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99 ジュリア便り
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アリサ、ナリス、モナを死なせた仇の1人、火のジュリアに重傷を負わせて、29時間。
襲撃地点から1200キロ離れたオルシマの街で、インパクトだけすごい獲物を出した。
受付の順番が回ってきた。
「あら、ユリナさん、お久しぶりです」
「こんちは。前に捕まえてた獲物の解体をお願いしにきたの」
「大きいですか?」
「かなり。とりあえず出すよ」
私がソロでゴブリンキングを討伐したことが知られいる。今度は何を持ってきたかと、酒を飲み始めた人まで集まってきた。
「みんな~、もうちょっと離れて」
「ユリナ、3メートルのシルバーベアでも倒して来たのか」
「シェルドさん、そこ危ないよ。出すからね」
「らしいぞ、みんな~」
どど~~~ん。
「ひええぇ!」
皮、鱗を取っていないため、邪魔だけど残していた、5メートルのランドドラゴンを出した。
ギルマス、副ギルマス、解体場の職員は価値と討伐難度がそこまで強烈ではないと知っているから驚いていないが、それでもギルド内は騒然とした。
『マアミ侯爵領の領都ガーザ、大聖堂前にて、侯爵家第四子ジュリア襲撃される』
その一報は、まだ1200キロ離れたオルシマの街に届いていない。だけど襲撃者の私は、次の日にはオルシマ冒険者ギルドにいる。ギルドカードの記録に時刻も刻まれた。
また多くの人の記憶にも、この日を印象づけた。
もしもジュリアがまだ生きて私の犯行を強調したなら、捜査員は1日でも早くオルシマに来て欲しい。
周りの人の記憶が新しいほど、沢山の証言が得られるからだ。
◆◆◆
帰還から24日が経った。
その間はミールといっぱい過ごした。約束した商人さんにドラゴンパピーを卸したり、孤児院の子供と薬草を摘んだりした。
大技を放つためのスライムも500ぴったり収納している。
Cランクの受験申請をした。試験が5日後ということは、今日が私がオルシマの街に私が来て175日目だ。
オルシマ領主の使いが冒険者ギルドを訪れたと、知らせがあった。ギルマス室でギルマス立ち会いのもと、使者と話した。
用件は「マアミ侯爵家第四子ジュリア襲撃及び死亡」に関する調査と聞き取りだった。
「ドクン」。胸が鳴った。
捜査の人が来たからではない。ジュリアが死んだこと自体で動揺した。
使者は顔色が変わった私を凝視していた。
「ジュリア様について心当たりが?」
隠す必要はない。
「はい。昔、同じ名前で侯爵家出身の女性に親しくしてもらい、だけど騙されて死にかけました」
「ほう」
「私は助かりましたが、仲間3人が死にました」
「担当直入に聞きますが、恨みはありましたか」
「恨みがないはずがない。だけど相手は貴族家の娘で高位冒険者。例え見つけられても、何の力もない私が友達の仇を取れる訳がないと思っていました」
「ユリナさん、マアミ侯爵家の位置を知っていますか」
「ずっと北、王都がある方向に大きな領地を持っていると、ジュリア本人から教えられていました。あの女はどうやって死んだのですか。襲撃とは」
「実は隣国に嫁ぐ予定だったのですが、街を出る日に暗殺者に襲われて、2時間後に死にました」
「そんなことを教えていいんですか?」
「ああ、隠しようがないんでね。普通は箝口令が敷かれる事案ですか、セレモニー中の大聖堂前、群衆の目の前で犯行が行われました」
「そうなんですか。だけどなぜ、私の調査なんて行われたのかしら」
「ジュリア様に応急措置が施されたとき、「オルシマのユリナが来た」と言ったそうです」
「私ですか?」
「なのであなたの足取りが、調べられていたのです」
「疑いは晴れました?」
「はい。ジュリア様襲撃前にユリナさんがギルドカードに討伐手続きをしたのが、襲撃日時の8日前です」
ギルマスが口を開いた。
「マアミ侯爵領は王都のそばだから、1100~1300キロくらいか。俺が全力で走って、途中に馬を乗り継いでも行ける自信はないな。行けても体がガタガタだな」
「そうですね。それより犯行後の時間経過が決定打になりました」
「というと」
「犯行時点のあと、ユリナさんが最初にこのギルドに現れたのが次の日です」
「あらま」
「1日で1000キロ以上の踏破か。人間にはできないな」
「ユリナさんが犯人なら、犯行から29時間で1200キロを移動したことになります」
「おいユリナ、やれるか」
「やれるかって・・レベル62なのに、HP186の低スペックに何を聞いてるのよ、ギルマス」
やったけど・・・
話はこれで終わったが、最後に使者さんが言った。
「領主様からの伝言です。侯爵様、教会上層関係者が、Aランク冒険者ジュリア様を恐れさせた「オルシマのユリナ」に興味を持ったようだ。気をつけろとのことでした」
挨拶して別れた。礼も言った。
私は夜になって1人で街を出た。
ジュリアを弔うため、いや違う。でも遠くない感情だ。
私は風のカルナに始まり、数人の人間を殺めている。「等価交換」のせいで私が知らない場所で死んだ奴がいるかも知れない。
動揺はなかった。
だけど、ジュリアが死んだと聞かされたときは違った。
なぜだろう。
