名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します

とみっしぇる

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27 次はイバラギ、トチギへ

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私サラはアリアと旅に出る。

女神にも魔王討伐を頼まれたし、RPG『勇者と5つのオーブ』というRPG風に旅をする。

アストリア帰還という報酬目当てに引き受けた。

次の目的地は北のイバラギで、次はトチギ。そして2個目のオーブがあるサイタマに入る。

サイタマはチバの北西側と隣接してるのに、わざわざ2つのエリアを経由する。

かなり遠回りだけど、RPG『勇者と5つのオーブ』のシナリオに沿うとこうなる。

RPGの中のサイタマは、クーデター政権により政情不安定。
絶対に通れない検問や結界があり、密入ルートが2ヵ所しかない。

現実でも、クマガイという男が領主のカスカベ侯爵に謀反を起こし領地を乗っ取っている。

厳しい検問はある。けど、それだけ。

私が結界魔装の変身からアリアを抱えて山か森を突っ切れば、簡単にサイタマに行ける。

けれど、それやると配信を見てスパチャをくれる視聴者を興醒めさせてしまう。

視聴者はアリアが人気RPGの主人公として成長する姿が見たいのだ。

すでに『勇者5×アリア』の熱烈なファンもいる。

アストリア視聴者コメント欄
『アリアちゃん、今日から勇者活動だね』
『頑張って』

「はい、アストリアの皆さんの声援に応えられるように、魔王に負けない力を付けてみせます」

『ヨシ!』
『楽しみにしてるよ』

アリアにはアストリアからのコメント欄が、自分向けなら頭の中に入る設定にしてある。

だから勇者5に関する、私にしか理解できない内容はアリアの耳に入っていない。

神器スマホはすごい。それを作った女神は有能だが、うっかりミスも多い。


私にもメリットがある。魔王討伐の旅を配信してハルナに収益金を届けたい。

ま、人気が出やすいアリアのダンジョン配信もできる。

イバラギ、トチギと回るのは『勇者5』の中では乗り物、要するに騎獣を手に入れるため。

イバラギのミト中級ダンジョン、ダンジョンボスがドロップする『従魔の首輪』を2個手に入れる。

そんでトチギのニッコーの森に行って、チェキボーという黄色くて二足で走る鳥魔物を捕まえる。従魔の首輪をチェキボーの首に取り付ければ、移動手段の出来上がりだ。

アストリアの森にも住んでる鳥。日本で人気だったというRPG『タンナルファンタジー』に出てきてた空想の鳥魔獣にそっくりな風貌。

ゲームを作った日本人召喚者が勇者7に取り入れた。

アリアに聞くと、ヤマト世界にもいる。ジペングではトチギだけに住んでいる。

第2のオーブがあるサイタマは反逆者クマガイによる独裁状態。

なので山岳地帯の谷間をチェキボーで伝ってサイタマにこっそり入るのを、視聴者に望まれている。

◆◆
アリアがしばらくマクハリの孤児院を離れる前に、10日間ほど泊めてもらった。

アリアと一緒に、近隣の街で路上生活してた獣人の子供9人を連れてきた。

余った10メートルサイズの収納指輪は、ハンナに持たせた。

孤児院の子供と海水浴したり、色々と映してアストリアに配信したらウケた。

◇聖女サラチャンネル◇
登録者数402万人
スパチャ合計1213万円

登録者数が増えたのはアリアのお陰。そして孤児院の子供達にもスパチャが投げ込まれた。

なのでアリアと連名で、寄付という形で孤児院に金を置いてきた。

稼いでいるのに、財布の中身は乏しい。

◆◆◆
暖かな晴れた日の午後、孤児院、マクハリの街のみんなに手を振られて旅立った。

まずは徒歩だ。

今度こそ旅に出たけど、さすがはハードモードの世界。初日の夕方には盗賊に出くわした。

ドロンが飛び立って『アクション』

アストリアの視聴者大盛り上がり
『歴史に出てくる盗賊だ』
『アストリアでは、すでにレア物』
『有り金を置いていけ、とか言うのか?』

盗賊A「てめえら、有り金置いていけ!」

予想が当たって、アストリア視聴者大喜び。

レベル30程度の12人。私達には問題ない相手でも、殺意たっぷりの男達の前に立ってるのは私達だぞ。

「さて、さらにアストリア視聴者を喜ばせてやろうか。1個目のオーブのチートに誰か気付くかな」

アリアと目が合った。私は頷いた。

「サラ、私に任せて。ビリバリ×7」

アリアがかざした左手から電撃が飛び出して、あっという間に5人を無力化。強烈な電撃に麻痺効果もプラスされる。

電撃は速い。何より光るから、アリアの黒髪と美貌が一層映える。

アストリアからのコメント欄が滝のように流れてるぞ。

残る7人に切り込んだアリア。高速で飛ぶアイスバレットの魔法を20発も飛ばしながら走って、簡単に手や足を斬って盗賊全員を無力化した。

ハードモード世界では盗賊を逃がしてはいけない。逃がすと反省するどころか、再犯率100パーセント。

その場で仕留めるか、近隣の街で衛兵に渡す。

私達は衛兵に渡すことを選んだ。装備を全部剥ぎ取り、無限収納から出した荷車に乗せて運んだ。

主人公勇者が敵種属以外も殺りまくりはダメだろ。

しばらく行くと小規模なオヤマの街に到着した。その時、視聴者が気付いた。

『あれ?電気系と氷系の魔法ってレアだけどMPをやたら食うはずだぞ』
『あ、そうだ。ビリバリは使用MP33、アイスバレットはMP25かな』
『使ったMP総量は、アリアちゃんの総MP超えてるよ』

「ふっふっふ。実は女神の勘違いチートが最初のオーブに組み込まれてたのだよ」。笑う私。

『もったいぶらずに教えろ聖女』
『アリアちゃんに何が起こってるんだよ』

女神が『勇者5』を真似して作った7つのオーブのうち1個目の白いオーブ。

その中に、レベルに合わせて覚えていく呪文があるのだけど、コスパがいい。


原因は恐らく、女神の勘違いだ。
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