ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる

文字の大きさ
166 / 188

166 4人の目標

しおりを挟む
私、ミール、ミシェル、ノエルの4人で結婚する。

「アイリス」は4人になった。

だけど、諸事情から、正式に公表するのは半年後。

目立つ私達。

有力者からの悪意を牽制するため、準備期間が必要。

最低でも私がBランクだけど、今の私はEランクに降格して昇格は1年間の凍結状態。

解凍まで189日。

当分は私達、表向きはソロで過ごす。


まあ焦らず、ミシェルに誰か1人は付くことにする。

たった今も、リキン領主の関係者のような人間が私達を見ている。

私はリキン領主に1度は捕らえられた。

そのとき、領主邸を半壊させて逃げた。ステータスに現れない大技があるのを知っている。

監視者に鑑定持ちがいてもノエルのレベル91、HP1274とミールのレベル51、HP765を知れば、手を出さない。

ミシェルのレベル54、HP324は狙われる。

中級ダンジョン中層に潜れる。相手の目を暗がりに包む「ダーク」の魔法も1日に100回近く使える。

食っていくには十分な力量だけど・・

「ミシェルにリスクがあるのが申し訳ないわ。本当は現状維持が、彼の安全を考えたら最善なのに」

「いいんだよユリナ様、ミシェルだって私達を嫁にするには何が必要か、分かってる。ねえ」

「うん。とにかくユリナに甘えさせてもらう。行けるとこまで行くよ」

私が魔力ゼロ、自分が闇属性E。それで個人ランクBとか、ちょっとワクワクする。そう笑ってる。

手を取られた。

「言ってなかったね。助けられたことがきっかけだけど、俺の方が弱いけど、ユリナと一緒にいたい」

「私、スキルをもらった代償に、体の中は普通の人間じゃない。子供も望めないよ」

「それもユリナでしょ。それでいいんだ」

「・・うん。私達といるとデストロイな日も増えるけど、離れていかないでね」


「あっ、私のことも忘れないでね。突然の登場だけど、よろしくね」

ノエルも加わった。


その日は街で宿を取り、4人で同じ部屋で過ごした。

ミールが、ミシェルかノエルの子供を生むと言い出した。

男女で子供を作ることは知ってたけど、普通の子供時代を歩んでいない子だった。

裸になって意気込んだけど、性知識がそこまでだった。

具体的なことを知らない。半年の間に、少しずつ教えよう。

とりあえず、大きなベッドで4人一緒に寝た。

◆◆◆
ミシェルの強制レベリングは20日後に始める。

私達にも、多少はやることが残っている。

ミールは初心者冒険者を連れて、初級ダンジョン踏破のお手伝い。私も参加する。

オルシマに帰り、「ふーどこーと」、スマトラさんとこに顔を出したりしたあと、活動開始だ。

ミシェルは、世話になっているケインのパーティーと中級ダンジョンに潜る。

リキンの南東にあるサハギンが出る砂浜ダンジョンの踏破に挑戦する。

ノエルがミシェルに付いて行ってサポートする。

ケインも快諾してくれたが、ノエルの精霊魔法を見て驚くのだろう。


私とミールはオルシマに帰ってきた。

「ふーどこーと」直行。

だいぶ昼も過ぎ、少し客が減ったころ。

「あ、ユリナだ。もう、顔出してくれないから心配してたんだよ」

タルモが出迎えてくれて、他2人とサルバさんも出てきた。

「お帰りなさい」
「任せっきりでごめんなさい。サルバさん」

「3人が頑張ってくれるから順調ですよ」

一応は私もここの影の経営者。簡単な報告を受けた。

今は12店舗。弱い闇属性の子なんかが増えて、仕入れ係とか仕事は回っている。

それより気になることがある。

タルモ達3人とサルバさんの距離が妙に近い。

サルバさんに、居住スペースの最上階でタルモ、サーラ、カミーラと4人で住ませて欲しいと言われた。

にやけながらOKした。


サルバさんを手伝う「凶信者部隊」のマルコ君とも会った。

新たに4人の闇の子を連れてきていて、乾杯した。

それが「名もなき神の祝福」になるそうだ。

マルコに案内してもらい、死なせてしまったカミユのお墓に来た。

手を合わせた。

「カミユもう、ごめんねとは言わない。けど、あなたのような闇の子が来たら、やれるだけのサポートはするからね」

やっぱり悲しい。最近は泣いてばかりだ。

一緒に8人の闇の子が来たから強くあろうとしたけど、涙がこぼれてしまった。

「ユリナ様、次はスマトラさんのとこに婚約の報告に行こうよ」

私達の関係を気にかけていたスマトラさんにも心配をかけていたようだ。

悪意を持つ人間がどこに潜んでいるかわからない。ミシェルとのことはしばらく公にしない。

でもミールがお世話になってきたスマトラさんには報告すべきだ。


スマトラ邸に行くといつも思う。

元豪商の家を買い取ったと言うが、Bランク冒険者が簡単に買い取れるもんではないだろう。

オルシマの領主である男爵家に意見する力もある。貴族の関係者だと思う。

家にはスマトラさんと、護衛のジェルバさんがいた。

応接間に通され、お茶が出された。

出してくれた人を見て驚いた。

「あれ、オルガさん。なんでここに・・」

上級ダンジョン前で知り合い、その後も有用なアドバイスをくれる魔法使いだ。

「久しぶりですユリナ様。ミールちゃんから聞いてないのね。あはは」

にやにやするミール。わざと教えなかっただろ。

何やら私の『超回復』絡みで知り合い、その後に色々と、チョメチョメがあり、スマトラさんに交際を申し込まれたそうだ。

スマトラ38歳、オルガ25歳。一回り以上年は離れている。

オルガさんがスマトラさんを「スマちゃん」と呼ぶから、まあ上下関係は分かった。

スマトラさんに、エルも含めた、4人婚の話をした。ことのほか喜んでくれた。



しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

処理中です...