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恋愛シミュレーションゲーム
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新しい話、始めました。
ちょっとアレな主人公を活躍させたくて出来たお話しです。
少しでも楽しんでいただけますように。
*∽*∽*∽*∽*
自分がされて嫌なことは、人にしてはいけません。
小さい頃からそう言われていた。
親に、幼稚園の先生に、小学校の先生に。中学辺りからは先生ではなく、同級生など歳の近しい者が口にするようになる。
素直な私は、なるほど、と思うが、その機会がない。元々人と接することが得意ではないので、相手が嫌がることをする場面すらないので、ケンカもない。何とも起伏のない、平坦な人生だ。このままお一人様で人生を終えるのだろうと思っていた。それがイヤだということは、決してない。寧ろ、それがいい。
しかし、死ぬ前に一度でいい。
恋愛をしてみたい、と思った。
そこで私は、恋愛シミュレーションゲームとやらを手に取った。ものすごく種類があることに驚く。こういうゲームがたくさんあると言うことは、それだけ需要があると言うこと。私以外にも、対人関係が築けない人が五万といるのかと思うと、この国は大丈夫だろうかと心配になった。
適当に見繕って購入したゲームを起動させて思ったことは、対人関係が築けない人向けのゲームということではなかったと言うことだ。恋愛をシミュレーション方式で色々と解説してくれて、恋愛スキルを磨いて現実に備えるものではないようだ。
騙された。
脳トレの恋愛版みたいなものだと思ったのに、まんまと騙された。けれど、対人関係が築けない人が溢れた国ではないことに安心した。
もう一度パッケージに手を伸ばして見てみると、裏に説明書きみたいなものがあった。表だけを見て、綺麗なイラストがたくさんあるなあ、どのイラストがいいかなあ、で選んだ自分が悪いと、素直に非を認めた。
説明書きを見ると、たくさんの男性と浮き名を流し、爛れた関係にもつれ込むというオトナのゲームだ。恋愛初心者どころか、対人初心者の私が、たくさんの男性を相手にするのか。そう考えると、何だか疲れた。
まだゲームの序盤だというのに、八百メートルくらいダッシュしたような倦怠感に襲われ、初日はお開きとなった。
やらなければいい、という選択肢はない。何故なら、高かったからだ。元を取らなくてはもったいない。ゲームで元を取るとはどういう状態まで行けばいいのかわからないが、とにかくコンプリートをすることだけは絶対だ。やる気がないのに、そのためにかける時間の方が余程もったいないという考えは、私の中になかった。
恋愛シミュレーションの意味をはき違えるくらい、ゲーム初心者の私だが、便利なツールの使い方は知っている。ネットだ。短時間で攻略してやる、あのゲーム。
そうして検索して衝撃を受ける。
このゲームの流れが、攻略対象ごとに事細かに書かれているものを読んだのだ。
俄然やる気が出た。
元々イラストで選んだゲーム。ここに書かれていることが本当なら、画像で、動画で見たいではないか。
*つづく*
ちょっとアレな主人公を活躍させたくて出来たお話しです。
少しでも楽しんでいただけますように。
*∽*∽*∽*∽*
自分がされて嫌なことは、人にしてはいけません。
小さい頃からそう言われていた。
親に、幼稚園の先生に、小学校の先生に。中学辺りからは先生ではなく、同級生など歳の近しい者が口にするようになる。
素直な私は、なるほど、と思うが、その機会がない。元々人と接することが得意ではないので、相手が嫌がることをする場面すらないので、ケンカもない。何とも起伏のない、平坦な人生だ。このままお一人様で人生を終えるのだろうと思っていた。それがイヤだということは、決してない。寧ろ、それがいい。
しかし、死ぬ前に一度でいい。
恋愛をしてみたい、と思った。
そこで私は、恋愛シミュレーションゲームとやらを手に取った。ものすごく種類があることに驚く。こういうゲームがたくさんあると言うことは、それだけ需要があると言うこと。私以外にも、対人関係が築けない人が五万といるのかと思うと、この国は大丈夫だろうかと心配になった。
適当に見繕って購入したゲームを起動させて思ったことは、対人関係が築けない人向けのゲームということではなかったと言うことだ。恋愛をシミュレーション方式で色々と解説してくれて、恋愛スキルを磨いて現実に備えるものではないようだ。
騙された。
脳トレの恋愛版みたいなものだと思ったのに、まんまと騙された。けれど、対人関係が築けない人が溢れた国ではないことに安心した。
もう一度パッケージに手を伸ばして見てみると、裏に説明書きみたいなものがあった。表だけを見て、綺麗なイラストがたくさんあるなあ、どのイラストがいいかなあ、で選んだ自分が悪いと、素直に非を認めた。
説明書きを見ると、たくさんの男性と浮き名を流し、爛れた関係にもつれ込むというオトナのゲームだ。恋愛初心者どころか、対人初心者の私が、たくさんの男性を相手にするのか。そう考えると、何だか疲れた。
まだゲームの序盤だというのに、八百メートルくらいダッシュしたような倦怠感に襲われ、初日はお開きとなった。
やらなければいい、という選択肢はない。何故なら、高かったからだ。元を取らなくてはもったいない。ゲームで元を取るとはどういう状態まで行けばいいのかわからないが、とにかくコンプリートをすることだけは絶対だ。やる気がないのに、そのためにかける時間の方が余程もったいないという考えは、私の中になかった。
恋愛シミュレーションの意味をはき違えるくらい、ゲーム初心者の私だが、便利なツールの使い方は知っている。ネットだ。短時間で攻略してやる、あのゲーム。
そうして検索して衝撃を受ける。
このゲームの流れが、攻略対象ごとに事細かに書かれているものを読んだのだ。
俄然やる気が出た。
元々イラストで選んだゲーム。ここに書かれていることが本当なら、画像で、動画で見たいではないか。
*つづく*
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