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第8話
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「っん…。いやっ……っ。」
リリアナは宣言通りあの日から何度も血を吸われていた。
「もう抵抗するのはやめたらどうだ?」
「…っいや、です。」
「そうか。」ルシファーは楽しそうに笑い、強く吸う。
「…っ………っん。いっ!」
リリアナは自分の手を噛み、正気を保つ。
「くっくく…、本当にお前は面白い。他の女はすぐに快楽に溺れ死んでしまうのに…だからこそ、汚してしまいたくなる。しかし、お仕置きだな、お前を傷つけていいのは俺だけだ。」
ルシファーはお腹、足と血を吸っていく。
「いっ、いやぁっ。」
どれだけ抵抗しても毒のせいか、力が入らない。
「…ルシファー様。」
「誰が入っていいと許可した。」
ルシファーがシエラを睨みつける。その瞳には殺意すら写し出されているが、シエラが怯えることはなかった。
「…また、東にゴミが入ってきました。」
「…ほう、それだけのことで俺の邪魔をしたのか。」
「い、いえ。」と初めてシエラの顔が真っ青になる。リリアナからはその顔は見えなかったが少しでも動けば殺されてしまうとシエラは思った。
力が…今のうちなら。
リリアナはできるだけの力を振り絞りルシファーから離れシーツを体に巻き、テラスに向かう。
「逃げるなら、もっと賢く逃げろ。」とルシファーは近づいてくる。
「主よ。どうかご加護を。」とルシファーはテラスから飛び降りた。
「なっ!」
飛び降りるとは思っていなかった、ルシファーは目を見開く。
「私は、間違っていました!貴方には心がありません!」
リリアナはうまく木に引っかかり走り出すが足をひねってしまったらしくうまく走れない。
それでも、美味しいご飯のお陰か、走れるまでには回復していた。
せめて、人がいる場所に…。
リリアナは無我夢中で走った。
ここはずっと赤い月で今何時で何日経ったのかもわからない。
追ってこないということは諦めたのだろうか。
「……が、………た。」とどこからか声が聞こえる。
だれか、もしかして!
リリアナは声のする方へ走り出す。
しかし、そこで見た光景はとても無残なものだった。魔物だろうそれが人間たちによって何匹も捕らえられ、しかも命を落としているものもいた。
「あ……。」
「だれだ!」
声が漏れてしまい男たちがリリアナの元へ来る。
「へー、こんなとこに女とは。俺たちへのご褒美かな?」とニヤニヤとねっとりとした目でリリアナを見る。逃げようと後ろを向いた瞬間、痛めた足がうまく動かず、その場にこけてしまった。それを男達が見逃すはずもなく、リリアナの手を縛り付ける。
「…なかなかの美人じゃねーか。」
「貴方たちは…なんて酷いことを!」
リリアナは男たちを睨みつける。
「あぁ、魔物か?酷いも何も俺たちは悪さをする魔物をやっつけてるだけだぜ?お礼こそ言われるても、責められる覚えはねーよ。」とさも同然のように答える。
「その子たちが、貴方たちに何をしたというのですか!」
「まぁまぁ、落ち着けよお嬢さん。そんなこと考えられなくなるぐらい気持ちよしてやるよ。」
男たちはリリアナを押さえつけ、首に舌を這わす。
気持ち悪い…。
助けて…。
誰か!
「ルっ!」
私は今何を言おうとしたの?
なんて自分勝手な。
あんなことを言って逃げておいて、助けを求めるなんて…。
リリアナは自分の不甲斐なさに唇を噛み締めた。
すると、「おい。人のものに手を出したらどうなるかわかってるのか?」と地を這うような声が森全体に響く。
「誰だ!」と男たちが声を発するよりも先にリリアナの上に乗っていた男が倒れこむ。
「どうなるか見学してたが…お仕置きだな。」
ルシファーはあっという間に男たちを倒していく。そして、その場に立っているのはルシファー1人になった。
「ルシファー様…なぜ。」
なぜ、私を助けるのですか?
