名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します

とみっしぇる

文字の大きさ
27 / 73

27 次はイバラギ、トチギへ

しおりを挟む
私サラはアリアと旅に出る。

女神にも魔王討伐を頼まれたし、RPG『勇者と5つのオーブ』というRPG風に旅をする。

アストリア帰還という報酬目当てに引き受けた。

次の目的地は北のイバラギで、次はトチギ。そして2個目のオーブがあるサイタマに入る。

サイタマはチバの北西側と隣接してるのに、わざわざ2つのエリアを経由する。

かなり遠回りだけど、RPG『勇者と5つのオーブ』のシナリオに沿うとこうなる。

RPGの中のサイタマは、クーデター政権により政情不安定。
絶対に通れない検問や結界があり、密入ルートが2ヵ所しかない。

現実でも、クマガイという男が領主のカスカベ侯爵に謀反を起こし領地を乗っ取っている。

厳しい検問はある。けど、それだけ。

私が結界魔装の変身からアリアを抱えて山か森を突っ切れば、簡単にサイタマに行ける。

けれど、それやると配信を見てスパチャをくれる視聴者を興醒めさせてしまう。

視聴者はアリアが人気RPGの主人公として成長する姿が見たいのだ。

すでに『勇者5×アリア』の熱烈なファンもいる。

アストリア視聴者コメント欄
『アリアちゃん、今日から勇者活動だね』
『頑張って』

「はい、アストリアの皆さんの声援に応えられるように、魔王に負けない力を付けてみせます」

『ヨシ!』
『楽しみにしてるよ』

アリアにはアストリアからのコメント欄が、自分向けなら頭の中に入る設定にしてある。

だから勇者5に関する、私にしか理解できない内容はアリアの耳に入っていない。

神器スマホはすごい。それを作った女神は有能だが、うっかりミスも多い。


私にもメリットがある。魔王討伐の旅を配信してハルナに収益金を届けたい。

ま、人気が出やすいアリアのダンジョン配信もできる。

イバラギ、トチギと回るのは『勇者5』の中では乗り物、要するに騎獣を手に入れるため。

イバラギのミト中級ダンジョン、ダンジョンボスがドロップする『従魔の首輪』を2個手に入れる。

そんでトチギのニッコーの森に行って、チェキボーという黄色くて二足で走る鳥魔物を捕まえる。従魔の首輪をチェキボーの首に取り付ければ、移動手段の出来上がりだ。

アストリアの森にも住んでる鳥。日本で人気だったというRPG『タンナルファンタジー』に出てきてた空想の鳥魔獣にそっくりな風貌。

ゲームを作った日本人召喚者が勇者7に取り入れた。

アリアに聞くと、ヤマト世界にもいる。ジペングではトチギだけに住んでいる。

第2のオーブがあるサイタマは反逆者クマガイによる独裁状態。

なので山岳地帯の谷間をチェキボーで伝ってサイタマにこっそり入るのを、視聴者に望まれている。

◆◆
アリアがしばらくマクハリの孤児院を離れる前に、10日間ほど泊めてもらった。

アリアと一緒に、近隣の街で路上生活してた獣人の子供9人を連れてきた。

余った10メートルサイズの収納指輪は、ハンナに持たせた。

孤児院の子供と海水浴したり、色々と映してアストリアに配信したらウケた。

◇聖女サラチャンネル◇
登録者数402万人
スパチャ合計1213万円

登録者数が増えたのはアリアのお陰。そして孤児院の子供達にもスパチャが投げ込まれた。

なのでアリアと連名で、寄付という形で孤児院に金を置いてきた。

稼いでいるのに、財布の中身は乏しい。

◆◆◆
暖かな晴れた日の午後、孤児院、マクハリの街のみんなに手を振られて旅立った。

まずは徒歩だ。

今度こそ旅に出たけど、さすがはハードモードの世界。初日の夕方には盗賊に出くわした。

ドロンが飛び立って『アクション』

アストリアの視聴者大盛り上がり
『歴史に出てくる盗賊だ』
『アストリアでは、すでにレア物』
『有り金を置いていけ、とか言うのか?』

盗賊A「てめえら、有り金置いていけ!」

予想が当たって、アストリア視聴者大喜び。

レベル30程度の12人。私達には問題ない相手でも、殺意たっぷりの男達の前に立ってるのは私達だぞ。

「さて、さらにアストリア視聴者を喜ばせてやろうか。1個目のオーブのチートに誰か気付くかな」

アリアと目が合った。私は頷いた。

「サラ、私に任せて。ビリバリ×7」

アリアがかざした左手から電撃が飛び出して、あっという間に5人を無力化。強烈な電撃に麻痺効果もプラスされる。

電撃は速い。何より光るから、アリアの黒髪と美貌が一層映える。

アストリアからのコメント欄が滝のように流れてるぞ。

残る7人に切り込んだアリア。高速で飛ぶアイスバレットの魔法を20発も飛ばしながら走って、簡単に手や足を斬って盗賊全員を無力化した。

ハードモード世界では盗賊を逃がしてはいけない。逃がすと反省するどころか、再犯率100パーセント。

その場で仕留めるか、近隣の街で衛兵に渡す。

私達は衛兵に渡すことを選んだ。装備を全部剥ぎ取り、無限収納から出した荷車に乗せて運んだ。

主人公勇者が敵種属以外も殺りまくりはダメだろ。

しばらく行くと小規模なオヤマの街に到着した。その時、視聴者が気付いた。

『あれ?電気系と氷系の魔法ってレアだけどMPをやたら食うはずだぞ』
『あ、そうだ。ビリバリは使用MP33、アイスバレットはMP25かな』
『使ったMP総量は、アリアちゃんの総MP超えてるよ』

「ふっふっふ。実は女神の勘違いチートが最初のオーブに組み込まれてたのだよ」。笑う私。

『もったいぶらずに教えろ聖女』
『アリアちゃんに何が起こってるんだよ』

女神が『勇者5』を真似して作った7つのオーブのうち1個目の白いオーブ。

その中に、レベルに合わせて覚えていく呪文があるのだけど、コスパがいい。


原因は恐らく、女神の勘違いだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

追放された荷物持ち、【分解】と【再構築】で万物創造師になる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーから「足手まとい」と捨てられた荷物持ちのベルク。しかし、彼が持つ外れスキル【分解】と【再構築】は、万物を意のままに創り変える「神の御業」だった! 覚醒した彼は、虐げられていた聖女ルナを救い、辺境で悠々自適なスローライフを開始する。壊れた伝説の剣を直し、ゴミから最強装備を量産し、やがて彼は世界を救う英雄へ。 一方、彼を捨てた勇者たちは没落の一途を辿り……。 最強の職人が送る、痛快な大逆転&ざまぁファンタジー!

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

処理中です...