本当に、愛してる

双子のたまご

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第八章

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「新しいバックが欲しかったんじゃないのか?
いいのか?」

「うん。なんか実物見るとちょっと違った。
次のシーズンでいいや。」

今日は琥珀と隣町のショッピングモールに来ていた。

「あ、あの雑貨屋さん、ちょっと見ていい?」

「あぁ。」

「いいものあったら買ってくるから、鞄。」

「あぁ。」

預かっていた琥珀の鞄を返す。
鞄を受け取った琥珀は店へ入っていった。
雑貨屋をぼーっと眺める。
…あ、あの時計。彼女の家に色違いがあった。
この店で買ったのか?
いや、どこにでもあるか。
彼女もこのショッピングモールに来たことはあるだろうか。
隣町だし、あり得る。
今度は普通に買い物に誘うのもいいかもしれない。

「たっくん、ごめん~お待たせ!」

琥珀が戻ってきた。

「あぁ」

特に何か買った様子はない。

「もう良いのか?」

「うん、ありがとう~」

「じゃあ飯に行くか。」

琥珀の鞄を預かり、レストラン街へ向かう。

「…あ、花屋だ。」

途中で通り掛かった花屋に、琥珀が反応する。

「欲しいのか?」

「ガーベラがね。でも旬なのはちょっと後かなぁ」

「そうか。また買ってやる。」

「ありがとー」

…腹が減ったな。









「ただいま。」

「ただいま~!聞いてよ獅音兄さん!
いつものショッピングモールのパスタ屋さん、韓国料理屋さんに変わってた!
あのパスタ屋さんサラダバー付いてて気に入ってたのにぃ~」

「おかえり。
そうなの、琥珀。残念だったねぇ。」

兄さんに泣きつく琥珀の頭を、よしよしと兄さんが撫でている。

「…そういえば、翠ちゃんは今日何をしてるのかなぁ。」

「食料品を買いに行くと言っていた。
毎週、一週間分のおかずを作り置きしてるらしい。」

「へぇ…隣町まで?」

「いや、聞いてないが…
近くのスーパーだろう。
どうしたんだ、兄さん。」

「うーん…いいや。なんでもない。」

兄さんはたまに脈絡のない話をする。
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