そう聞きたかったのに、声がつまり上手く出ない。
恐怖と自分の不甲斐なさに、ポロポロと涙が頬をつたう。
すると、ざらっとした何かがリリアナの涙をぬぐい。リリアナは驚き目を開けると、そのざらったした正体はルシファーの舌だとわかりリリアナはルシファーから離れようとするがすぐに掴まれ、今度は、唇をペロッと舐められる。
「なっ!」
「甘いな。」
思ったよりも力が入っていたのか、唇が切れていたのだ。
リリアナは恥ずかしさのあまり涙が止まり、顔が林檎のように赤くなるのを感じ顔をそらす。
しかし、それすら許さないと言いたげに顎を掴まれ上を向かせられる。
「あの男に触られた場所を全て舐めてやる。」
「いやですっ!んっっ………っ……。」
しかし、ルシファーはざらりとした舌で執拗にリリアナの腕や首と舐めていく。
逃げられないとわかりリリアナはそれならと口に手をやり握り声を我慢するがそれすら許さないと、手を掴まれる。
「どうした?抵抗しないなど…聖女様らしくないな。もう、落ちてしまったのか?」
「ち、違います!ただ…自分の愚かさに悔いていたのです。貴方はこんなにも優しい心の持ち主なのに…あんな酷いことを言ってしまいました…。申し訳ありません。」
何度も、私を助けてくださったのに。
どうして、疑うことができたのか。自分に腹が立ってしょうがない。
「…本当にお前は飽きない。誘ったのは聖女様だ。帰ったらたっぷりお仕置きしてやるさ。」
「結構です!それに私の名はお前ではなく。リリアナです!」
「まぁ、せいぜい威勢良く吠えていればいい。」とリリアナを抱き上げる。
「あ!待ってください。」と魔物たちを見たがそこにはもうすでに一匹も残っていなかった。死んでいた魔物もだ。
「…あいつらなら逃した。死んでいた奴らはシエラに片付けさせた。」
主様、お母様、やはりルシファー様はとても優しい方だと思うのです。
「忘れるな、屋敷に戻ったらお仕置きだ。」
「結構です!」
やっぱり宣言撤回です!
その後リリアナは二、三日、ベットから起き上がることができなくなるのだった。
リリアナは宣言通りあの日から何度も血を吸われていた。
「もう抵抗するのはやめたらどうだ?」
「…っいや、です。」
「そうか。」ルシファーは楽しそうに笑い、強く吸う。
「…っ………っん。いっ!」
リリアナは自分の手を噛み、正気を保つ。
「くっくく…、本当にお前は面白い。他の女はすぐに快楽に溺れ死んでしまうのに…だからこそ、汚してしまいたくなる。しかし、お仕置きだな、お前を傷つけていいのは俺だけだ。」
ルシファーはお腹、足と血を吸っていく。
「いっ、いやぁっ。」
どれだけ抵抗しても毒のせいか、力が入らない。
「…ルシファー様。」
「誰が入っていいと許可した。」
ルシファーがシエラを睨みつける。その瞳には殺意すら写し出されているが、シエラが怯えることはなかった。
「…また、東にゴミが入ってきました。」
「…ほう、それだけのことで俺の邪魔をしたのか。」
「い、いえ。」と初めてシエラの顔が真っ青になる。リリアナからはその顔は見えなかったが少しでも動けば殺されてしまうとシエラは思った。
力が…今のうちなら。
リリアナはできるだけの力を振り絞りルシファーから離れシーツを体に巻き、テラスに向かう。
「逃げるなら、もっと賢く逃げろ。」とルシファーは近づいてくる。
「主よ。どうかご加護を。」とルシファーはテラスから飛び降りた。
「なっ!」
飛び降りるとは思っていなかった、ルシファーは目を見開く。
「私は、間違っていました!貴方には心がありません!」
リリアナはうまく木に引っかかり走り出すが足をひねってしまったらしくうまく走れない。
それでも、美味しいご飯のお陰か、走れるまでには回復していた。
せめて、人がいる場所に…。
リリアナは無我夢中で走った。
ここはずっと赤い月で今何時で何日経ったのかもわからない。
追ってこないということは諦めたのだろうか。
「……が、………た。」とどこからか声が聞こえる。
だれか、もしかして!