エールを出して飲みながら考えた。うっかり干からびたゴブリンを出してかじったけど、気にせず考えた。
考えて、考えて、理由がやっと分かった。
襲撃地点から1200キロ離れたオルシマの街で、インパクトだけすごい獲物を出した。
受付の順番が回ってきた。
「あら、ユリナさん、お久しぶりです」
「こんちは。前に捕まえてた獲物の解体をお願いしにきたの」
「大きいですか?」
「かなり。とりあえず出すよ」
私がソロでゴブリンキングを討伐したことが知られいる。今度は何を持ってきたかと、酒を飲み始めた人まで集まってきた。
「みんな~、もうちょっと離れて」
「ユリナ、3メートルのシルバーベアでも倒して来たのか」
「シェルドさん、そこ危ないよ。出すからね」
「らしいぞ、みんな~」
どど~~~ん。
「ひええぇ!」
皮、鱗を取っていないため、邪魔だけど残していた、5メートルのランドドラゴンを出した。
ギルマス、副ギルマス、解体場の職員は価値と討伐難度がそこまで強烈ではないと知っているから驚いていないが、それでもギルド内は騒然とした。
『マアミ侯爵領の領都ガーザ、大聖堂前にて、侯爵家第四子ジュリア襲撃される』
その一報は、まだ1200キロ離れたオルシマの街に届いていない。だけど襲撃者の私は、次の日にはオルシマ冒険者ギルドにいる。ギルドカードの記録に時刻も刻まれた。
また多くの人の記憶にも、この日を印象づけた。
もしもジュリアがまだ生きて私の犯行を強調したなら、捜査員は1日でも早くオルシマに来て欲しい。
周りの人の記憶が新しいほど、沢山の証言が得られるからだ。
◆◆◆
帰還から24日が経った。
その間はミールといっぱい過ごした。約束した商人さんにドラゴンパピーを卸したり、孤児院の子供と薬草を摘んだりした。
大技を放つためのスライムも500ぴったり収納している。
Cランクの受験申請をした。試験が5日後ということは、今日が私がオルシマの街に私が来て175日目だ。
オルシマ領主の使いが冒険者ギルドを訪れたと、知らせがあった。ギルマス室でギルマス立ち会いのもと、使者と話した。
用件は「マアミ侯爵家第四子ジュリア襲撃及び死亡」に関する調査と聞き取りだった。
「ドクン」。胸が鳴った。
捜査の人が来たからではない。ジュリアが死んだこと自体で動揺した。
使者は顔色が変わった私を凝視していた。
「ジュリア様について心当たりが?」
隠す必要はない。
「はい。昔、同じ名前で侯爵家出身の女性に親しくしてもらい、だけど騙されて死にかけました」
「ほう」
「私は助かりましたが、仲間3人が死にました」
「担当直入に聞きますが、恨みはありましたか」
「恨みがないはずがない。だけど相手は貴族家の娘で高位冒険者。例え見つけられても、何の力もない私が友達の仇を取れる訳がないと思っていました」
「ユリナさん、マアミ侯爵家の位置を知っていますか」
「ずっと北、王都がある方向に大きな領地を持っていると、ジュリア本人から教えられていました。あの女はどうやって死んだのですか。襲撃とは」
「実は隣国に嫁ぐ予定だったのですが、街を出る日に暗殺者に襲われて、2時間後に死にました」
「そんなことを教えていいんですか?」
「ああ、隠しようがないんでね。普通は箝口令が敷かれる事案ですか、セレモニー中の大聖堂前、群衆の目の前で犯行が行われました」
「そうなんですか。だけどなぜ、私の調査なんて行われたのかしら」
「ジュリア様に応急措置が施されたとき、「オルシマのユリナが来た」と言ったそうです」
「私ですか?」
「なのであなたの足取りが、調べられていたのです」
「疑いは晴れました?」
「はい。ジュリア様襲撃前にユリナさんがギルドカードに討伐手続きをしたのが、襲撃日時の8日前です」
ギルマスが口を開いた。
「マアミ侯爵領は王都のそばだから、1100~1300キロくらいか。俺が全力で走って、途中に馬を乗り継いでも行ける自信はないな。行けても体がガタガタだな」
「そうですね。それより犯行後の時間経過が決定打になりました」
「というと」
「犯行時点のあと、ユリナさんが最初にこのギルドに現れたのが次の日です」
「あらま」
「1日で1000キロ以上の踏破か。人間にはできないな」
「ユリナさんが犯人なら、犯行から29時間で1200キロを移動したことになります」
「おいユリナ、やれるか」
「やれるかって・・レベル62なのに、HP186の低スペックに何を聞いてるのよ、ギルマス」
やったけど・・・
話はこれで終わったが、最後に使者さんが言った。
「領主様からの伝言です。侯爵様、教会上層関係者が、Aランク冒険者ジュリア様を恐れさせた「オルシマのユリナ」に興味を持ったようだ。気をつけろとのことでした」
挨拶して別れた。礼も言った。
私は夜になって1人で街を出た。
ジュリアを弔うため、いや違う。でも遠くない感情だ。
私は風のカルナに始まり、数人の人間を殺めている。「等価交換」のせいで私が知らない場所で死んだ奴がいるかも知れない。
動揺はなかった。
だけど、ジュリアが死んだと聞かされたときは違った。
なぜだろう。
エールを出して飲みながら考えた。うっかり干からびたゴブリンを出してかじったけど、気にせず考えた。
考えて、考えて、理由がやっと分かった。
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