4 / 17
第4話
しおりを挟む
リズが王宮に住むようになり数ヶ月経ち、後半月で結婚式が行われるという時、それはおこった。
リリアナは週二回、いつものようにご飯を作り楽しく食事をしていた。しかし、急にリズが苦しみだし、倒れたのだ。
「リズ!リズ!」と名前を呼ぶが返事はない。すぐに医師を呼び一命を取り留めたが、未だに目を覚まさない状態だった。
「リリアナ、大丈夫だよ。」とヴィルガーはリリアナの肩を抱く。
数週間後、リズがようやく目を覚ました。しかし、リリアナが近づくと怯えたようにびくりと肩を震わせ、心配になりリリアナが手を伸ばすと悲鳴をあげ、リリアナを拒絶する。
「リズ…。」
「…いや、やめて!殺さないで!」
リリアナは取り敢えず部屋を出る。
何が起きたの?
どうして、私を見て怯えるの?
訳がわからず、リズに怯えられ混乱していたが、それでも、リズのことを心配し、いつものように怪我が治るよう、主へお祈りしている時だった。複数の騎士がリリアナを囲み。拘束する。
「これは、どういうことですか?!」とリリアナが聞けば、騎士達は「リズ様殺害容疑で連行します。これは国王の命令です。」と淡々と述べていく。しかし、リリアナは何を言われているのか理解できなかった。
リズ…殺害?
ヴィルガー様の…命令。
リリアナは目の前が真っ暗になる感覚が襲いその場にへたり込む。そんなリリアナを、騎士たちはなんの感情の浮かばない瞳で見つめ、細い腕を掴み牢屋へと連れて行く。
何が起きたのかわからず、混乱するリリアナの耳にやけに鮮明に鉄の扉が閉まる音だけが耳に響いた。
どうして……。
「お願いします。ヴィルガー陛下をお呼びください。…私は無実です。お願いします。」と何度も何度も、喉が枯れるほど訴えても誰も耳を貸そうとはしない。
それどころか、日に日に警備たちの目は冷たくまるでゴミを見るようにリリアナを見る。
いったい、どのぐらい日にちが経ったのか。
喉は枯れ、手足は枯れ木のように細く、骨が浮き出て、あの美しい聖女様と呼ばれたリリアナの見る影はなかった。
しかし、リリアナの瞳は光を失っていなかった。
ヴィルガーが、愛したみんなが信じてくれていると、信じていたからだ。
「…リリアナ・ローズ・セシリア。」
「ヴィルガー様!」
はやり、ヴィルガー様は私を信じてくださっていた。きっと、これは何かの間違いだったのです。
リリアナは力の入らない体を必死に動かし、ヴィルガーに近づく。
しかし、ヴィルガーから出た言葉もその視線も思いもよらないものだった。
「君を明日日が昇り次第、死刑に処す。」
その声は本当にあの優しいヴィルガー様なのでしょうか。
この瞳もあのヴィルガー様なのでしょうか。
これは、やっぱり悪い夢なのでしょうか。
と考えてみるが現実は残酷なものだった。
「ヴィー様。私は無実です。お願いします。信じてください。」
お願い、ヴィー様。
「…けがわらしいその身で僕の名前を呼ばないでくれるか?」
…主よ。これはあなた様がお与えになった試練だとおっしゃるのでしょうか?
「…信じていただけないのですか?」
「僕の最愛のリズを殺すとして、本当は直ぐにでも殺すとしたんだよ?でも、リズが止めるから…。リズに感謝してほしいぐらいだ。」と言い残すともうこれ以上ここにいたくないというようにヴィルガーは消えて行った。
主様、どうかお許しください。私はこの試練を乗り越えられそうにありません。
リリアナの頬にひとしずくの涙が落ちる。
皮肉にも、明日は本来ヴィルガーとリリアナの結婚式の日だった。
リリアナは週二回、いつものようにご飯を作り楽しく食事をしていた。しかし、急にリズが苦しみだし、倒れたのだ。
「リズ!リズ!」と名前を呼ぶが返事はない。すぐに医師を呼び一命を取り留めたが、未だに目を覚まさない状態だった。
「リリアナ、大丈夫だよ。」とヴィルガーはリリアナの肩を抱く。
数週間後、リズがようやく目を覚ました。しかし、リリアナが近づくと怯えたようにびくりと肩を震わせ、心配になりリリアナが手を伸ばすと悲鳴をあげ、リリアナを拒絶する。
「リズ…。」
「…いや、やめて!殺さないで!」
リリアナは取り敢えず部屋を出る。
何が起きたの?
