名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します

とみっしぇる

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29 勇者にしてくれたサラに応えたい

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チバエリアからイバラギエリアに入って3日後、私とアリアはトリデ中級ダンジョンに到着した。

道中には2度も盗賊が出た。魔族も10人一組と遭遇した。原因は私達が女の二人連れというところだ。

街道を通るのは護衛多数の馬車、10人くらいで固まった冒険者ばかりだと思ったら盗賊避けだった。

さすがは物騒な世界。

アリアに言わせると、私が超美人だというのも要因だそうだ。アストリアではモブだった私に面と向かって言わんではしい。

盗賊、魔族はアリアが一人で制圧した。

そのたびに配信先のアリアファンに喜ばれた。

私は盗賊と魔族から装備とお金を剥ぎ取る係。資産が増えるので、思わず笑みが浮かんだ。

何故かドロンはそこを切り抜いてくれたよ。

アストリアの視聴者から『守銭奴聖女』という異名をいただいた。

トリデの街に行く前に、南に10キロの位置ににあるダンジョンに入った。冒険者は意外に少ない。

ここのダンジョンボスを倒すと、魔獣を操れる『従魔の首輪』がドロップする。

なのにモンスターは、スケルトン、ゾンビ、グール。ダンジョンボスはビッグボーンスケルトンのレベル40である。

「サラ、わ、私、オバケや死霊って苦手なの」
「大丈夫だよ。アリアも聖魔法のヒール使えるようになっただろ」

「けれどヒールの使用MPって1回15だよ。総MP360の私じゃ、あっという間に枯渇しちゃう」
「大丈夫だよ。アリアだけは女神のオーブ効果で、ヒールの消費MPは1だろ」

「あ、そうだった。頑張るね」

ただ、ヒールが15メートルも飛ぶのは改造聖女の私だけ。アリアのヒールは2メートルしか飛ばない。

なのでスケルトン、ゾンビの接近を許し、きゃーきゃー言いながら敵を倒した。

倒し切れないやつは、私が火柱2メートルの『着火』で焼き払った。

それでもアストリア視聴者にウケたのはアリアだ。
『アリアちゃん、後ろからゾンビが来てる』
『いるよ、そこにいるって!』

「後ろ?嘘ですよね・・、 いたああ、ホントにいたたあ! ヒール、ヒール、きゃああ!」

残務処理をした私を誰も褒めてくれないが、暗闇ドッキリのアリアが絶賛。スパチャが増えてるのでよしとする。

敵の出現数が多く、スケルトンは必ず武器か防具を持っている。だから金目の物を拾える。

私が拾って無限収納に入れまくった。

普通は重い金属を山のように持って帰れない。この辺がトリデダンジョンに人気がない原因のひとつ。

◆◆
魔王軍も出ず、ダンジョンは3日で攻略した。

ダンジョンボス戦も特筆するものはなかった。お目当ての『従魔の首輪』も2個手に入れたから地上に出た。

まだ日暮れ前。

街道に出てトリデの街に向かおうとすると、豪華な馬車が私達を追い抜いた。

護衛騎士が10騎並走している。

「アリア、イバラギのミト侯爵って、どこに住んでるんだ?」
「知らないけど、領都だからトリデじゃないかな」

「あの馬車も領主関係者かな」

そんなこと言いながら豪華な馬車を見てると、少し狭く両側に木々がある道に入った。

すると豪華な馬車に矢が飛んできた。

ドスッと馬に矢が刺さり、そして馬車の前を塞ぐように丸太が倒れ、40人くらいの盗賊が現れた。

護衛騎士は13人で劣勢。

アリアが助太刀に入ろうとした。
「冒険者ですが、手助けは必要ですか?」

「ありがたい・・」
アリアの少し尖った耳を見て騎士の顔色が変わった。そして侮蔑の色が浮かんだ。他の奴も同じ顔になった。

「劣等種が、偉そうに・・」

私は、それを聞き逃さなかった。

「アリア、関わらない方がいい。そいつらおめえの耳を見て、態度を変えたぞ」

アストリアの視聴者も怒っている。
『なんだよアレ』
『勇者7のストーリーと関係ないから放っておけばいいよ』
『助けても感謝されないぞ』

2人で離脱しようとしたが・・

「私が感謝されないことは、最初から覚悟している。それでもサラが勇者にしてくれた」

アリアが真剣な目をしている。

「サラ、私はあなたに恥じない勇者になるために、あの人達を助けたい」

そうだ、こんな子だから私は迷わずアリアを勇者にした。

ぼそっ。「『勇者と7つのオーブ』に沿って動くのも必要だけど、アリアの気持ちを大事にしなきゃ無意味だよな」

私向けのコメント欄
『だな。魔王倒しても、アリアちゃんに後悔あったら意味ないよな』
『反省』
『聖女、ヒト族の悪意からアリアちゃんを守ってくれ』

「分かった。けど、こんな貴族のためにアリアは戦わせたくねえ。私がやる」

私はアリアの前に出て、生活魔法の『給水』を唱えた。

MPは大奮発して400込めた。

高さ8メートル、幅20メートル、厚さ5メートルの水の塊を前に押し出した。

どどどどどと、派手な音ともに即席の洪水が起きて、盗賊、護衛、貴族っぽい馬車を雑木林の中に流した。

そんで、盗賊から武器を取り上げて放置。

騎士がそのうち、盗賊を斬るなり捕縛するなり対処するだろ。

「さ、アリア行こうぜ」
「・・ええ」

アリアを馬鹿にした貴族側のやつも水浸しにしたから、アストリア視聴者にはウケた。
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