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第1章 : 始まりの転生譚
04 : はじめての街並み
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眼下に広がる、楽しげな街。
眼前には、空を飛び回る翼竜たち。
ここが異世界という確証を得た俺は、柄にもなく興奮していた。
まずブリッジをしてみた。石畳の上でするブリッジは少し痛かった。だが夢というのは痛みで覚めるもの。これで何も起きないということは、今が現実だということの証明だ。
次に大声で発声練習をしてみた。問題なく喋ることができる。先ほどの幼女が日本語で話していたことから、ここでは日本語が使えるのだろう。異世界の住人との最初の会話で噛むことがないよう、しっかりと舌を動かしておく。
最後に興奮を抑えるためにダンスでも踊ろうとした時に、遠くから「なにあれー」「しっ見ちゃいけません!」という声が聞こえてきて、やっと我に帰った。
いかん、ちょっと興奮しすぎた。
コレケッコウハズカシイ。
赤らめた顔を拭い、2度3度深呼吸をした後、冷静になって今の状況を確認する。
ここはどうやら、街の外れの高台のようだ。今いる場所は結構開けていて、街を一望することができる。おそらくここは、街を見晴らすための展望台なのだろう。地面から50mはあるだろうか、下を見ただけで足がすくむ。
俺は端から少し離れて、一息つく。
石畳や街の様子をざっと見る限り、技術レベルはおそらく中世あたりだ。ここでなら、俺が高校時代にコツコツと培ってきた科学の知識が活きるかもしれない。
そこで一番問題なのは、この世界に魔法があるかどうか、ということだ。もしあるのならば、科学の知識なんて何の役にも立たなくなってしまう。
だが俺は魔法を使いたい。よってこの世界に魔法は存在してほしい。
QED.
しかも、もしかしたら能力なんていうのもあるかもしれない。そうなれば、俺が活躍できるか...も...
「まさか...典型的な俺つぇぇ展開か...?」
俺はそんな妄想をして一人でに盛り上がる。
異世界に来たことによって、俺の中に封印されていた厨二心が復活したようだ。
そんな事を考えていると、腹がぐぅぅと情けない音で鳴った。
...腹が減ったな。
横を見ると、石で出来た階段があった。ところどころに亀裂が走っているし、手すりなんて優しいものはついていない。あの高さをこれで降りるのは怖かったが、これしか降りる道がないようなので、仕方なくここから街へ降りることにする。
俺は意を決して、一段目に足を踏み出した。
✳︎
「やぁぁっと降りきったぁぁぁぁぁ」
そう安堵する俺の顔は冷や汗だらけで、今でも足がガクガクと震えている。
手すりは無いし階段はボロボロ、さらに強風は吹いているしで、生きた心地が全然しなかった。街へ行く前に異世界生活が終わるかと本気で思った。
震える足を抑えて前を見ると、そこには木製の大きな扉があった。どうやら、ここが展望台への階段と街とを分けているようだ。俺はその重厚な扉を、両手と体をいっぱいに使いながら開ける。
扉を開けた先ーー
そこは、まさに異世界、といったような街並みだった。
まず俺の目に飛び込んできたのは、様々な種族の生き物たちだ。獣耳を生やした獣人や、トカゲのような顔をした緑色のリザードマンもいる。耳の尖ったエルフもいるし、3mはあろうかという大男(おそらくオークか?)もいる。それらの人々が仲良く話しながら、あるいは酒を呑みながら、大きな道を笑いながら歩いていた。
道の両端を見ると、所狭しと出店が並んでいた。
普通の八百屋や焼き肉屋もあると思えば、全身が虹色の魚が売っている魚屋があったり、謎の液体を売っている店もある。
どの店も特有の謳い文句を叫び続けており、道行く人の笑い声と相まって、とても騒がしく聞こえる。だが、嫌な騒がしさじゃない。
楽しげで、聞いてるこちらも騒ぎ出したくなるような、そんな騒がしさだ。
どの店も看板を出しているが、見たことのない文字が使われている。先ほどの幼女が日本語を話していたので日本の文字が使われているかと思っていたのだが...
