美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん

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リカリエット王国編

幕間 ~ララのお土産~

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 こちらは読み飛ばしていただいても本編に差し支えありません。時系列的にと、ララのコソコソ話がなんなのか、でここに入れておいた方が読みやすいかな、と持って来たお話しです。

*~*~*~*~*

 ララたちが遊びに来たその日の夜。
 「あ、あの、エル様」
 寝室でアリスが、両手の指先をこしこしとこすりながら、何かを言い出せずに戸惑っていた。その姿が愛らしくて、エリアストは優しく抱き締めながら、その頭にくちづける。
 「どうした、エルシィ。珍しく言い辛そうだな」
 アリスはエリアストの胸に頭を寄りかからせ、真っ赤になった顔を、恥ずかしそうに一生懸命隠す。そんな姿も尊くて、エリアストはどうしていいかわからなくなる。
 「え、エル様、あの、ですね、あの、着物、が、ありました、でしょう」
 アリスから、思いがけない言葉が飛び出した。
 「着物?」
 不思議に思って聞き返す。出会った頃のララに教えられた、東の国の服だ。
 「はい。あの、着物、を、ですね」
 ララに、エリアストは着物の着付けが出来るかと耳打ちされ、大丈夫だと答えた。何度か着させてもらったことがある。着物を着させてもらうことも、その後に起こる出来事も、思い出すだけで羞恥に身を焦がすほどだ。
 そんなアリスの反応に、もしかして、と期待するエリアスト。
 「着物を、着たいのか、エルシィ」
 顎を掬われ、熱く見つめられ、アリスは首まで真っ赤になる。それでもアリスは頑張った。ララからのお土産が着物だったのだ。エリアストの母アイリッシュと、ネフェル商会会頭ティティも交え、三人で考えたという新しい着物。
 アリスはララから箱の中身を聞いて、あらかじめ寝室に運ばせておいた。そのお土産の箱をエリアストが開けると、そこには着物とドレスを見事に融合させた、白生地をベースとした淡い色とりどりの花模様に、レースやフリルが贅沢に使用された逸品が納められていた。
 アリスは箱から取り出すと、広げて見せた。
 「まあ、とても素敵ですね、エル様」
 着物を体にあてがいながら、アリスは驚きと喜びの混ざった声を漏らした。
 「着物ドレス、と言うそうです」
 着物ほど複雑な着方を必要とはしないが、それでも一人では着ることが出来ない。エリアストに着替えさせてもらうということ。だから、アリスはララの言葉に頬を染めた。
 「エルシィ、すまない」
 着物をアリスの手から、エリアストはそっと受け取る。
 「他人から贈られた服を、着て欲しくない」
 そう言いつつ、エリアストの顔は耳まで真っ赤だ。想像したのだろう。これを着たアリスを。
 妖精か、天使か、女神か。いや、いつもそうだから、その上の存在か。そうなると何だ。女神以上に神々しい何か。そうか、アリスか。
 思考が溶けかけているエリアスト。悔しいと思いつつ、確かにララに感謝している。
 「私が贈る。それを、着てくれないか、エルシィ」
 アリスは花が綻ぶような笑顔を見せた。
 「それまで、着付けを忘れないようにしないとな、エルシィ」
 そう言ってエリアストは着物を持って来た。
 「おいで、アリス」
 差し出された手に、アリスは真っ赤になりながら、おずおずとその手を重ねた。


*おしまい*

 引き続き本編をお楽しみください。
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