リリアナは声のする方へ走り出す。
しかし、そこで見た光景はとても無残なものだった。魔物だろうそれが人間たちによって何匹も捕らえられ、しかも命を落としているものもいた。
「あ……。」
「だれだ!」
声が漏れてしまい男たちがリリアナの元へ来る。
「へー、こんなとこに女とは。俺たちへのご褒美かな?」とニヤニヤとねっとりとした目でリリアナを見る。逃げようと後ろを向いた瞬間、痛めた足がうまく動かず、その場にこけてしまった。それを男達が見逃すはずもなく、リリアナの手を縛り付ける。
「…なかなかの美人じゃねーか。」
「貴方たちは…なんて酷いことを!」
リリアナは男たちを睨みつける。
「あぁ、魔物か?酷いも何も俺たちは悪さをする魔物をやっつけてるだけだぜ?お礼こそ言われるても、責められる覚えはねーよ。」とさも同然のように答える。
「その子たちが、貴方たちに何をしたというのですか!」
「まぁまぁ、落ち着けよお嬢さん。そんなこと考えられなくなるぐらい気持ちよしてやるよ。」
男たちはリリアナを押さえつけ、首に舌を這わす。
気持ち悪い…。
助けて…。
誰か!
「ルっ!」
私は今何を言おうとしたの?
なんて自分勝手な。
あんなことを言って逃げておいて、助けを求めるなんて…。
リリアナは自分の不甲斐なさに唇を噛み締めた。
すると、「おい。人のものに手を出したらどうなるかわかってるのか?」と地を這うような声が森全体に響く。
「誰だ!」と男たちが声を発するよりも先にリリアナの上に乗っていた男が倒れこむ。
「どうなるか見学してたが…お仕置きだな。」
ルシファーはあっという間に男たちを倒していく。そして、その場に立っているのはルシファー1人になった。
「ルシファー様…なぜ。」
なぜ、私を助けるのですか?
そう聞きたかったのに、声がつまり上手く出ない。
恐怖と自分の不甲斐なさに、ポロポロと涙が頬をつたう。
すると、ざらっとした何かがリリアナの涙をぬぐい。リリアナは驚き目を開けると、そのざらったした正体はルシファーの舌だとわかりリリアナはルシファーから離れようとするがすぐに掴まれ、今度は、唇をペロッと舐められる。
「なっ!」
「甘いな。」
思ったよりも力が入っていたのか、唇が切れていたのだ。
リリアナは恥ずかしさのあまり涙が止まり、顔が林檎のように赤くなるのを感じ顔をそらす。
しかし、それすら許さないと言いたげに顎を掴まれ上を向かせられる。
「あの男に触られた場所を全て舐めてやる。」
「いやですっ!んっっ………っ……。」
しかし、ルシファーはざらりとした舌で執拗にリリアナの腕や首と舐めていく。
逃げられないとわかりリリアナはそれならと口に手をやり握り声を我慢するがそれすら許さないと、手を掴まれる。
「どうした?抵抗しないなど…聖女様らしくないな。もう、落ちてしまったのか?」
「ち、違います!ただ…自分の愚かさに悔いていたのです。貴方はこんなにも優しい心の持ち主なのに…あんな酷いことを言ってしまいました…。申し訳ありません。」
何度も、私を助けてくださったのに。
どうして、疑うことができたのか。自分に腹が立ってしょうがない。
「…本当にお前は飽きない。誘ったのは聖女様だ。帰ったらたっぷりお仕置きしてやるさ。」
「結構です!それに私の名はお前ではなく。リリアナです!」
「まぁ、せいぜい威勢良く吠えていればいい。」とリリアナを抱き上げる。
「あ!待ってください。」と魔物たちを見たがそこにはもうすでに一匹も残っていなかった。死んでいた魔物もだ。
「…あいつらなら逃した。死んでいた奴らはシエラに片付けさせた。」
主様、お母様、やはりルシファー様はとても優しい方だと思うのです。
「忘れるな、屋敷に戻ったらお仕置きだ。」
「結構です!」
やっぱり宣言撤回です!
その後リリアナは二、三日、ベットから起き上がることができなくなるのだった。
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