どうやらこの世界は、そんなに甘くはなかったようだ。
眼前には、空を飛び回る翼竜たち。
ここが異世界という確証を得た俺は、柄にもなく興奮していた。
まずブリッジをしてみた。石畳の上でするブリッジは少し痛かった。だが夢というのは痛みで覚めるもの。これで何も起きないということは、今が現実だということの証明だ。
次に大声で発声練習をしてみた。問題なく喋ることができる。先ほどの幼女が日本語で話していたことから、ここでは日本語が使えるのだろう。異世界の住人との最初の会話で噛むことがないよう、しっかりと舌を動かしておく。
最後に興奮を抑えるためにダンスでも踊ろうとした時に、遠くから「なにあれー」「しっ見ちゃいけません!」という声が聞こえてきて、やっと我に帰った。
いかん、ちょっと興奮しすぎた。
コレケッコウハズカシイ。
赤らめた顔を拭い、2度3度深呼吸をした後、冷静になって今の状況を確認する。
ここはどうやら、街の外れの高台のようだ。今いる場所は結構開けていて、街を一望することができる。おそらくここは、街を見晴らすための展望台なのだろう。地面から50mはあるだろうか、下を見ただけで足がすくむ。
俺は端から少し離れて、一息つく。
石畳や街の様子をざっと見る限り、技術レベルはおそらく中世あたりだ。ここでなら、俺が高校時代にコツコツと培ってきた科学の知識が活きるかもしれない。
そこで一番問題なのは、この世界に魔法があるかどうか、ということだ。もしあるのならば、科学の知識なんて何の役にも立たなくなってしまう。
だが俺は魔法を使いたい。よってこの世界に魔法は存在してほしい。
QED.
しかも、もしかしたら能力なんていうのもあるかもしれない。そうなれば、俺が活躍できるか...も...
「まさか...典型的な俺つぇぇ展開か...?」
俺はそんな妄想をして一人でに盛り上がる。
異世界に来たことによって、俺の中に封印されていた厨二心が復活したようだ。
そんな事を考えていると、腹がぐぅぅと情けない音で鳴った。
...腹が減ったな。
横を見ると、石で出来た階段があった。ところどころに亀裂が走っているし、手すりなんて優しいものはついていない。あの高さをこれで降りるのは怖かったが、これしか降りる道がないようなので、仕方なくここから街へ降りることにする。
俺は意を決して、一段目に足を踏み出した。
✳︎
「やぁぁっと降りきったぁぁぁぁぁ」
そう安堵する俺の顔は冷や汗だらけで、今でも足がガクガクと震えている。
手すりは無いし階段はボロボロ、さらに強風は吹いているしで、生きた心地が全然しなかった。街へ行く前に異世界生活が終わるかと本気で思った。
震える足を抑えて前を見ると、そこには木製の大きな扉があった。どうやら、ここが展望台への階段と街とを分けているようだ。俺はその重厚な扉を、両手と体をいっぱいに使いながら開ける。
扉を開けた先ーー
そこは、まさに異世界、といったような街並みだった。
まず俺の目に飛び込んできたのは、様々な種族の生き物たちだ。獣耳を生やした獣人や、トカゲのような顔をした緑色のリザードマンもいる。耳の尖ったエルフもいるし、3mはあろうかという大男(おそらくオークか?)もいる。それらの人々が仲良く話しながら、あるいは酒を呑みながら、大きな道を笑いながら歩いていた。
道の両端を見ると、所狭しと出店が並んでいた。
普通の八百屋や焼き肉屋もあると思えば、全身が虹色の魚が売っている魚屋があったり、謎の液体を売っている店もある。
どの店も特有の謳い文句を叫び続けており、道行く人の笑い声と相まって、とても騒がしく聞こえる。だが、嫌な騒がしさじゃない。
楽しげで、聞いてるこちらも騒ぎ出したくなるような、そんな騒がしさだ。
どの店も看板を出しているが、見たことのない文字が使われている。先ほどの幼女が日本語を話していたので日本の文字が使われているかと思っていたのだが...
どうやらこの世界は、そんなに甘くはなかったようだ。
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