どうして、私を見て怯えるの?
訳がわからず、リズに怯えられ混乱していたが、それでも、リズのことを心配し、いつものように怪我が治るよう、主へお祈りしている時だった。複数の騎士がリリアナを囲み。拘束する。
「これは、どういうことですか?!」とリリアナが聞けば、騎士達は「リズ様殺害容疑で連行します。これは国王の命令です。」と淡々と述べていく。しかし、リリアナは何を言われているのか理解できなかった。
リズ…殺害?
ヴィルガー様の…命令。
リリアナは目の前が真っ暗になる感覚が襲いその場にへたり込む。そんなリリアナを、騎士たちはなんの感情の浮かばない瞳で見つめ、細い腕を掴み牢屋へと連れて行く。
何が起きたのかわからず、混乱するリリアナの耳にやけに鮮明に鉄の扉が閉まる音だけが耳に響いた。
どうして……。
「お願いします。ヴィルガー陛下をお呼びください。…私は無実です。お願いします。」と何度も何度も、喉が枯れるほど訴えても誰も耳を貸そうとはしない。
それどころか、日に日に警備たちの目は冷たくまるでゴミを見るようにリリアナを見る。
いったい、どのぐらい日にちが経ったのか。
喉は枯れ、手足は枯れ木のように細く、骨が浮き出て、あの美しい聖女様と呼ばれたリリアナの見る影はなかった。
しかし、リリアナの瞳は光を失っていなかった。
ヴィルガーが、愛したみんなが信じてくれていると、信じていたからだ。
「…リリアナ・ローズ・セシリア。」
「ヴィルガー様!」
はやり、ヴィルガー様は私を信じてくださっていた。きっと、これは何かの間違いだったのです。
リリアナは力の入らない体を必死に動かし、ヴィルガーに近づく。
しかし、ヴィルガーから出た言葉もその視線も思いもよらないものだった。
「君を明日日が昇り次第、死刑に処す。」
その声は本当にあの優しいヴィルガー様なのでしょうか。
この瞳もあのヴィルガー様なのでしょうか。
これは、やっぱり悪い夢なのでしょうか。
と考えてみるが現実は残酷なものだった。
「ヴィー様。私は無実です。お願いします。信じてください。」
お願い、ヴィー様。
「…けがわらしいその身で僕の名前を呼ばないでくれるか?」
…主よ。これはあなた様がお与えになった試練だとおっしゃるのでしょうか?
「…信じていただけないのですか?」
「僕の最愛のリズを殺すとして、本当は直ぐにでも殺すとしたんだよ?でも、リズが止めるから…。リズに感謝してほしいぐらいだ。」と言い残すともうこれ以上ここにいたくないというようにヴィルガーは消えて行った。
主様、どうかお許しください。私はこの試練を乗り越えられそうにありません。
リリアナの頬にひとしずくの涙が落ちる。
皮肉にも、明日は本来ヴィルガーとリリアナの結婚式の日だった。
0
あなたにおすすめの小説
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
いや、無理。 (本編完結)
詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。
一旦完結にしましたが、他者視点を随時更新の間連載中に戻します。
もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、
「わかってくれるだろう?ミーナ」
と手を差し伸べた。
だから私はこう答えた。
「いや、無理」
と。
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
素顔を知らない
基本二度寝
恋愛
王太子はたいして美しくもない聖女に婚約破棄を突きつけた。
聖女より多少力の劣る、聖女補佐の貴族令嬢の方が、見目もよく気もきく。
ならば、美しくもない聖女より、美しい聖女補佐のほうが良い。
王太子は考え、国王夫妻の居ぬ間に聖女との婚約破棄を企て、国外に放り出した。
王太子はすぐ様、聖女補佐の令嬢を部屋に呼び、新たな婚約者だと皆に紹介して回った。
国王たちが戻った頃には、地鳴りと水害で、国が半壊していた。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる