいない。けれど、あくまで購入層の殆どが女性である。ノーマルな性癖の健康的な男子に、どうぞどうぞと薦められる作品で無い事だけは確かだった。
苦笑を浮かべながら眺めた先で、春海が楽しげに笑っている。
初めて会ったその日に豪快な階段落ちを披露してくれた春海は、意外なことに家事に関してはそこそこの腕前だった。
これまでも自分で家事は行っていたらしく、料理に関しても和洋中と何でも作って見せてくれる。素朴な家庭料理の味付けは、杉田の用意してくれる食事と大差無く美味しかった。
初めて春海の料理を食べた際、ひと口食べて驚く由野に対して、杉田が満足気に頷いて見せたのは記憶に新しい。
「春ちゃん、そこが終わったらお茶にしようか?」
「はーい! ……あ、由野さあん!」
ぼんやりと畑仕事をする二人を眺めていた由野に気付いた春海が、立ち上がって軍手を嵌めた手を振って寄越す。
「何だい、春ちゃん?」
「今からボク達お茶にするんですけど、良かったら由野さんも一緒にどうですかー?」
「ああ、じゃあ一緒に頂くよ」
窓を開けて答えた由野に、春海は嬉しそうに微笑みを返した。
あの引越しの日、珍しく夕食を一緒に取れるという北斗の帰りを待って、ささやかながら二人の歓迎会が開かれた。
在宅勤務のせいか曜日の感覚に鈍い由野は、久し振りに北斗がいる夕食の席で、ようやくその日が第3日曜日だったのだと思い至った。
詳しい話は聞いた事が無かったけれど、北斗は毎月一度第3日曜日だけは朝早くに起き出して、何処かへと出かけて行く。いつものようなスーツ姿ではなく、ジーンズにシャツを羽織っただけといったラフな格好で。
『あれ? デートかい、北斗くん?』
『由野さんおはようっす。んーまぁ、そんなようなもんかな? ってことで、行って来んね』
だいぶ前ではあるけれど、出掛けようとする北斗に鉢合わせた時に、思い切って訊いてみた由野だったのだけれど、どうやら誤魔化されて終わってしまったらしい。
けれど行って来ますと言って微笑む北斗の笑顔は、出勤時のどの時よりも楽しそうで。前夜も遅い時間に帰って来て疲れていない筈が無いのに、その足取りは確かにデートへ向かうような弾んだものだった。
もっとも、デートというには近所へ買い物へと行くような、余りに砕けた格好。普段の北斗を好きな相手ならば、間違いなく手抜きをされていると怒り出すだろう。
いつもは時間を掛けてセットしているヘアスタイルも、長めの茶髪を無造作に後ろへ流しただけの簡単なもの。どこで何をしてくるのか、帰って来た時にはその髪型すら崩れている有り様だ。激しい運動でもして来たのかと思うほど疲労困憊で帰って来るくせに、それでも充実した顔を見れば、北斗にとっての大切な時間がそこにあるのだと物語っているようだった。
その日も夕刻過ぎに帰って来た北斗は案の定疲れた足取りではあったけれど、やはりどこか充実した顔をしていた。
初めて顔を合わせた新しい住人二人へと、持ち前のサービス精神を発揮して積極的に語り掛けては、なぜか観月から邪険に扱われていた。
「へえー、春ちゃんにみっちゃんね。俺は北斗、宜しく!」
「何で北斗なんて名乗ってんだ? あんた大輔だろ? 契約書にそう書いてあったし」
「げ……なんでみっちゃんが知ってんの、杉田さん?」
通常通り源氏名を名乗って挨拶をした北斗へ、観月が怪訝そうに眉を寄せる。
突然暴露された本名に慌てる北斗の姿に、由野も疑問の表情を浮かべて杉田を見る。
「うん? ああ、櫻花荘の土地建物名義は、もう観月に譲渡してあるからね。契約書自体は管理人が保管する事になってはいるんだが、変更手続きの際に一通り目を通してもらったんだよ」
もともとの住人二人からの視線を受けた杉田が飄々と返した言葉に、驚いた北斗が目を真ん丸に見開いた。
「って事は、みっちゃんがオーナーになるわけ?」
「そういう事。っていうか、俺より年下のくせにみっちゃんって言うな! みっちゃんって呼んで良いのは春海だけなんだよ!」
「良いじゃないみっちゃん、その方が皆仲良しな感じがするよ?」
「春海は黙ってて」
「はい……」
北斗と観月が交わすテンポの良い会話の合間に、春海がにこにこと見当違いな言葉を挟み、観月からじっとりとした目で返される。
(春ちゃんて、やっぱりちょっと天然だよな)
ほのぼのとそんな様子を眺めながらも、由野は新たにもたらされた事実を脳内で反芻する。
なるほど、孫息子の観月が新しいオーナーになり、その幼馴染だという春海が新しく管理人になるのか。と、理解する間にも、食卓での会話はどんどんと進んで行く。
