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20 不協和音と薬草採取
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孤児院でアルンの病気を治した。
もちろん『超回復』で。
今後の生活のヒントとなったが、今は考える暇はない。
「暁の光」の3人と合流する。
◆
「おはよう」
「おはようございます」
「快晴」
微妙に重い空気。ダリアとオーグだけで、リュウがいない。
「ユリナさん、ごめんなさい。リュウはもう1日休みたいって」
「欠勤」
やはりぎこちない。
「なら、今日もお休みにする?」
「ユリナさんは?」
「私は久しぶりに薬草でも摘みに行く。それ以外にも、欲しい植物があるし」
「同伴」
「お付き合いします」
目的は植物だけでなく、何でもかんでも。
以前、薬草を摘んでいた場所より、少し奥に入った。
ここまで来ると一角ウサギ、ゴブリンが出るけど、このメンバーなら問題ない。
私の「等価交換」には有機物を使う。
偉そうに言ってるよね。
しかーし。
恥ずかしい話だけど、学がない。
『超回復』のスキルをもらったと同時に「有機物」「無機物」。この2つの言葉が頭に刻み込まれただけ。
最初に「等価交換」でオオカミの肉を奪った。だから肉は有機物と解った。
その程度の理解だ。
イマイチ解らないのが骨、爪、牙。
ウサギを「等価交換」で吸収すると、身体のほとんどを取り込める。
骨も成分を奪っている感覚があるが、必ず残骸が残る。
爪を剥いで等価交換を使うと、吸収できた。
牙、爪は猛獣の武器で、同じくらい固い。
だけど、牙は成分の一部を奪う感じで完全吸収できず。
爪は、どんな魔物や動物でも全部を吸収できた。
最初、鉄の剣を等価交換に使えなかった。骨も無理。
だから「固い物は無機物」。勝手に解釈してたのも、間違ってるようだ。
トカゲ系の鱗も吸収できた。魚の鱗は、まだ試してない。
木にも「等価交換」は有効だった。固いし、見た目では無機物と思ってた。
血は吸い込めたけど、水は吸い込めない。
水を除けば「無理すれば食える物」までが、有機物。
食えないものが、無機物かなと思う。
そう考えても、犬が動物の骨をかじってるのを見たことがある。
線引きが分からないまんま。
だから、草、薬草、木の枝、キノコ、魚、カニ、ゴブリン、昆虫、貝、砂、石、苔、鉱石、レンガ。
何にでも「等価交換」を試し、使えるものを知っていくしがない。
そのための採取なのだ。
今日は、オーグ達の稼ぎにならないので、何かあげようと思っている。
◆
「さあ、帰ろうか」
帰路について、やっと普通に話すことができた。
「ユリナさん、リュウのことはごめんなさい」
「何が?」
「あいつ、別れ際に余計なことを言ったでしょう」
「失言」
「仕方ないよ。実際に命がかかった人、私は見捨てた」
私は何もしてあげてない。リュウみたいないい人間は、冷たいって思うのが当たり前。
「ユリナさん、リュウは昔から変な正義感で後先考えずにものを言ってしまうんです」
「軽率」
「あとから、後悔してました。悪そうな貴族に他人を回復できるとばれたら、ユリナさんがどうなるかとか、もっと考えて発言するべきだったって」
「反省」
「今日は気まずすぎて来なかったけど、明日は大丈夫ですよ」
「・・そう思ってくれるならいいよ」
「明日はきちんと連れて来ますから」
「強制連行」
街に着いた。
査定を頼んでいた素材の代金を取りに行って、そこで解散だ。
気持ちは何となく沈んだまま。
もうスキルの秘密もばれかけてると思う。違う街に行くべきなのだろうか。
「リュウにも、明日は楽しみにしていると言っておいて・・」
「はい・・いえ、その必要はないですかね」
「不必要」
「なぜ?・・あ」
ギルドの前にリュウが立っていた。
もちろん『超回復』で。
今後の生活のヒントとなったが、今は考える暇はない。
「暁の光」の3人と合流する。
◆
「おはよう」
「おはようございます」
「快晴」
微妙に重い空気。ダリアとオーグだけで、リュウがいない。
「ユリナさん、ごめんなさい。リュウはもう1日休みたいって」
「欠勤」
やはりぎこちない。
「なら、今日もお休みにする?」
「ユリナさんは?」
「私は久しぶりに薬草でも摘みに行く。それ以外にも、欲しい植物があるし」
「同伴」
「お付き合いします」
目的は植物だけでなく、何でもかんでも。
以前、薬草を摘んでいた場所より、少し奥に入った。
ここまで来ると一角ウサギ、ゴブリンが出るけど、このメンバーなら問題ない。
私の「等価交換」には有機物を使う。
偉そうに言ってるよね。
しかーし。
恥ずかしい話だけど、学がない。
『超回復』のスキルをもらったと同時に「有機物」「無機物」。この2つの言葉が頭に刻み込まれただけ。
最初に「等価交換」でオオカミの肉を奪った。だから肉は有機物と解った。
その程度の理解だ。
イマイチ解らないのが骨、爪、牙。
ウサギを「等価交換」で吸収すると、身体のほとんどを取り込める。
骨も成分を奪っている感覚があるが、必ず残骸が残る。
爪を剥いで等価交換を使うと、吸収できた。
牙、爪は猛獣の武器で、同じくらい固い。
だけど、牙は成分の一部を奪う感じで完全吸収できず。
爪は、どんな魔物や動物でも全部を吸収できた。
最初、鉄の剣を等価交換に使えなかった。骨も無理。
だから「固い物は無機物」。勝手に解釈してたのも、間違ってるようだ。
トカゲ系の鱗も吸収できた。魚の鱗は、まだ試してない。
木にも「等価交換」は有効だった。固いし、見た目では無機物と思ってた。
血は吸い込めたけど、水は吸い込めない。
水を除けば「無理すれば食える物」までが、有機物。
食えないものが、無機物かなと思う。
そう考えても、犬が動物の骨をかじってるのを見たことがある。
線引きが分からないまんま。
だから、草、薬草、木の枝、キノコ、魚、カニ、ゴブリン、昆虫、貝、砂、石、苔、鉱石、レンガ。
何にでも「等価交換」を試し、使えるものを知っていくしがない。
そのための採取なのだ。
今日は、オーグ達の稼ぎにならないので、何かあげようと思っている。
◆
「さあ、帰ろうか」
帰路について、やっと普通に話すことができた。
「ユリナさん、リュウのことはごめんなさい」
「何が?」
「あいつ、別れ際に余計なことを言ったでしょう」
「失言」
「仕方ないよ。実際に命がかかった人、私は見捨てた」
私は何もしてあげてない。リュウみたいないい人間は、冷たいって思うのが当たり前。
「ユリナさん、リュウは昔から変な正義感で後先考えずにものを言ってしまうんです」
「軽率」
「あとから、後悔してました。悪そうな貴族に他人を回復できるとばれたら、ユリナさんがどうなるかとか、もっと考えて発言するべきだったって」
「反省」
「今日は気まずすぎて来なかったけど、明日は大丈夫ですよ」
「・・そう思ってくれるならいいよ」
「明日はきちんと連れて来ますから」
「強制連行」
街に着いた。
査定を頼んでいた素材の代金を取りに行って、そこで解散だ。
気持ちは何となく沈んだまま。
もうスキルの秘密もばれかけてると思う。違う街に行くべきなのだろうか。
「リュウにも、明日は楽しみにしていると言っておいて・・」
「はい・・いえ、その必要はないですかね」
「不必要」
「なぜ?・・あ」
ギルドの前にリュウが立っていた。
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