いつも馬鹿にされていた私だけど頑張ってざまぁしていたら、伝説を作ってしまいました

いちごの華

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魔法世界にて

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ダイニングルームのドアから現れたバルト。

「バルト!」
「父上!」
シーラ達が勢いよく立ち上がった。

みんなの鬼気迫ってきた表情に驚きつつも、
「うぉ・・・!?まあまあ、食事の途中だろう?座れ」
どうどう、というように立ち上がったみんなを座るように促す。

みんなが座ったのを見て、話し始めた。

「みんなが聞きたいのは昼の件だろう?」

ピクッ

父様、何を話すの!?特殊任務のことは言わないでね?

言うなよ言うなよ・・・という念を込めてバルトの方を見る。自分の視線に気づいたバルトがこちらを見て、まるで大丈夫だ!というふうにパチッとウインクをした。

いや、大丈夫だと言われても、とっても不安なんだけど・・・。

何を言い出すのかと、ハラハラとしている中。バルトが話始める。

「実はな…」

ごくっという誰かが生唾を飲み込む音が響く。

「……精霊様が我が家にいらっしゃり、お姿を表してくださったのだ」

……ん?何を言い出すのかと思いきや、そんなこと……

ガタガタッ!

「精霊様が!?我が家に!?本当ですか!!普段は滅多にお姿を見ることができないのに?」
「まぁ、精霊様がベンゼント家に?それは大変光栄なことですわね!それに精霊様ならば、あの魔力なら頷けますわ」
「精霊様が…陛下に報告……光栄なこと」
「いえ、キルラ。まずは研究所に……」
興奮した家族のみんなが、色々と言っている。

え?
そういや、精霊信仰だっけこの国。それにしてもちょっと神格化されてるね。精霊って、いろんなところにいる。それこそ、話題になった庭とかにも。
いや、リーナだってマザリモノだけど精霊の端くれなんだけど。コレ言ったらやばいことになるわ。絶対に口を滑らさないようにしなきゃ。うん。

「……それで…なぜ我が家に?」
キルラが疑問を口にする。

「ああ、その事だが、ベンゼント家一同にご依頼された」

シーラがこの依頼は絶対に失敗はできないわねと呟いていたのが聞こえる。

「そのないようは?」
食べ終えたクルトが言う。

「不滅の樹海で精霊様の卵の守ってほしいということだ」

静かなどよめきが広がる。
みんな驚きが隠せなかった。私は別の意味で驚きが隠せなかった。

ちょっ、父様!?言わないでって言ったのに!
……コレも使えるかな?今日だけで魔法かなり使っているけど。

「……精神感応テレパシー
小さく小声でボソッと呟く。


『父様』
心の中でバルトに向けてメッセージを送る。
バルトはなにも反応してない。届いていないのかー。うーん、やっぱり難しい。
何度か繰り返してメッセージを送っていると、バルトがパッと自分の方を見てきた。

あ、よかった!成功した!!

『コレは精神感応テレパシーと言うモノです。心の中で言葉を作り、魔力マナで包み込むようにして私の方に投げるように送ってみてください』

すると、バルトは集中するために目を閉じる。
数秒後。

『…んー、マリーヌ。こんな感じか?』
バルトの声が頭の中に響いた。
おお!すごい!精神感応テレパシーってかなり難しいのに。
って、話がズレた!!

『えっと、父様?これは一体どういうことですか?言わないで、とお願いしましたよね?』

『ああ。精霊様から依頼されたって言ったし大丈夫だろう?』

『ですがっ!』

『マリーヌ。この実力揃いのベンゼント一家だ。不滅の樹海でも対処できる。一人でやるよりはみんなでやった方が効率がいい』

『キルラにぃやねぇさまは大丈夫だと思いますが!しかしアルムにぃやクルトにぃはどうするのですか!』

『アルムはサバイバル術があるから大丈夫だ。不滅の樹海ならば余裕だ。クルトはセリーネが守るだろ。あの二人は魔法面では相性がいいからな』

もはや、こちらがなんと言っても首を横に振らない。頑固だな?
……もうなんとでもなればいい。その時の記憶は消させてもらうが。

『……不滅の樹海の間の記憶は消させてもらいます。それでよろしければ』

『もちろんだ。お前を一人で行かせるよりはよっぽどいい』

『協力してくださりありがとうございます。そろそろ精神感応テレパシーを切りますので』

『分かった』

精神感応・解除テレパシーセット

ふぅ。
もうなんか、どうでも良くなってきた……

「みんな落ち着け」

バルトの鶴の一声でザワザワしていたのが、一瞬で静かになった。

「そんなわけで、精霊様からのご依頼を承った。出来るだけ早い方がいいことに越したことはない。シーラ。出張届を王宮に提出しておけ。最悪のことを考えてひと月ほど」

「分かったわ。部下たちに仕事を押し付k・・・いえ、任せて貰うようにしておくわ」

シーラが妙に目をキラキラさせて、バルトに応える。

押し付けて、って聞こえたけど気のせいかなぁ?いや、言っていたわ。そこまでして仕事やりたくなかったのか。
宮廷魔法師長っていうのも大変なんだなぁ。

「キルラ。セリーネ。学園に休学届を出しておけ。理由は、そうだな、討伐依頼で」

「了解」
「了解ですわ」
二人同時に答える。

「ねーねー父上。いつ行くの?サバイバルナイフを新調したいから3日ほど待って!」
アルムが声を弾ませてバルトに言う。

「出発は1週間後の予定だ。手続きなどが時間がかかるからな」

「1週間後か!分かった!」

出発は1週間後になるのか。
自分も準備するものがあるし、1週間ならば十分にできる。

運ばれてきたフルーツゼリーを食べながら、準備に必要なものを考えていた。
そして、食後の紅茶を飲み干してピョンと椅子から飛び降りる。

くるりと振り返って
「とうさま、かあさま、にいさま、ねえさま、おへやに戻るの!ばいばい」
右手を挙げて大きく振る。

「ああ、もうそんな時間だな。しっかり歯を磨いて寝るんだぞ?」
バルトが近づいてきて、頭を撫でながら優しい声音で言う。

「うん!おやすみ!」

おやすみ、とみんなに言われたのを聞きながらダイニングルームを出た。







自分の部屋に入り、ベットに飛び込む。

な、長い一日だった…今日だけであんなに手こずっていた特殊任務のことが一日だけでこ進んだ。
いや、ありがたいんだけどさ。もうちょっと早く言えばよかったと思うと嘘じゃないけど。

まぁでも、特殊任務を迅速に達成できるし、魔法もそれなりに使えるようだし。流石に詠唱無しの無詠唱は無理そうだけどさ。

ふわぁー

大きなあくびが出る。
眠い、四歳児はかなり頑張った。うん、その前に歯を磨いて、半分夢の世界に旅立っていたけど、メイドさんにパジャマに着替えさせてくれるのを手伝ってもらいながら着替える。

ベットに入り、メイドさんが明かりを少し落としてもらったのをみて夢へ旅立っていく。

今日もいい夢が見れるといいなぁ。おや……すぴー。



ーーーーーーーー

1時間後にもう一話に上げます。
次の話はかなり短めです。
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