「久々ですね、こういう賑やかな夕食」
「そうだねぇ。やっぱり飯はこうして皆で食べた方が美味しいな」
反りが合うのか合わないのか、漫才の掛け合いのように進む北斗と観月の会話に、時折混ざる春海のボケ。杉田と由野が顔を見合わせて笑い合う。
その由野がふと視線を巡らせば、正面に座った春海と視線が絡んだ。どうやら自分を見ていたらしい春海へと 「ん?」 と首を傾げて見せた由野に、春海ははにかんだ笑顔を浮かべて何でもないと首を振る。賑やかな北斗と観月との会話を楽しそうに聞きながら箸を動かす春海の姿が、由野の中へ印象深く残った。
『いいですね、このまま進めて下さい』
歓迎会の翌日、新たに立て直したプロットにゴーサインが下りた由野は、さっそく初稿に取り掛かり始めた。2ヶ月に一度の雑誌の発売、由野が載せてもらえる事になった号の発売まで、もう3ヶ月しかない。
あれほど悩んでも一文字も書けなかった事が嘘のように、過去最短とも言える時間でプロットが切れた事に、由野自身が一番驚いていた。
『先生の持ち味である庶民的な感覚は無くして欲しくないんですよ』
担当の太田からはそう言われていたけれど、そんな心配も全く必要の無いものとなった。
ジャンル的には「花嫁物」と称される部類になるのだろうその話は、どこからどう読んでも庶民的なストーリー。
ただひとつ一般の恋愛小説と違うのは、嫁に入るのも娶る側も、どちらも男であるという事。所謂BL小説なのだから当たり前の事なのだけれど。
「にしても……本当、ゴメンね春ちゃん」
窓から見える菜園スペースで、杉田と共に畑仕事を楽しそうにこなす春海の姿が目に入り、由野は少々罪悪感に苛まれていた。
書き進めているその話、主人公である『 三好 修 』のモデルは、何を隠そう春海その人なのだ。受け攻めといわれる業界用語を使えば、役割的には受け担当である。
『小さな旅行会社に勤める三好は入社2年目。
不況の影響で今年は新入社員無し。今年も一番ぺーぺーである。
学生時代から住んでいた古いアパートが、漏電で小火騒ぎを起こす。
急遽、老朽化からの取り壊しが決定、貯蓄も無い三好は路頭に迷う。
ちょっとドジだが何事にも一生懸命で素直。
会社でも可愛がられるマスコット的存在。』
『高木晋一(攻め)
三好の会社の先輩社員。三好の指導員。
困っている三好を見兼ねて同居を提案。
仕事はそこそこ出来るが家事全般は全く駄目。
元来ノンケ。寝食を共にするようになって三好が気になりだす。
元々は可愛い後輩、というだけだったのだけれど……。 』
掻い摘んで説明すればこんなところだろう。
会社で見る顔と普段との違いに、三好は徐々に高木に惹かれて行く。高木は高木で、小さな失敗を重ねながらも同居生活に一生懸命尽くしてくれる三好に、気付いた時には恋に落ちていた。
そんな二人がちょっとばかりの紆余曲折を経て恋仲に陥り、最後には高木からプロポーズをするというもの。
『そういえば由野さんって物書きさんなんですよね? どんなお話書いてるんですか?』
初めて顔を合わせた日に、キラキラと輝く瞳で問い掛けられた事を思い出し、由野は小さな溜息を零した。
「……見せられないよなぁ、これは」
パソコンモニターの中で動き始めているキャラクター達を眺めながら、ひとりごちる。
自己作品を否定するつもりは毛頭無いし、BL小説というジャンル自体を恥ずかしいとは思ってはいない。けれど、あくまで購入層の殆どが女性である。ノーマルな性癖の健康的な男子に、どうぞどうぞと薦められる作品で無い事だけは確かだった。
苦笑を浮かべながら眺めた先で、春海が楽しげに笑っている。
初めて会ったその日に豪快な階段落ちを披露してくれた春海は、意外なことに家事に関してはそこそこの腕前だった。
これまでも自分で家事は行っていたらしく、料理に関しても和洋中と何でも作って見せてくれる。素朴な家庭料理の味付けは、杉田の用意してくれる食事と大差無く美味しかった。
初めて春海の料理を食べた際、ひと口食べて驚く由野に対して、杉田が満足気に頷いて見せたのは記憶に新しい。
「春ちゃん、そこが終わったらお茶にしようか?」
「はーい! ……あ、由野さあん!」
ぼんやりと畑仕事をする二人を眺めていた由野に気付いた春海が、立ち上がって軍手を嵌めた手を振って寄越す。
「何だい、春ちゃん?」
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